2009年07月26日

1192旅 西郷隆盛『西郷南洲遺訓』★★★★★

「24 道は天地自然の物にして、人は之を行ふものなれば、天を敬するを目的とす。天は人も我も同一に愛し給ふゆえ、我を愛する心をもって人を愛するなり」p13
西郷隆盛『西郷南洲遺訓』(岩波書店, 1939)

★本の概要
 西郷隆盛の生前の言葉を、旧庄内藩(現・山形県鶴岡)の藩士たちがまとめ、刊行したもの。岩波の本は100頁強の小冊だが、『言志四録』から西郷みずからが座右の銘として選んだ『手抄言志録』も掲載されていて、遺訓自体は20頁ほどでしかない。日本が誇るべき英雄の言葉は、リーダーを目指す人間ならば必ず手に取るべきだろう。

★敬天愛人とは
 前半では、内政から外交における要諦が記されているが、中盤以降は「敬天愛人」という西郷のコンセプトが直に伝わってくる。
 人は道(天地自然)にのっとって生きるべきだから、天を敬うことを目的とすべきだという。天は自分も他人も平等に愛するから、自分を愛するように他人も愛さねばならない、とする。だからこそ自分に克つ修行を続け、低俗な生活に甘んじずに理想を求めるべき。7-8割まで成功してもその後に失速するのは、途中で自分のみを愛してしまい、驕り高ぶるからだという。
 「命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、始末に困るもの也。この始末に困る人ならでは、艱難を共にして、国家の大業は成しえられぬなり」という西郷の有名な言葉も、遺訓に含まれている。『代表的日本人』にも書かれていたように、西郷自身も、現代の価値にして年収3-4千万の時代に、家賃3万程度の家にしか住んでおらず、残りの金はすべて部下に渡していた。

★編集後記
 欲に任せて生きてきたと思う。ようやく、欲は際限がないし虚しいとも感じてきた。「我」をなくして「天」に生きるように、少しずつ自分を動かせたらと思う。


posted by 藤沢烈 at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の旅 ★★★★★ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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