2012年03月17日

「被災者から変わる必要がある」、という言葉の意味。 〜戸羽太『被災地の本当の話をしよう 陸前高田市長が綴るあの日とこれから』★★★(1435旅)


■「被災者から変わる必要がある」
昨晩は、神奈川県主催の「被災地支援のこれまで・これからを考えるinかながわ」に登壇させて頂きました。
http://ksvn.jp/news/event26495.html
パネルディスカッションの進行役を仰せつかったのですが、石巻で被災された事業者の言葉に感銘を受け、予定してはいなかったものの、何度かコメントをお願いしました。とくに心に残ったのが、「被災者から変わる必要がある」との言葉。ご自身、これまでは牛角を二件経営されていましたが、今後は新しい業態進出にチャレンジされるとのこと。インフラから市場から激変してしまった石巻だからこそ、従来通りのビジネスでは成り立たない。そんな危機感を共有頂きました。

■三年後の養殖回復までに取り組むべきこと
 さて、今回読んだのは、陸前高田市長による一冊。この本の中で陸前高田市内のがれき処理専門プラントに関する話を市長が出されたため、ネット上で「陸前高田市長は広域瓦礫処理を望まない」という誤解が流布しました。こらちは、市長自らがFacebook上で否定をしています。
http://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=189764664466799&id=100002998015128
 その事はさておき、陸前高田の復興展望についてまとめている点に注目しました。陸前高田でも水産は重要産業ですが、養殖の売り上げが戻るには2-3年かかる。漁師の生活費は緊急雇用で何とかなるかもしれません。しかし取引先がよそから仕入れ始めた場合、簡単に戻るわけにはいきません。他地域と連携しながら、取引先との関係を継続する。あるいは、新しい事業への進出を真剣に検討する。その事が必要なタイミングなのかもしれません。石巻の方が決断したように。

■引用
「陸前高田ではカキやホタテ、ワカメ、エゾイシカゲ貝などを生産していました。しかし、津波が引いた時にたくさんの瓦礫が海に沈んでしまったため、まずは海中の瓦礫を取り除かないことには再開できません。(略)カキなどは養殖イカダをすべて流されてしまったので、またゼロからのスタートとなります。今新たに養殖をスタートさせると、最初に出荷できるのは三年後・・つまり来年も再来年も所得がまったくないということになります」p132
「私は津波の心配が少ない高台に土地を確保できるのであれば、まず中心に医療と福祉の充実した施設をつくりたいと考えています。高田病院が津波で壊滅状態になってしまったので、遅かれ早かれ、新しい医療施設を作らなくてはなりません。ならば、その施設を新しい町作りの軸にしてはどうかと考えています」p109


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posted by 藤沢烈 at 09:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の旅 ★★★ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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