「『おれたちが老いぼれのルンペンになりさがるというのかい?』『どうしてなってはいけないのだ?そんなふうに終わったって、別に悪くは無い。政治家や金持ちを含めて、他人の希望を邪魔しないで一生を送れば、誰もこちらの邪魔をする者はいないのさ。自分の道は自分で切り開いていけばよいのだ』それにちがいなかった。彼は簡単明瞭なやり方で、老荘の『道』の結論に達していた」p358
ジャック・ケルアック『路上』(河出書房新社, 1983)
ヒッピーに影響を与えたビート世代の名づけ親がジャック・ケルアック。その代表作が本著。第二次大戦後のアメリカを舞台に、仲間達と車でアメリカを暴走した様が描かれる。その風景はアメリカのこれまでの価値観を壊すものとして、当時の若者たちに熱烈に指示された。
ケルアックは『路上』出版後は仏教に傾倒しており、本著でも東洋思想への関心がみえる。
実話がベースになっているから、本文中の会話や事件も事実なのだろう。ストーリーを見ていると、ケルアックらは何かに違和感をもっていたから走り続けていた事が分かる。○○主義とか○○世代といった言葉になる前にこそ、若い世代は次の感覚に気づいてしまうのだろう。 思えば私が二十歳の頃に走っていた時も、自分たちが何者か分からないから続けられた。分からないのは今も同じで、本を1,000冊読んでも変わらないだろう。
□参考ウェブサイト
『ジャック・ケルアック』

