2009年05月22日

1048旅 中沢新一『三位一体モデル』★★★★★

「混乱する現代の資本主義経済を健全なものにしていくためには、『霊』の部分が増殖し、ゆがんでしまった『三位一体』の構造を、本来の正しいかたちに戻していく、その方策を見つけていかなければなりません。その時、この『霊』の問題と特に深い関わりを持っているのが、『情報』に関わっている人、『経済』に関わっている人、『広告』に関わっている人・・などの人たちです」p81
中沢新一『三位一体モデル』(東京糸井重里事務所, 2006)

★本の概要
 思想家/人類学者である中沢新一さんが、糸井重里さんと開校した「芸術人類学研究所・青山分校!」で行われた講義を元にした一冊。「父」「子」「聖霊」という三要素によって世界と社会を理解する方法論が説明されている。

★Howの行きすぎと役割
 三位一体モデルで日本社会を分析すると、父の不在による子と霊の暴走が見えてくる。
 私の解釈で、子はWhat、霊はHow、父はWhyであると考えた。音楽業界でいえば歌手は子であり、霊は音楽業界、父はそもそもの歌われる目的を指す。現代では父たる目的が見失われて、歌とアーティストが増殖され続けているだけのように見える。ビジネスでも、霊たるビジネススキルが尊重され、企業や事業が増産されているけれど、そもそもビジネスとは何かが語られる機会は少ない。

★父を求めて
 私自身の問題意識も、三位一体モデルで整理できる。ネットワーカー、経営コンサルタント、ベンチャー支援・・いずれも、霊としての役割であった。子たる若者、企業、ベンチャー経営者を支援してきたし、その価値をそれなりに増幅できてきたのだと思う。しかし価値増加のその先のWhyが見えなくなって、霊としての役割をある段階で止めていた。
 今と次の時代における「父」とは何かを探し続けてきたのだと思う。これまでの価値観とは違う「父」を。だからこそ、幾つもの場で霊としての役割を担いながら、父を追い求めてきたのだ。

★編集後記
 霊は、父たる存在によって聖霊とも悪霊とも呼ばれるという。次の時代の父を求めている時点、今の時代からは悪と呼ばれることも覚悟する必要があるかもしれない。

posted by 藤沢烈 at 07:14| Comment(2) | TrackBack(0) | 本の旅 ★★★★★ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
悪になる覚悟ですか、、、
Posted by 石井聡 at 2009年05月22日 13:06
「悪とみなされる覚悟をもつ」といった方がやや柔らかいでしょうか。メディアや世論を見ていると、大袈裟とも思えません。非難を受けても論を曲げない強さが必要だと考えています。
Posted by 烈 at 2009年05月22日 13:20
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/119978188
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック