2009年01月01日

763旅その1 ジャック・アタリ『21世紀の歴史』★★★★★

「市場の秩序は、常に一つの拠点を中心都市と定めて組織されてきた。そこにはクリエーター階級(海運業者、起業家、商人、技術者、金融業者)が集まり、新しさや発見に対する情熱があふれていた。この『中心都市』は、経済危機や戦争が勃発することにより他の場所へ移動する」p61
ジャック・アタリ『21世紀の歴史』(作品社, 2008)

 2009年最初の一冊はジャック・アタリ。38歳でミッテラン大統領の特別補佐官を務めたことで有名な、経済学者・思想家・作家である。昨年暮れにハンチントンが亡くなったが、彼ほど歴史的視座で世界を俯瞰できる人は他にいないのではないか。

763_1.GIF


 市場経済が成立してから、産業・金融面での世界の「中心都市」が、いかに変遷したかをまとめた。
 船と印刷を武器に地中海地域が栄えたのが15世紀。その後、産業革命とともにアムス、ロンドンといった大西洋沿岸へと中心は移る。20世紀に入ると、大戦で疲弊する欧州にかわって、自動車・電機・情報通信産業を生み出したアメリカの各都市が世界の中心になった。
 中心都市の没落は、金融バブルや、戦争での多額の費用負担が原因であった。アタリが本著を出したのは2006年11月だが、既にアタリはアメリカの没落を予測している。アフガニスタンとイラクでの戦争負担が重く、昨年の金融危機、そして内政を重んじるオバマ大統領の誕生。いよいよ中心都市が移るタイミングなのだろうか。

□編集後記
明けましておめでとうございます。確かに激動の時代と言えるのでしょうが、数年ぐらいの揺らぎは気にせずに、100年単位での変化に注目する視点で臨みます。その為にもニュースは最小限にして、人が触れていない情報を求める一年でありたいと、考えています。

posted by 藤沢烈 at 05:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の旅 ★★★★★ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/111994789
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック