2009年01月11日

784旅 井筒俊彦『意味の深みへ 東洋哲学の水位』★★★★★

「イスラームの文字神秘主義やユダヤ教のカッバーラーの場合と同じく、真言密教においてもまた、存在世界は根源的にエクリチュール空間であり、そしてそのエクリチュール空間は、万物の声に鳴り響く空間だったのである」p277
井筒俊彦『意味の深みへ 東洋哲学の水位』(岩波書店, 1985)

 『意識と本質』の後に発表された、井筒俊彦先生による一冊。精神思想とコトバの関係を通じて、人間とは何かが探求されている。扱われているのも空海、荘子からイスラム神秘主義、デリダにいたるまで、まさに古今東西。しかも一つ一つが深い。

784.GIF


 空海に関する節より。
 通常、世界があって人がうまれ言葉が生じたと考える。しかし、太古より言葉は存在し、言葉に従って世界や人間が生じているとの考え方がある。
 真言密教、イスラム文字神秘主義、ユダヤのカッバーラー神秘主義。いずれも、超越した存在(大日如来/神)が聞こえない・音にならない言葉/声を発しはじめ、それが分節されて意味を集めながら文字/アルファベットとなる。そして世界が創られると考える。
 ビジネスの世界に例えても、言葉がまずありきで、やがて現実の事業が生み出される。その言葉のの源をたどっても、閃きやインスピレーションといった、つまりは超越した何物かからやってきている。
 全ての人間が何気なく用いている言葉。この強さと意味の理解は、次の社会を考える上で学ぶべき必須事項である。

□編集後記
本著の書評。
http://www.wako.ac.jp/bungaku/teachers/tosyo/tosyo-tsuda01.html


posted by 藤沢烈 at 10:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の旅 ★★★★★ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/112453156
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック