「国民は、国家からメッセージを受け取っている。それはちょうど、幼い子どもが、無意識に母親のメッセージを理解し、成長し、行動していくのと同じだ。メッセージを送り続ける国家もあれば何も送らない国家もある。もし、国民が国家からのメッセージを正確に受け取り、自分の位置づけが分かっている場合、その国は大国になる可能性が高い。なぜなら、その国民は『無意識の意思』をもって、メッセージを実行しようとするからだ」p22
薬師寺泰蔵『「無意識の意思」の国アメリカ』(日本放送出版協会, 1996)
技術からみた政治論の研究者が著者。アメリカを題材に、いかなる条件が国を大国に仕立てるのかが説明される。
薬師寺によれば条件は五つあるという。その五つを、横軸の方向性と方法、縦軸と攻めと守りで区分してみる。
まず大国になるための方向性であるが、新しい世界の潮流に向けてチャレンジを起こしていく(@実験国家)。しかも国が一つのビジョンに束ねる(A特異なイデオロギー)とのメッセージが重要だという。その裏側で、先を見るが直前の過ちはキレイに忘れ去る(B歴史の封じ込め)。
同時にその方法論は画期的な技術を用いたもの(C技術主義)であり、そのために必要な人材は国を越えて調達する(Dよそ物主義)。
この観点からみると、今回のオバマ新大統領の勝利は、@、A、Bの観点が含まれていることが分かる。一方でオバマの政策を支える技術や外部集団の存在が、課題になるのだろう。
ちなみに日本は、どれ一つとしてない。
□参考ウェブサイト
『「無意識の意思」の国アメリカ』(千夜千冊)

