「イギリスと同じくらいPFIが普及した場合、投資額は4兆円程度に達することになります。(略)残念ながら、PFI法、包括的民間委託のガイドライン、水道法等の法改正、指定管理者制度、そして市場化テスト等、様々な取組みがあるにもかかわらず、マーケットの扉がなかなか全開しないのが日本の公共マーケットの現状です」p192
■概要
日本の公共投資は年間20兆円。それらを民間委託する流れは、PFIをはじめとして90年代から促進されてきたが、年間数千億程度にとどまっており、まだまだ広がりは限定的だ。本著は、民間委託が進み始めた頃の様子を整理し、日本における公共マーケットの可能性と規模を示した一冊。ただし2005年刊行なので、内容はやや古い。著者は日本総研の研究員。
■民間委託を進めるとともに評価が必要
PFI法は1997年に検討開始され、99年には成立した。その後当初三年は順調に件数は伸びたが、その後年間40件程度にとどまっていて、まだまだ広がりは弱い。
指定管理者制度も、受託の中心は公共団体であって、株式会社やNPOなど外部が担うケースは多くない。市場化テストも広がるスピードは遅い。
また受託した際の価値はコストであり、NPO等がになっても管理費を得て将来投資するには至らず、新しい公共を担うどころか行政にとっての一業者に成り下がってしまうケースも少ないない。
震災復興は市町村主体だといっても、担える範囲には限界がある。制度を柔軟に活用しながら、民間が公にコミットできる幅を拡げる必要がある。もちろん民間だから競争力があるとは限らない。民間サービスを評価する仕組みやメディアも必要になるだろう。


