「血管の構造も分岐を繰り返す樹形になっていることが知られています。血管の場合には、血液を各細胞にまで送り届ける動脈と逆に細胞から心臓に血液を戻す静脈がありますが、それぞれが分岐構造を持っています。血管の枝の大きさの分布は調べられていませんが、それと関連した血管の直径分布は調べられており、フラクタル的な分布に従うことが知られています」p171
高安秀樹・高安美佐子『経済・情報・生命の臨界ゆらぎ』(ダイヤモンド社, 2000)
経済・情報・生命の3カテゴリーでフラクタル構造がいかに現れているかが、三章ではまとめられている。
まず経済活動では、企業の所得や資産がフラクタルに分布する。ここで面白いのは、所得は資産の0.85乗に比例するとのこと。つまりM&Aなどを通じて企業が大型化するのは困難であり、むしろ企業を分割した方がゆらぎは多くなるものの所得が拡大する可能性が高まるという。
つづいて情報。ファイルサイズ、CPU処理時間、ホームページアクセス数といった事象にフラクタル分布がみられるという。あるいは生命においても、大きさや太さにおいて同様の分布がみられる。
社会活動のフラクタルも面白いが、生物現象における相似形が気になる。三木成夫は、太陽と植物の関係が、そのまま生物の心臓と内臓の関係に移行したと考えた。植物の枝と、血管が同じ構造をもつことと関係があるのかもしれない。

