2008年06月20日

342旅 『論理哲学論考』 ウィトゲンシュタイン ★★★★★

"「6.5 答えが言い表しえないならば、問いを言い表すこともできない。謎は存在しない。問いが立てられうるのであれば、答えもまた与えられうる。
6.51 問われえないものを疑おうとする以上、懐疑論は論駁不可能なのではなく、あからさまにナンセンスなのである。(略)
6.52 たとえ可能な科学の問いがすべて答えられたとしても、生の問題は依然としてまったく手つかずのまま残されるだろう。これがわれわれの直感である。(略)
6.521 生の問題の解決を、ひとは問題の消滅によって気づく。
6.532 だがもちろん言い表しえぬものは存在する。それは示される。それは神秘である。(略)
7 語りえぬものについては、沈黙せねばならない」p148-149"
ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』(岩波書店, 2003)

 前期ウィトゲンシュタインの代表作。野矢茂樹氏による翻訳が岩波文庫から出されたため、手軽に入手することができるようになった。ウィトゲンシュタインは、この本によって"すべて"の哲学問題が解決できたとし、一時期哲学を引退し、小学校の教師になっている。
 ウィトゲンシュタインは、歴代の哲学者同様に、真善美や神といった観念を解き明かそうとしたのだと思う。ただし、従来の言葉を使っては明晰にはわからない。消去法をもちいて、真理に達しようとしたのだろう。
 東洋/禅では不立文字といい、言葉を用いずに悟りの境地を得ようと考えた。西洋/科学では、言葉を用いて世界の理解を進め、それで分かりえない部分を神秘としたのだろう。
 地球上で、どこかの国に入らない未開の地域は20世紀に無くなったという。また経済活動を通じて、すべての物事に値段がつけられ続ける。そうした人の活動によって、いよいよ目にできない何者かが浮き立ってくるように感じられる。

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□参考ウェブサイト
『論理哲学論考』


posted by 藤沢烈 at 09:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の旅 ★★★★★ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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