2008年07月22日

407旅 『メノン』 プラトン ★★★★

「ソクラテス 政治家たちは、まさに神のような人たちであり、神がかりにかかっているのだと主張してしかるべきだろう。彼らが、自分の言っていることの意味を何も知らずに、偉大な事柄をいろいろたくさん言うことに成功する場合、それは神から霊感を吹きこまれ、神に乗りうつられているわけなのだからね」p116
プラトン『メノン』(岩波書店, 1994)

 「徳は教えられるか」についてのメノンとソクラテス二人の問答集が本著。「そもそも徳とは何か」
という定義の試みから議論が進んでいく。徳とはギリシャ時代のリーダーが持つべき性質だったから、「リーダーシップとは何か」「リーダーシップは教えられるか」という現代のテーマにも通じる。
 徳とは後付けの知識でもないし、生まれつき持っている天分でもないとする。見えない神のような存在によって、特定の人物に吹き込まれるのが、徳でありリーダーシップであるとの結論になる。
 現代のリーダーシップ論のほとんどは、数々の事例から分析した、再現性あるスキルのようなものと位置づける。
 しかし、似たような状況で同じ行動をとって成功するわけではない。私自身は、ソクラテスやプラトンが示すように、徳にせよリーダーシップにせよ、その場限りの閃きであるように感じる。その事を「天啓」や「神の導き」というのが現代的でないならば、「天才的な思いつき」と呼んでもよい。
 いずれにせよ、そうした自分の力を越えた見えない力を信じなければ、局面においてリードする力は生まれてこないはずだ。

□参考ウェブサイト
『プラトン』


posted by 藤沢烈 at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の旅 ★★★★ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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