2012年01月28日

1400旅 炭谷俊樹『ゼロからはじめる社会起業』★★★

「社会問題の重要性のもうひとつの評価軸として、問題が今後より大きくなりそうかどうかという先読みもいれておきましょう。問題が「成長する」というのも変な表現ですが、成長性としておきます。一方で、自分や仲間、組織が、この問題を解決するのにどれほど適応しているのか、という評価も重要です。ひとつは経験や資源が生かせ、今までにないような価値が提供できるだろうかという観点です。最後に、自分が大切にしている価値や目標と合致するのか」p39
「最も大事なのは、@問題意識=現状のどのような不満を解消しようとしているのか。A提供価値=どのように変えたいのか、の二点です。あとの残り3つは、B資金源=お金をもらう相手とその理由、提供価値の対価をもらうのか、寄付や公的資金など別の資金源を確保するのか。C技術・ノウハウ=提供価値を実現するために利用する技術やノウハウなど。D人材=提供価値を実現するために必要な人材をどう確保するのか」p43
「よいプレゼンは、「何を達成したいのかが明確で、その背景にある問題意識や体験が事実に基づいてリアルに語られており、実現にかける思いや行動力が示されている」ものである、言っていいでしょう。逆に良くない例を挙げると、「強い思いは感じられるが、現実を把握できていない」「データの分析は豊富だが、自分が何をやりたいのかが明確でない」「資料や情報は多いが長すぎてポイントが伝わらない」などです」p145

 これから社会起業を目指す方向けに、最低限練り上げるべき項目をまとめた一冊。著者はマッキンゼーを経て、神戸でフリースクールを設立した炭谷俊樹さん。分かりやすくポップな作りだが、ビジネスと社会事業を極めてきた炭谷さんだからこその本質が数多込められている。
 社会起業を開始する上で、問題の大きさを測る以上に、チームと自分自身にとって始める意味があるのか問い直すことを重視しているのが印象的。社会起業は金銭的報酬は得にくいため、自らの動機がより問われる。
 今朝はラジオ日経の収録をさせて頂いて、改めて自分が復興に携わる意義を見つめ直した。また、大船渡に出向している成田との対話の中で、日本社会における復興事業の意義を考え直した。今、取り組んでいる復興事業は少しずつ前に進んでいる。だからこそ、始める時点以上に、自分や社会にとっての位置づけを確認し続けることが重要になる。そうしたことを、今日の二つの対話と、本著が振り返らせてくれた。

posted by 藤沢烈 at 20:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の旅 ★★★ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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