2008年06月19日

341旅 『ウィトゲンシュタイン入門』 永井均 ★★★★

「世界の中の事実に関する科学的な問いに対する答えは、世界の限界を変えはしない。人生の問題は、限界が変わることによって世界が変わることにおいてのみ、解決されるのである。『死』や『神』についても同じことが言える。それらはいずれも世界の中の事柄ではない。死に際して、世界は変わるのではなく終わり、神は世界の中に自らを啓示することはない」pp79-80
永井均『ウィトゲンシュタイン入門』(筑摩書房, 1995)

 哲学者・永井均による、ウィトゲンシュタインの入門書。
 世界を動かすには、その先の世界が何かを示さなければならないだろう。科学ではなく、あくまで人の意識において世界はいかに映っているかを、ウィトゲンシュタインは示そうとしたように思う。
 人は、世界のすべてを言葉で表現している。見えない神のような存在も、言葉で表現できている。したがって、世界の変革をどれだけ考えても、自分がもつ言葉の枠内におさまってしまう。ウィトゲンシュタインは、そこに過去の哲学と形而上学、そして科学の限界をみた。
 ただ、現実に人類は進化し、世界観はうつりかわり、科学は発展する。これはどんな働きによるものだろうか。
 そこには人の思弁を超えた何かがあるように思う。直観とは必ずしも過去の経験から生ずるのではなく、外から与えられるものではないか、と思うのだ。

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□参考ウェブサイト
『ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン』

posted by 藤沢烈 at 22:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の旅 ★★★★ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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