2012年01月21日

1394旅 岡本全勝『新地方自治入門』★★★★★

「市町村長を大統領制でなく議院内閣制にしたり、小さな町村では議長を町村長としてその下に行政執行に責任を持つシティマネジャーを置く方法も考えられます。(略)現在のような、日本全国ほぼ一律の役場組織と自治の仕組みを、もっと多様化すればよいと思います」p53
「多くの若者が自発的に現場に駆けつけ、被災者の支援と海岸の清掃に従事したのです。このような活動は、対価を求める経済活動や利己的な活動ではありません。すなわち、私には入りません。政府が組織した、あるいは命令した活動でもありません。自発的活動です。これは、従来の公私二元論には収まらない活動なのです」p206
「機関委任事務制度廃止がついに成功したように、第二次(財源の自立)、第三次(規制の廃止)の分権改革はいずれ進むでしょう。私は、これらのほかに、もう一つの分権が必要であると考えています。それは、住民の意識の分権です。私たち日本国民が身に付けた、中央集権的・中央政府依存的な考え方の転換です」p313
『大量生産されたモノ・情報・文化を「消費」する生活から、自分で生活のスタイルを「つくる」ことへの転換です。中央政府から与えられた制度を「消費」する行政から、地域で公を「つくる」ことへの転換でもあります。構造改革は、地域の生活や公から変える必要があるのです」p334

 復興対策本部(2月から復興庁)の事務局次長であり、震災直後から陣頭指揮をとり続けられている岡本全勝氏による一冊。日本の地方行政の過去と現在。そして"地方自治"に変化するべき未来を洞察している。大阪都構想の関連でも、東北復興を見通すためにも、必読の一冊だ。(ただし残念ながらamazonでは品切れ)
 2002年の東京大学大学院での筆者講義をまとめたのが本著。その時点で、公・私に対してNPO・ボランティアといった"共"の重要性が説明されている。岡本氏の考えがあったから、復興対策本部でもボランティア班が継続し、復興庁で民間連携の考えが進められようとしている。
 地方分権が進むためには最後に住民の意識が変わることが必要だとの部分に、個人的に納得。震災復興でも、安易に「国」や「東電」の責任だとして安心していないか。国に頼らず、まずは自助。その次は地元のNPOや民間団体、企業といった共助の力を考える。オライリーが言うように、国はプラットフォーム(または野中郁次郎のいう"場")であるべき。そのような思想を透徹すべく、政府復興対策本部に私は関わっています。


posted by 藤沢烈 at 22:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の旅 ★★★★★ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック