2008年10月01日

548旅 高田真治・後藤基巳訳『易経(上)』★★★★★

「乾坤二卦について、各爻の変化とその解明の辞とを味わえば、易道の妙理を覚るにおいて思い半ばに過ぎるものがあるであろう。その文章の簡古奥妙、奇にして変、その引例の事物の博くして幽奇なることは、その至奥至妙の哲理とともに、津々としてきわめ難い趣きを覚らせるものがあるのである。64卦384爻について、これをきわめたならば、社会各般の事象に関して無限の解決を示しているのを見るであろう」p43
高田真治・後藤基巳訳『易経(上)』(岩波書店, 1993)

 古代中国の聖人が、深層世界のすべてをまとめあげたとされる易経。これが分かりやすい現代文で、飲み代一回以下の値段で手に入るのだから、これまた奇蹟的だ。岩波書店の『易経』は上下巻で64卦384爻すべての訳文が掲載されていて、解説も詳しい。
548_2.GIF

 前のブログで64卦の最も簡単な決め方について説明した。定まった卦に該当する頁を、本著から探す。すると、上記のような構成になっている。
 六爻すべてが陽線である、元型の中の元型たる「乾」を例にした。卦の意味は、C〜Eの文章になっている。C卦辞は、「乾」全体での意味をさす。D爻辞は、六つの線の意味一つ一つ下から順に説明している。乾の場合、潜っていた龍が線とともに上昇していき、最も上では上りすぎて後悔する、といった物語になっている。Eは彖伝から引用された「乾」の詳しい説明。他に象伝もある。
 特に爻辞にみられるように、64卦一つ一つが物語り仕立てになっている。これは、古代聖人が深層世界のイマージュを言葉にしたもので、64全てで世界を説明し尽くしているといわれる。

□参考ウェブサイト
『周易』

posted by 藤沢烈 at 08:42| Comment(1) | TrackBack(0) | 本の旅 ★★★★★ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
易経入門―孔子がギリシア悲劇を読んだら (文春新書): 氷見野 良三

この本はユニークで面白いですよ。
お勧めです。

学術的、占術的にはあやしいですけど、着眼点が素晴らしい本で、易経に興味はあるけど、専門的な本は苦手という人向き。
Posted by 通りすがり at 2011年09月09日 11:40
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