「荘子の哲学は人間がどのようにしたら不自由な現実の中で、囚われることのない自由な自己をもちうるかを明らかにしたものである。彼の著書『荘子』は、この書の内容をいろいろの角度から特徴づけうるにもかかわらず、その根本的な性格においては人間の自由に関する叡智を説いたものであると見ることができよう」p5
福永光司『荘子 古代中国の実存主義』(中央公論新社, 1975)
老荘を中心とした中国思想の専門家による一冊。「自由とは何かを追求したのが荘子思想」との解釈をベースに、荘子の人生・人間観・思想がまとめられている。福永がみた荘子思想を表にした。

自律性と統合性の二つに分かれるとみえる。
戦国時代の動乱の中で、現実世界をいかに生きるかの術を荘子は説いていた。特定の絶対者に帰依しないことで、自ら立つをことを重視した。
同時に、統合性が特徴になる。とりわけ西洋合理主義は、論理的思考のもとで分析を重ね、その中から自分のあり方を探る。荘子は真逆になる。分けることなく、全てが一つである世界観を感じ、それゆえに詩的な表現が中心となった。
世界全体が連動して問題が生じ、かたや西洋合理主義が行き詰る中、荘子の思想は現代性を帯びてきたといえるのだろう。
□参考ウェブサイト
『福永光司』

