2009年09月05日

1236旅 クリシュナムルティ『あなたは世界だ』★★★★★

「私があなたの顔を見たいと思い、あなたの声の美しさを聴きたいと思い、あなたがどんな種類の人かを知りたいと思うなら、私の精神は静まっていなければならず、おしゃべりなどしていてはいけないのです。(略)その静寂は、騒音から生まれるものでもなく、騒音の休止から生ずるものでもありません。その静寂は、その他の特質がすべて生じたときに、自然に現れ出てくるものなのです」p289
クリシュナムルティ『あなたは世界だ』(星雲社, 1998)

★本の概要
 タイム誌で20世紀の5大聖人の一人とされたクリシュナムルティ。ブランダイス大、カリフォルニア大学バークレー、カリフォルニア大学サンタクルーズ、そしてスタンフォード大学での講演をまとめた一冊。「あるべき姿」を目指してしまう生き方の限界を語り、「あるがまま」でいることの重要性が説かれる。

★何かに頼らない瞑想
「あるがまま」でいるための「瞑想」の捉え方が独特だ。
 まず一般的な瞑想の方法論を否定する。禅やヨーガにおける瞑想のシステムを取り入れると、毎日決まった時間に座禅を組むというように機械的にこなしてしまう。マントラ等を繰り返し唱えることも、頭を鈍くすると批判する。薬物やアルコールに頼ることも同様である。
 クリシュナムルティのキーワードは「注意」である。自分の精神や身体の状態を、注意深く観察する。精神が絶えず発するおしゃべりを抑え、静寂を手に入れることで、無意識からの働きかけを得られるという。静寂でない状況では、過去の知識や経験に基づいてしか人や物事を捉えられない。いまこの場の美しさに気づくことはないという。

★編集後記
 クリシュナムルティは宗教書や思想書などを一切読まず、自分の内面との対話を通じて人間的成熟を得たようだ。大変刺激を受ける。

posted by 藤沢烈 at 23:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の旅 ★★★★★ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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