「『週末、上海に上海ガニを食べに行こうぜ』『月曜休みになったから、マカオへ行こう』などという会話が、東京のあちこちで聞こえる日を夢見ている。安価に短時間で気軽に、海外へ出かけることができる日々。そんな個人の国際交流こそが、次のアジアを作るだろうし、日本を強くすると思う」p11
高城剛『70円で飛行機に乗る方法』(宝島社, 2008)
★本の概要
映像作家・DJなどで国外で活躍する著者による、航空業界の変化についてまとめた一冊。内容とタイトルがやや合っていないけれど、海外に出る機会が少ない方にとっては、刺激になる本だろう。
★航空業界の変化
格安の飛行機会社であるローコストキャリア(以下、LCC)の台頭により、日本以外の世界の航空業界は激変しているという。
ロンドンからミラノ、あるいはバンコクからプノンペンといった区間が、LCCにより航空運賃数千円の料金になっている。空港使用料・諸税も加味するとさすがに1-2万にはなるが、新幹線に乗る感覚で都市間を飛べることになる。
しかし、幾つかの理由で日本がそうした状況になるには時間がかかりそうだ。羽田・成田の着枠数が満杯の状況。国際的にも高い空港使用料。そして国内線が羽田、国際線が成田と分かれているために、地方居住者が海外に出ることと、外国人が国内を旅行するのがきわめて不便な状況(例えば岡山県の方は、成田に出てから海外に行くよりも、韓国・仁川空港経由の方が海外に出る選択肢が広がったりする)。スカイマークなどのLCCも、劇的な単価ダウンができなかったために、競合路線でのJAL, ANAによる値下げ戦略を許し、経営は厳しくなった。
★編集後記
日本の航空状況が改善しなければ、仁川空港の側に住んでいた方が、アジア・欧米に行くにも国内主要都市に行くにも便利、なんてことがありえるかもしれない。

