2015年05月31日

『アフガニスタン人の二つの願い。(5月30日)』

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社会イノベーター公志園にて。

 一昨日29日は第四回社会イノベーター公志園のキックオフでした。私は司会役として参加です。この公志園、なかなか言葉で説明するのが難しく、「参加」してみないと分かりません。ウェブサイトには概要もありますから、ご覧下さい。それでも、わからないと思いますが・・。

「社会イノベーター公志園とは」
http://koshien-online.jp/about/


 昨日は第一回から第三回までの卒業生が21人集い、そして第四回に登壇する17人が集いました。第一回の前から関わっている者として、過去に参加した皆さんが今でも挑戦し続ける姿に、胸を打ちました。
 ただし、昨日私がもっとも心を震わされたのは、パキスタン・アフガニスタンで人道支援を続ける中村哲医師の話でした。中村医師のことは、先生を支えるためにできた団体である、ペシャワールの会のサイトをご覧ください。

ペシャワールの会
http://www1a.biglobe.ne.jp/peshawar/index_pesha.html


 中村医師の活動は旧ソ連のアフガニスタン侵攻の頃からはじまり、9.11を経て米国によるアフガニスタン空爆も経験され、今に続いています。中村医師は、現地の方々が望んでいるある2つのことを支えるため、30年間現地に暮らし続けました。アフガニスタンの皆さんが望む2つとは、「ただ、その土地で暮らすこと」。そして、「ただ、家族と共に暮らすこと」、です。
 この話をうかがって、やはり私は東北のことを考えました。津波や原発事故により、故郷で暮らし続けることが難しい現状。「これから人口減少するのだから、もっと集約化すればいい」と簡単にいう方もいます。しかし現地の皆さんの中に、喜んで避難している人はいません。アフガニスタンは、内戦と気候変動で居住が厳しい環境が続いていますが、現地の皆さんはその地で暮らすことを望みます。東北の皆さんも、簡単でない環境があるのは十二分に分かった中で、懸命に復興にむけて尽力されています。
 東日本大震災からまだ4年と少したったばかりです。改めて、東北のこれからを思う皆さんに寄り添い、一歩ずつ歩んでいこうとおもった夜です。

■おしらせ
□藤沢烈の新著が3月11日に講談社より発売されました。『社会のために働く 未来の仕事とリーダーが生まれる現場』。購入は→http://ow.ly/JI7F3
□東北復興に関心ある方は、twitterとfacebookのフォローをお願いします→
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2015年05月29日

日経ソーシャルイニシアチブ大賞の表彰式でした。(5月29日)

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授賞式の様子。(5月28日撮影)

 昨日は、日経ソーシャルイニシアチブ大賞の表彰式。今年の大賞は、味の素、ケア・インターナショナルジャパン、プラン・ジャパンが共同受賞しています。東北部門はsweet treat311、クリエイティブ賞には、「東北食べる通信」の東北開墾。東北での取り組みが、幅広く取り上げられています。
 
第三回ファイナリスト・受賞結果
http://social.nikkei.co.jp/result03.html#c01


 3年前に「ETICによる、社会起業支援の10年間」というブログを書きました(※1)。10数年経ち、東日本大震災を経験して、日本社会でもすこしずつ「ソーシャルビジネス」という考えが浸透してきたように思います。
 さて、本日5/29は、社会起業を応援するもう一つの一大プログラム「社会イノベーター公志園」の今年のキックオフです。

第四回公志園
http://koshien-online.jp/process-4th/


 日経では東北部門のファイナリストとして登壇させて頂きましたが、公志園では、司会役としてお手伝いさせて頂きます。今夜お会いする皆様、宜しくお願い致します。

※1 ETICによる、社会起業支援の10年間
http://retz.seesaa.net/article/259811882.html

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2015年05月27日

割引旅行券、岩手5月28日、福島6月1日、宮城6月スタート。(5月27日)

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福島駅にて。

 地方創生施策の一つとして、宿泊費の半額を補助する事業がスタートしています。被災三県でもそれぞれクーポンが発行されますが、明日5/28より岩手分が発売開始です。各県の現状まとめます。

□岩手県 いい旅・いわて・おもてなし旅行券
http://www.iwatetabi.jp/visit/index.html
 全国コンビニとネットで5/29(金)朝10時から発売開始。最大1人1泊9千円の補助です。

□福島県 福が満開、福の島。旅行券
http://tif.ne.jp/ryokouken/
 全国コンビニで6/1(月)16時から発売開始。ネットでは朝10時からです。最大1人1泊5千円の補助になります。

□宮城県 観光王国みやぎ旅行券
http://sendai.keizai.biz/headline/1872/
 まだ専用サイトはオープンされていません。県の情報によれば、6月から発売が開始され、1人1泊1万円の補助を受けられます。

 他県の例をみると、発売後10分で完売しており(※1)、東北三県も同様になると思われます。これを機に観光にボランティアと、東北を満喫して頂ければと思います。

※1プレミアム付き旅行券 約10分で完売(秋田県)
http://www.news24.jp/nnn/news8618361.html

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2015年05月26日

自治体による産業政策、3つのポイント(5月26日)

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いすゞ×ユーグレナのプロジェクトをいすゞ自動車本社で展示。(5月25日撮影)

「自覚的に地域産業政策を展開している自治体については、次のような特長がみられます。第一に、先駆的な自治体の地域産業政策の情報を収集し、学んでいることです。第二に、自治体の地域産業政策の継続性と体系性を重視していることです。第三に、地域産業政策の担当者を意識的に育てていることです。
『自治体の地域産業政策と中小企業振興基本条例』(植田浩史、2007)

 集中復興期間が今年でおわり、来年からは「復興・創生期間」がはじまります(※1)。"自立"がキーワードの中で、産業再生が主課題の一つです。
 中小企業研究の植田教授によれば、自治体による産業政策には三つ必ポイントがあります。一つは、他地域を学んでいること。一つは、体系的・計画的に進めていること。一つは、産業政策担当者を育成できていること。
 当てはまらない地域が少なくありません。東北でも、隣の市町村の取り組みもなかなか知る機会がありません。独自の産業政策の体系をもつ自治体は多くありません。異動が多くて産業政策を専門とする職員は希少です。何をするかの前に、政策をすすめる環境づくりが求めているのでしょう。
「全国約3200の市町村のうち、自立的に戦略的な産業振興政策に取り組んでいるところは、私たちの判断では約30ほどではないかと思う」p3
『地方小都市の産業振興戦略』(関満博、2014)

 地方中小企業施策の大家である関満博先生からすれば、まともに産業振興ができているのは1%に満たないそうです。国の枠組みが決まりつつある中、地域から産業を立ち上げる必要があります。

※1 16年度から「復興・創生期間」=竹下復興相(5月12日、時事通信社)
http://jp.wsj.com/articles/JJ10606017160857944900218567510421093681759

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2015年05月25日

ヤマダ電機46店舗閉鎖と、地方創生。(5月25日)

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岩手ビッグブルズは、秋田ノーザンハピネッツに敗退。(5月23日撮影)

 ヤマダ電機が、5月末に46店舗閉鎖することが話題になっています。
「ヤマダ電機が地方の郊外型店舗を中心に約40店を5月末に閉鎖することが24日、分かった。消費税増税の影響で販売低迷が続く中、不採算や収益率の低い店舗の整理を急ぐ」
『ヤマダ、40店閉鎖=郊外型中心に5月末』
http://jp.wsj.com/articles/JJ11701350305887723324618830196932599631394

 東北では、岩手・花巻、宮城・栗原築館、福島・喜多方の名前があがっています。ヤマダ進出で競争力のない地域電気店は淘汰されていたでしょうから、地域における影響は大きいでしょう。
「『ストックホルムで買い物をすれば地元の商店が潰れてしまう。商店街が消えて困るのは町の住人で、なかでも車に乗れない子どもやお年寄りだ。だから少々高くとも日用品は地元の商店で買う』」p84
『持続可能な地域経済の再生ー地域の現場に学ぶ』(東北開発研究センター, 2004)

 大型店の統廃合にともなう地域集約化をやむなしとするのか、これを「市場の失敗」とみて地域の維持を目指すのか。東北復興に関わっていて、人が移動することの地域・人々への負担が甚大であることもわかっています。ヤマダ電機の記事をみて、難しい問題を各地域は与えられているな、と感じますし、こうしたテーマを深めることこそ地方創生だと考えます。

『持続可能な地域経済の再生ー地域の現場に学ぶ』(東北開発研究センター, 2004)


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2015年05月24日

『世界に通用する観光地になるための条件。(5月24日)』

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福島でディスティネーションキャンペーン、6月まで。

「旅行者は、地域がもっている歴史・気候・風土などが育んできた生活文化、郷土意識などに触れることを求めている」p45
『これからの観光政策と自治体』(松井一郎, 2014)★2-1627旅

 「負の遺産を受け入れる」「地域の強みを機能させる」、この2つが観光復興にむけて必要だと前回のブログに書きました(※1)。
 温泉・海水浴といった今までの観光資源だけではなく、地域の自然・文化・人々が、ニューツーリズムでは財産となります。例えば北海道ニセコは、大自然を活かして冬のスキーだけでなく夏のラフティングも観光資源化できています。平成11年には観光客入込客数で夏が冬を逆転(※2)。震災で減少した客数もその後回復し、平成25年度は年間157万人が人口5千人のニセコを訪れています。ニセコの観光会社経営者が、世界に通用する観光地になるための条件を7つあげています。
「ニセコは世界屈指のスキーリゾートとして、オーストラリア、香港や他のアジア諸国から沢山の人が訪れている。では、世界に通用する観光地となるための条件とは何か。1.人々。2.宿泊施設。3.独自性。4.日本らしさ。5.一般客向けサービス。6.観光プラン。最後に、各組織としっかり調整する必要がある」(ニセコアドベンチャーセンター、フィンドレー社長)
『これからの観光戦略〜外国人誘客を目指して〜』(日本都市センター, 2005)★2ー1628旅

 東北があてはまるためには、広域でこうした取組を総合的に進めるための組織が必要になるでしょう。東北三県も、独特の自然を保有しています。震災によって知名度も上がりました。時間もリソースも限られます。絞り込んだ集中的な取組が求められています。

※1 観光復興のための、二つのポイント。(5月22日)
http://retz.seesaa.net/article/419375845.html

※2 ニセコ町観光統計(観光入込客数調査など)ーニセコ町
http://www.town.niseko.lg.jp/machitsukuri/tokei/post_113.html

『これからの観光政策と自治体』(松井一郎, 2014)★2-1627旅


『これからの観光戦略〜外国人誘客を目指して〜』(日本都市センター, 2005)★2ー1628旅


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2015年05月22日

観光復興のための、二つのポイント。(5月22日)

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福島駅にて。(5月21日撮影)

「1980年代以降、私たちを取り巻く社会・経済・暮らしは激変し、それに伴って観光に対するニーズやスタイルも大きく変化してきています」
『「観光」を切り口にしたまちおこし』(白井冬彦, 2013)★3ー1626旅

 4月のブログに書きましたが(※1)、ボランティア・ツーリズムのような新しい観光が、震災復興をきっかけに広がりつつあります。始まりは80年代でした。それまでの大箱一辺倒のスタイルが変わり、多様な観光(ニュー・ツーリズム)が広がったのです。
 
「条件不利地域における観光展開に必要なこと。一点目は、条件不利となる負の遺産をその地域ならではの視点からとらえなおし、負の遺産と当該地域とのかかわりを観光客にみせることである。二点目は、負の遺産だけでなく地域の人が地域に対する誇りをもてるなにかを観光資源として機能させることである」p156
『観光とまちづくり』(深見聡、2010)★4ー1625旅

 震災というピンチをチャンスに変えて、東北観光を盛り立てるためには、二つポイントがあると本著は主張します。一つは、負の遺産を受け入れること。度重なる津波の脅威や、歴史に残ってしまう福島第一原発事故。そうした事象が、岩手や福島の歴史と強く関係していることを、むしろオープンに見せていく必要があります。
 いま一つは、負の遺産以外の「ウリ」を用意すること。人や食が東北ではウリとなるでしょう。
 
 新しいツーリズムという潜在的機会を活かすためにも、過去と向き合い、今の魅力を伝える必要があります。

※1 新しいツーリズムは東北から生まれる。(4月28日)
http://retz.seesaa.net/article/418055422.html

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2015年05月21日

『原発事故の語り部が活躍する日。(5月21日)』

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最高裁判所前の、地球にまたがった少年像。

 今日は盛岡・福島出張です。福島では、アーカイブ拠点施設有識者会議に参加します。三回目で、国に要望するための中間報告案が準備されています。
 さて、このブログでは博物館シリーズ?ということで、これまで4回言及しましたが(※1)、最終回として、博物館の経営についてかきます。
「時間はかかっても、会員には自主的に事業実施のための組織を作ってもらい、博物館側がそれをサポートするという形が望ましい」p155
「江戸東京たてもの園では、1996年、川崎市日本民家園のボランティアの仕組みを参考にして、試行的にボランティア制度を実施した。各ボランティアに、来園して活動できる曜日を決めてもらい、曜日ごとに『曜日班』を組織し、月2回程度の活動を基準とした」p159
『新博物館学〜これからの博物館経営』(小林克, 2009)★4

 学芸員出身の研究者による、一冊。「広報」「マネジメント」「旅行代理店との連携」など参考になりましたが、ボランティア組織運営についてが目を引きます。人と防災未来センターの村田研究部長も話されていましたが、展示物だけでなく、当事者による経験談が加わってはじめて震災のリアルが伝わります。"人防"でボランティアが語り部を行っているように、福島アーカイブ拠点でも、原発事故当事者による語り部が活躍することでしょう。

 なお、人と防災未来センターについては、10周年記念誌によってそのマネジメントを勉強しました。下記に全文PDFで公開されていますから、参考にしてください。

人と防災未来センター10周年記念誌・別冊
http://www.dri.ne.jp/centertop/10years


※1「博物館をNPOに任せたら。(5月5日)」
http://retz.seesaa.net/article/418433606.html
「補助金が問題ではない。外部性が問題である。(5月7日)」
http://retz.seesaa.net/article/418542472.html
「博物館と観光、コッツウォルズと釜石。(5月8日)」
http://retz.seesaa.net/article/418596192.html
「ミュージアムと地域と原発事故と。(5月16日)」
http://retz.seesaa.net/article/419063813.html

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2015年05月20日

一人のリーダーのトップダウンから、人のつながりというボトムアップへ。(5月20日)

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東京・紀ノ國坂にて。

 駒崎弘樹さんとの対談連載も、最終回です。

「人のつながり」が日本の課題を解決する
藤沢烈と駒崎弘樹、「復興」を語る<3>
http://toyokeizai.net/articles/-/68923

 今回は社会関係資本(ソーシャルキャピタル)について触れました。同じ地域でも、震災の後で人づきあいが増えた方は復興感が強く、減った方は復興感が高まりません。一人ひきこもってしまった方は、たとえ町並みが復旧してきても、むしろ孤立感を覚えてしまうからです。
 コミュニティの再生、心のケア、産業振興。復興の課題は多々ありますが、その基礎の部分で社会関係資本を充実させる必要があるのです。
 対談の最後には、企業が間接的ではなく直接社会貢献をおこなう時代がくると話しました。「一人のリーダーが社会を変える時代ではない。より多くの方々が社会に関わる必要がある」。もしかすると、大阪都構想の住民投票否決は、そうした時代観を示す象徴なのかもしれない、と思います。
 最後に、対談の最後をしめくくった、駒崎さんの言葉を紹介します。

「いま日本は課題が山積みで、これからもっともっと課題は増えていくわけですから、どんどん解決していかなきゃいけない。でも現状は、力と人というリソースが全然足りていません。だから援軍が欲しいわけです。ひとりでも多くの人たちが力を寄せてくれたらうれしいな、と思います」

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2015年05月17日

エルトゥールル号沈没事故の漫画が、5月31日まで無料公開。(5月17日)

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日本復興の光大賞にて。

 『もやしもん』作者の石川雅之さんが、125年前に和歌山県沖で起きたトルコ軍艦エルトゥールル号沈没事故について描いた漫画が、5月31日まで無料公開されています。トルコと日本が友好的な間柄になった大きな契機となったこの事故について、ご存じない方はぜひお読みください。

石川雅之『Teşekkür ederim』
http://www.moae.jp/comic/tesekkurederim


 東日本大震災でも、震災直後に海外勢では最長の3週間、32人のトルコ人支援チームが宮城県に派遣されました。
 また、RCFもお手伝いさせて頂きましたが、今年から日本トルコ文化交流会がその名も「エルトゥールル号からの恩返し〜日本復興の光大賞」と題して、復興支援団体を表彰しています。トルコの皆さんが丹念に現地をまわり、必ずしも日が当たっていないが重要な役割を担っている団体ばかりを選ばれています。復興支援表彰は多くありますが、他に例がない内容です。

「エルトゥールル号からの恩返し「日本復興の光大賞15」記者発表」
http://www.nittokai.org/report/detail102.html


 石川さんの漫画を読ませて頂いて、過去が今に関わっているし、今の一つ一つの取り組みが未来につながっていると感じさせてくれます。最近は2020年オリンピックと復興について考える機会が幾つかあります。世界への感謝の機会を、東北と日本からぜひつくりたいと考えています。

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2015年05月16日

ミュージアムと地域と原発事故と。(5月16日)

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伊豆旅行中にみつけたお地蔵さま

 福島県のアーカイブ拠点施設有識者会議の第二回が、5月14日に行われ、委員として参加しました(※1)。今回は、人と防災未来センターから研究部長の村田昌彦さんがゲスト参加。「人防」の機能についてプレゼンされ、勉強になりました。
 関連して、今回は「震災☓ミュージアム」という切り口の二冊を紹介しておきます。
「膨大な人手を要して地域史料の保全措置を行うからには、その地域が再生するという希望が少しでもあれば続けていけますが、その希望が持てるかというと、何の確証もありません。これが今、やっていて非常につらいし、誰がその答えを出せるのか、どうすれば地域を再生させることができるのか、出口が見えない所にいるもどかしさを感じます」p205
『被災地の博物館に聞く〜東日本大震災と歴史・文化資料』(国立歴史民族博物館, 2012)★3ー1621旅

 こちらは、震災でダメージを受けた三県の博物館職員によるレポート集。引用は、福島県歴史資料館の本間さんにより。2011年7月の講演であり、原発の影響もまだ分からない頃のやるせなさが伝わります。アーカイブは、地域が成り立っていてこそ意味があるのでしょう。
「震災後個人の中に埋もれたままになっている言葉を、映像を通して感想を語り合うことで掘り起こす『こえシネマ』。中学生や高校生が震災後の身の回りの生活と社会について考え対話する『U-18 てつがくカフェ』。メディアテークは、震災を乗り越え仙台に生きている市民の姿を知るためのミュージアムとしての役割を果たす」p68
『地域を変えるミュージアム』(玉村雅敏, 2013)★4ー1622旅

 引用は、せんだいメディアテーマの様子。展示に留まらず、入館者を"参加"させながら、震災後の仙台での生活を演出しています。本では全国のユニークなミュージアムを30紹介されていて、学びとなります。著者は、地域における社会イノベーションの触媒としてミュージアムを位置づけています。福島のアーカイブ拠点も、原発事故から福島が立ち直るための、前線基地のような機能を果たして欲しいと、思います。

※1 福島アーカイブ拠点施設の有識者会議委員に委嘱いただきました。(5月4日)
http://retz.seesaa.net/article/418387413.html

■おしらせ
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2015年05月15日

復興からみえる次の社会のタネ〜シティマネジャー、キリン、三菱。(5月15日)

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福島ディスティネーションキャンペーン中。


 駒崎弘樹さんとの対談の第二回が掲載されました。

福島県産の桃で「氷結」を作るキリンの覚悟 藤沢烈と駒崎弘樹、「企業×復興」を語る<2>
http://toyokeizai.net/articles/-/68907


 この記事の中から、シティ・マネジャー制度と、キリン・三菱商事両社による福島支援についてコメントしておきます。

□シティ・マネジャー
 記事の中で「日本版シティ・マネジャー制度」について触れています。現在は、地方創生人材支援制度という名前にかわりました。詳細が、内閣府のウェブサイトに掲載されています。
 
地方創生人材支援制度について
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/sousei/cm/pdf/sousetsu.pdf


 3月20日のブログにも書いたように(※1)、この三月には第一弾の派遣者が決まり、弊団体の山本含め69名が全国各地に派遣されています。
 この制度は、財務省の嶋田さんが、釜石で全国最年少副市長として活躍したことが契機になりました(※2)。文中では財務省のSさんと表記していますね。「30年後の日本が、ここにあるから」と彼が言ったと書きましたが、同じ内容は、2012年9月、彼が釜石にはいって1年と少したったころにダイヤモンドオンラインに書かれています。ちょっと長いですが、3年たった今でも通用する文章ですから、ぜひご覧ください。

震災から1年半 釜石市のいま 釜石のいまは日本の未来―岩手県釜石市 嶋田賢和副市長」
http://diamond.jp/articles/-/25094


※1 日本版シティマネジャー制度の派遣者69名か決まりました。(3月20日)
http://retz.seesaa.net/article/415971128.html

※2 日本版シティマネージャー制度の経緯に、震災復興。(11月3日)
http://retz.seesaa.net/article/408242483.html

□キリンと三菱商事財団による福島支援
 福島が抱える課題に対して、もっとも本質的にコミットしている大手企業はこの二社になります。まず、キリンは福島の果物をつかった酎ハイを製作し、かつ「福島産」であることを明確に書き込むことで、福島全体のブランディングに貢献しています。

キリン 福島産桃を使った「氷結」を今春発売、CSVの実現目指す
http://www.alterna.co.jp/14474


 続いて三菱商事。郡山市と協働で、郡山の果物をつかったワイン・リキュールを醸造していきます。ワイン用ブドウの栽培も始められます。このブドウが上質なワインになるには10年単位の時間がかかる。そこから、三菱商事が10年単位で福島の復興に関わろうとしていることがわかります。

福島産果物でワイン 郡山市と三菱商事財団
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201502/20150221_62025.html


 今回は、行政と企業の変化について紹介しました。東北復興から、次の社会のタネが続々と生まれている様子をご理解いただけたと思います。

■おしらせ
□5/30の社会的インパクト投資シンポジウムに登壇です
http://impactinvestment.jp/2015/04/529-302.html
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2015年05月14日

東北オープンアカデミー第一期生になれるチャンス、残りわずか。(5月14日)

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盛岡にて。

 ほとんどお手伝いできていなくて申し訳なかった「東北オープンアカデミー」。第一期プログラムは今月で修了です。東北のリーダーに出会う旅も素晴らしいですし、なにより同期生との繋がりがおすすめです。残りのプログラムを見て頂いて、たまたま時間がある方。きっとそれは縁があるということ。参加をおすすめします。

◆「地域から日本の未来をつくる社会実験プロジェクト」参加者募集中!
=======================================================
           東北オープンアカデミーのお知らせ
            (全プログラムを公開しました!)
              http://open-academy.jp/
=======================================================

2015年2月末よりスタートしてきた東北オープンアカデミー。

東北の「未来をつくる現場」で活躍するリーダーとともに
現場を巡り、議論し、地方から日本の未来を探る2泊3日のフィールドワークは、
これまでに13本のプログラムを実施し、100名を超える方々に参加いただきました。

いよいよ第1期の東北オープンアカデミーも終盤戦に入り、
5月末までに10本のフィールドワークを開催します。
http://open-academy.jp/fieldwork/

第1期は総勢200名の参加を予定しています。
地域から日本の未来を考えていきたい、自身の地域との関わり方を考えていきたい、
東北との新たな関わり方を探したいという皆さん、ぜひご参加ください!

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【1】 東北オープンアカデミーとは?
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地域から日本の未来をともに考える、会員型コミュニティです。
2泊3日の東北でのフィールドワークを入口とし、その後毎月1回程度の
会員向けのラボラトリーが開催され、地域の最新情報を学び、
自身のアイデアを深め、新たな仲間を募っていく機会が用意されています。
http://open-academy.jp/?a=top-1

greenzにて東北オープンアカデミーの目指すこと、フィールドワークの魅力などを
わかりやすくご紹介いただきました。ぜひご覧ください。
「都市にいながら地方と関わるパラレルキャリアをはじめませんか?」
http://greenz.jp/2015/04/21/tohokuopenacademy/

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【2】 今後の説明会開催日程
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2015年5月14日20:00〜21:30 @東京会場(五反田)
https://www.facebook.com/events/1415312508788806/

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【3】 フィールドワーク一部紹介
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5月末までに開催する残り10本のフィールドワークを一部ご紹介します。
全プログラムは、こちらをご覧ください。
http://open-academy.jp/fieldwork/
(過去開催済みのプログラムも閲覧可能です)

■5月15日(金) - 5月17日(日)■

まちづくりの新たな形「地域同盟」地域間提携が生み出す、地域活性の新しいうねり。
(岩手県陸前高田市)
http://open-academy.jp/fieldwork/rikutaka_hirota/

ビジネスパーソンのための、ローカルキャリア入門。
(岩手県釜石市)
http://open-academy.jp/fieldwork/kamaishi_local/

■5月22日(金) - 5月24日(日)■

2035年を生きる。 「憧れの連鎖」で地域から起業家を育てる
(福島県南相馬市)
http://open-academy.jp/fieldwork/fukushima_entrepreneur/

【起業家or起業準備中の方限定】日本を代表するメーカーを地方から生みだす。
(岩手県陸前高田市)
http://open-academy.jp/fieldwork/rikutaka_maker/

■5月29日(金) - 5月31日(日)■

食と農で実現する世界基準の地方創生
(宮城県名取市・山元町)
http://open-academy.jp/fieldwork/miyagi_gra_atalata/

超高齢化団地の未来。新健康長寿産業の作り方
(福島県福島市)
http://open-academy.jp/fieldwork/fukushima_horai/

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【4】 主な掲載記事
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■東北で1000人規模の"社会実験"を。(yahoo!ニュース/東北復興新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150203-00010000-tohokufs-l04

■日経Bizアカデミー連載「東北オープンアカデミー現地リポート」
http://bizacademy.nikkei.co.jp/management/seminar_report/article.aspx?id=MMAC0v000010042015

■フィッシャーマンに会う旅(東北復興新聞)
http://www.rise-tohoku.jp/?p=9860

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◆東北オープンアカデミー問い合わせ先
東北オープンアカデミー実行委員会東京事務局
[NPO法人ETIC.内 担当:諸(もろ)]
info@open-academy.jp
TEL:03-5784-2115
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■おしらせ
□5/30の社会的インパクト投資シンポジウムに登壇です
http://impactinvestment.jp/2015/04/529-302.html
□藤沢烈の新著が3月11日に講談社より発売されました。『社会のために働く 未来の仕事とリーダーが生まれる現場』。購入は→http://ow.ly/JI7F3
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2015年05月12日

駒崎弘樹さんと、社会起業の12年。(5月12日)


駒崎弘樹さんとの対談にて。(3月30日撮影)

 昨日のブログでは、駒崎弘樹さんと進めた「ソーシャルビジネス経営者合宿」について書きました(※1)。
 丁度その前日、以前「社会のために働く」の出版記念で行われた駒崎さんとのトークライブが東洋経済ONLINEに掲載されましたので紹介します。

「社会のために働きたい人」はなぜ増えたのか?
藤沢烈と駒崎弘樹、「社会起業家」を語る〈1〉
http://toyokeizai.net/articles/-/68748


 連載第一回目では、12年前の2003年に駒崎さんと出会ったころの話が語られています。私がMcKinseyを辞めて、社会起業支援を行い始めた頃です。やはりお手伝いしていた「かものはしプロジェクト」が、ETICによる社会起業ビジネスプランコンテスト「STYLE」で優秀賞を取ったのもこの年でした。(※2)
 社会起業を語るうえで、ETICを欠かすことはできません。「こころざし!」に集まった多くの社会起業家たちも、ETICのプログラムに何かしらかかわった人ばかりです。「ETICによる、社会起業支援の10年間」と題して、3年前にブログを書いたことがありますので(※3)、一度お読みいただければと思います。
 何かを10年以上積み上げると、世の中は変わっていくのだな、と感じます。震災復興も気づけば、5年目。あと5年続けた先に、違った社会が生まれることを、確信できるように思います。

※1 ソーシャルビジネス経営者合宿「こころざし!」、開催。(5月11日)ー藤沢烈BLOG
http://retz.seesaa.net/article/418760268.html


※2 スタイルについてーETIC
http://www.etic.or.jp/style/about.html


※3 ETICによる、社会起業支援の10年間ー藤沢烈BLOG
http://retz.seesaa.net/article/259811882.html


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2015年05月11日

ソーシャルビジネス経営者合宿「こころざし!」、開催。(5月11日)

「こころざし!」にて。

 土日は、「ソーシャルビジネス経営者合宿こころざし!」を開催しました。「NPOの未来をつくる会」(NPO未来)幹事が呼びかけ人となり初めて行われた催しです。
 まずはNPO未来について説明しておきます。
 立ち上げのきっかけは、NPOによる寄付税制優遇廃止が政府で議論になった時です。「若手NPOとして声をあげる必要があるね」ということでフローレンス駒崎弘樹さんが、私含めて何人かの社会起業関係者に声をかけました。結果、10月9日にはNPO未来が主催し、各党国会議員による院内パネルディスカッションを行いました(※1)。

※1「どうなっちゃうの?NPO税制」イベントの、NPOセクターにおける3つの意義(10月10日)
http://retz.seesaa.net/article/406877931.html


 他にも、昨年12月15日には「社会的投資祭り」という催しも開いています(※2)。「休眠預金口座」「ソーシャルインパクトボンド」「クラウドファンディング」いった、社会的なお金の流れの加速に実務的に取り組んでいる方々の横のつながりをつくるため、行われました。

※2 2015年はソーシャルファイナンス元年となるか。(12月16日)
http://bylines.news.yahoo.co.jp/fujisawaretsu/20141229-00041891/


 こうした取り組みの中で、NPO未来として活動の柱を整理。「外(メディア・企業・政府)との連携」「制度構築(制度構築に向けた提言)」、そして「内と連携」ということで、ソーシャルビジネス経営者間の情報交換やノウハウ共有を目指すことが決まっていて、「こころざし!」も行われたのです。
 今回は50人の経営者が集合。二つのテーマでのパネルディスカッション、4人のライトニングトークを挟みつつ、20時〜翌朝まで人によっては8時間以上、話し続けました。私もまったく把握できていませんが、数多くの新しい繋がり、新しい企画が持ち上がったようです。
  NPO未来は代表が駒崎弘樹さん。ETIC宮城さん、育て上げネット工藤さん、SVP岡本さん、ジャパンギビング佐藤さん、クロスフィールズ小沼さんといったメンバーが幹事で、私が事務局長を務めています。今後もNPO経営者の繋がりが強まり、経営力を高められるような動きも行っていきます。みなさま、引き続き宜しくお願い致します。

■おしらせ
□5/30の社会的インパクト投資シンポジウムに登壇です
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2015年05月08日

博物館と観光、コッツウォルズと釜石。(5月8日)

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今日も盛岡です。

 5/7は"博物館と外部性"について書きました(※1)。博物館による外部性といえば、文化の継承・学習が一番にあがりますが、他にもあります。
「今日の博物館の社会的存在意義と位置づけは4つ。1.文化・教養施設としての意義・位置づけ。2.レジャー・娯楽施設としての意義・位置づけ。3.生涯学習・社会教育施設としての意義・位置づけ。4.地域活性化や観光振興策としての意義・位置づけ」
『博物館の新潮流と学芸員』(浜田弘明, 2012)1619旅★2

 ここでは四つ目の「観光」の側面に着目します。成功例として英国がしばしば取り上げられます。経済的にも成功を収めたためです。中でも、人口15万人程にもかかわらず年間200万弱の観光客を集めるコッツウォルズ地方が有名です。
「英国のミュージアムは不況をものともせず、成長し続け、地域経済の雇用を創出し、地域から期待される産業に発展していった。70年に900館であった英国のミュージアム数は、96年現在2,500にまで発展している」p21
「英国コッツウォルズ地方は、春夏秋冬を通して何度もきてもらうことで、そこで知的発見をしてもらうために、利用者が学習を深めていくことができる総合学習型のプログラムを準備し、住民自らがボランティアになって指導にあたったということである。年間160万人のツーリストがそこを訪れ消費している」p67
『ミュージアム集客・経営戦略』(塚原正彦, 2004)1620旅★3

 コッツウォルズには、町に小さな博物館が点在していて、住民がボランティアとなることで、地域全体を通じて学びを得ることができます。福島県のアーカイブ拠点は、まだ観光という段階ではありませんが、まずは地域の皆様および復興にかかわる方々の拠点として機能し、将来的には学びを深める場にもなることを期待します。
 コッツウォルズはニューツーリズムで有名になりました。自然や人とのふれあいを軸とした、産業観光/エコツーリズム/グリーンツーリズム等のことです。復興やボランティア旅行もその一つに入るでしょう。(※2)
 復興と観光といえば、釜石の橋野鉄鋼山が世界文化遺産に登録の見込みとなりました。

『釜石・橋野鉄鉱山、震災復興の弾みに期待広がる』
http://www.sankei.com/life/news/150505/lif1505050022-n1.html


 東北三県で、観光も強まりながら、復興が進んでいくことを願っています。
 
□参考
※1 補助金が問題ではない。外部性が問題である。(5月7日)ー藤沢烈BLOG
http://retz.seesaa.net/article/418542472.html

※2 新しいツーリズムは東北から生まれる。(4月28日)ー藤沢烈BLOG
http://retz.seesaa.net/article/418055422.html

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2015年05月07日

補助金が問題ではない。外部性が問題である。(5月7日)

P5060850
バラ園にて。

「平成20年度のデータによれば資料購入費を持たない博物館は全体の56%、100万円未満の館を加えると実に76%に上る」p230
「全国の公立博物館、美術館においても予算削減と人員削減により、十分な文化財の収集、保管、調査研究が難しい状況が進行している。また、館の調査研究に立脚したオリジナルな企画が減少し、集客を強く意識した娯楽性の高いイベントが増加しつつある」p231
『博物館危機の時代』(辻秀人, 2012)

 学芸員出身で、現在、東北学院大学博物館館長による一冊です。「公立博物館をNPOに任せたら」は、博物館の"民営化"の利点をまとめた本でした(※1)。ただし、なぜ民営化が進んでいるのかの背景も知る必要があります。引用にあるように、「予算削減のながれ」→「指標(KPI)の設定」→「集客数など、安易な目標にながれる」といった状況にいたっています。
 復興や地方創生で同様のことが起きそうです。3ヶ月前に、「KPI原理主義」の危険性を書きました(※2)。また、持続性の名の下に、補助金を問題視する流れがあります。
 しかし、外部経済性があったり(ex教育)、外部不経済があるから(ex公害)、市場ではない行政やNPOの存在意義があるわけです。補助金かどうかではなく、外部性があるかどうかを見つめる必要があるはずです。
 明日5/8は、「博物館と観光、コッツウォルズと釜石」。博物館・観光・復興の流れについて書きます。

※1 博物館をNPOに任せたら。(5月5日)ー藤沢烈BLOG
http://retz.seesaa.net/article/418433606.html


※2 地方創生でKPI原理主義がはびこる恐れ。(2月7日)ー藤沢烈BLOG
http://retz.seesaa.net/article/413651056.html


※3 外部経済性ーコトバンク
https://kotobank.jp/word/%E5%A4%96%E9%83%A8%E7%B5%8C%E6%B8%88%E6%80%A7-184167




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2015年05月06日

コーディネーターが身につけられる、3つのコアスキル(5月6日)

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GW中は伊豆に行きました。

 編集者のモリジュンヤさんに、28日に行われた「RCFコーディネーター募集説明会」を取材頂きました。
「RCFには現在、約60名のスタッフの人が勤務しており、コーディネーターとして様々な場面で活躍しています。コーディネーターとして活動するためのノウハウが蓄積されていっているはずです。将来、人々や組織をつないでいくような仕事をしていきたいと考えている方は、ぜひこの新たなキャリアの詳細をチェックしてみてはいかがでしょうか」
『「コーディネーター」という新たなキャリアーー地域・社会課題の解決のために重要なセクター間をつなぐ役割を募集中』
http://www.machinokoto.net/rcf-wanted-coordinator/

 RCFで必要となり、また身につくことができるコーディネーター・ノウハウについて、三つ挙げることができます。

1. 問題解決能力
 RCFコーディネーターは全員、何らかの問題解決を担っています。水産業復興、東北への人材仲介、釜石・双葉・大熊でのコミュニティ形成など。いずれも数年後のビジョンを持った上で、到達するための道筋を素早く仮説検証をしながら描きます。その上で関係者とともに、PDCAを回しながら成果が出るまで推進し続けます。

2. チーム形成能力
 RCFコーディネーターはコンサルタントではありません。自分たちだけで問題解決をせず、一般住民、行政、企業、専門家など様々な関係者をまきこみながら進めていきます。仲間を見つけ、それぞれの利害を乗り越え、それぞれ翻訳しながら、解決に向けたチームを作る力が問われます。

3. 政策提案能力
 RCFコーディネーターは、社会が変わることを目的としています。ですから、ある場所で産まれた成果を、最大限横展開することを目指します。そのため、自治体・県・政府といった行政機関に対して政策提言を行い、さらに広い地域・分野に成果が広がるよう働きかけます。

 RCFのメンバーの一員として加わって頂くことで、こうした力を身に付くと考えています。関心をもって頂けた方は、ぜひRCFの採用情報をご覧ください。皆さんと、どこかで仕事をご一緒できることを楽しみにしています。

「採用情報ーRCF復興支援チーム」
http://rcf311.com/recruit/ 


 明日のお題は、『補助金が問題ではない。外部性が問題である』です。ゴールデンウィークも終わりですね。

□参考
「RCFの採用説明会を行いました。現在コーディネーター募集中。(4月29日)ー藤沢烈BLOG」
http://retz.seesaa.net/article/418122022.html

■おしらせ
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http://impactinvestment.jp/2015/04/529-302.html
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2015年05月05日

博物館をNPOに任せたら。(5月5日)

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福島駅にて。

 福島のアーカイブ拠点施設の委員への打診(※1)があってから、急きょ博物館について学び直しています。大きな論点の一つは、指定管理者制度の是非。これにより2003年から民間企業・NPOが博物館経営を行うことができるようになったわけですが、博物館関係者ほど反対の方が多いですね。
 博物館経営は10年以上の長きに渡るもので、せいぜい数年で契約が途切れる制度では、運営が困難だと反対派は主張します。一方、民間の創意工夫によって活性化もできますから、どちらかを選ぶのは難しい。次の引用は、肯定派の方より。
「NPO運営によって公立博物館を再生させることができたポイントは次の通りである。1.地域の課題や市民のニーズに対応するミッションの策定。2.指定管理者に運営を任せる。3.指定管理者制度をコストや人員の削減を目的にするよりも、住民サービスの向上をはかることや、ミッションを達成するために導入する。4.NPOと行政とは、連携を密にしながら博物館の事業を行う。5.地域の多様なコミュニティの人たちや組織・団体の協力や支援・参加を促すことに配慮。6.評価制度を導入し、情報公開する」p3
『公立博物館をNPOに任せたらー市民・自治体・地域の連携ー』(金山喜昭, 2012)★3

 ミッション、組織、連携、評価。マネジメントの視点が色濃い内容です。しかし、民間的なやり方を拙速に導入してしまうと、経済性・効率性に重きがおかれ、結果的にコスト削減しかもたらさないことも。
 RCFは、公の領域にいま少し民の視点を入れた方がよいとの立場ですが、同時にそのためには公の歴史と文化を真摯に学び続けるスタンスが必要であるように思います。
 明日5/6のお題は「コーディネーターが求められ/身に付く3つのコアスキル」です。

※1
福島アーカイブ拠点施設の有識者会議委員に委嘱いただきました。(5月4日)ー藤沢烈BLOG
http://retz.seesaa.net/article/418387413.html

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2015年05月04日

福島アーカイブ拠点施設の有識者会議委員に委嘱いただきました。(5月4日)

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アーカイブ拠点・委員委嘱状。(4月30日)

 岩手は、陸前高田。宮城は、石巻。
 震災の犠牲者に祈りを捧げるための復興祈念公園がつくられます。福島だけが決まっていませんでしたが、4月28日、双葉町と浪江町をまたがる地域に公園ができることが決まりました。

『双葉・浪江に復興祈念公園 32年に一部供用開始』(福島民報, 4月28日)
https://www.minpo.jp/news/detail/2015042822454


 この公園には、震災と原発事故を後世に伝えるための"アーカイブ拠点施設"が併設されます。神戸の「人と防災未来センター」にも匹敵する建物が想定されるこの施設、有識者会議を経て、政府に提言が行われます。この会議の一員として、私は4月30日に正式に福島県から委嘱され、同日に第一回の会合が行われました。FNNの放送では、浪江町の馬場町長の隣に私も映っています。
『東日本大震災や福島第1原発事故の記録を後世に伝える、福島県のアーカイブ拠点施設の-建設に向けた協議が始まった。会議では、新潟県中越大震災を受けて整備されたメモリアル拠点などが紹介され、世界に-例のない複合災害の「悲劇」と、復興の歩みの「奇跡」を発信できる施設にすべきという-意見が出された。有識者会議では、8月までに検討結果をまとめることにしている。』
県のアーカイブ拠点施設の建設に向けた協議始まる(FNN, 4月30日)
https://www.youtube.com/watch?v=AVw2tBGsBIQ

 会合では、お世話になっている澤田准教授から中越地震におけるアーカイブセンターの機能について紹介がなされました。そして今回の会合の議題は「基本理念と機能」。私からは企業・NPOによる復興支援の取り組みの保存・展示・発信。そして双葉八町村の復興にむけた一つの拠点としての役割をもってほしい、とったことを発言しました。
 今後、毎月2回のペースで会合は行われ、8月には最終報告です。後世に原発事故を残すためにも、しっかりと仕事したいと思います。

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