2012年03月24日

ETICによる、社会起業支援の10年間

 日本における社会起業家の広がりを考える上で、NPO法人ETIC.の存在を無視するわけにはいきません。方法論も10年で進化を続けています。最新のプログラム「ソーシャルビジネスエコシステム創出プロジェクト」が、昨日区切りを迎えました。その様子を少しご紹介させて頂きながら、社会起業家とETICの今をご理解頂きたいと思います。

■STYLE(2002〜2007)
 ETICが社会起業家輩出に向けて動き出したのは、「STYLE」からでした。日本初の社会起業向けのビジネスプランコンテストであり、その開始は2002年。井上英之さんが総合プロデューサー。コンペの期間中に、メンターがフォローしながら、起業家が成長するというモデルを創りだしたのが特徴です。
http://www.etic.or.jp/style/
2002年に(社)AIAの木下斉さん、2003年はかものはしプロジェクトの村田早耶香さんが優秀賞です。現在はもう実施されていませんが、NPO法人ISLによる社会イノベーター公志園に、その方法論が受け継がれています。
http://koshien-online.jp/

■社会起業塾(2002〜継続)
 STYLEと同時期に、ETICが開始し始めたのは社会起業塾。STYLEがスタートアップ対象であるのに対し、こちらはアーリーステージ(事業開始済)を支援。半年間の合宿、コーチング等を通じて事業計画立案や組織基盤整備を図りました。NECさんが最初から協賛。また2010年度からは横浜市・花王さんも参画。企業・行政・NPOによる協働事業としても意義あるプログラムです。フローレンス、NEWVERY、カタリバ、ケアプロ、最近で言えばHASUNA、シュアール、クロスフィールズと、メディアで話題になる社会起業家はほぼここの出身です。
http://www.etic.or.jp/svip/

■チャレンジ・コミュニティ・プロジェクト(2004〜)、東海若手起業塾(2008〜)
 上記二つは、比較的東京でのムーブメントを支えていましたが、2004年からETICは、日本全国での社会起業家輩出に乗り出し始めています。経済産業省の予算を活用。ETICが持つ社会起業家輩出・インターンノウハウを移転し、地域課題解決・プロデュースできる団体の輩出を試みました。 http://www.challenge-community.jp/ 現在も続いており、結果として20以上の地域団体(通称チャレンジ・プロデューサー)が継続しています。 http://www.challenge-community.jp/producer.html
 また、この事業を土台として、東海地域での社会起業家を輩出を目指す「東海若手起業塾」が、ブラザー工業さんの協賛を得て2008年から開始。今も継続しています。 http://www.tokai-entre.jp/
 余談ですが、2003年頃、私はマッキンゼーに行きながら社会起業塾の支援をしていました。その後このプロジェクトが開始されることが決まり、ETICにコミットするために会社を辞めています。今思えば、自分がNPO/社会起業セクターに関与し始めたのは、絶妙なタイミングでした。

■ソーシャルビジネスエコシステム創出プロジェクト(2010〜2012)
 「インターン」「社会起業家」「地域」といった、国内若者支援に向けて培われてきた、ETICノウハウの全てを結集して実施された事業がこちらです。起業支援100名、インターン1400名、プロボノ120名育成することを二年間の目標として、国内社会起業の発展を目指して取り組まれました。 http://socialbusiness.etic.jp/about.html
 一言で言えない多様な成果が生まれていますが、私がディレクターとして関与したプロボノ支援の枠組(ソーシャルアジェンダラボ)についてご紹介しておきましょう。 http://www.social-agenda.jp/
このプログラムは、「ビジネスセクターとソーシャルセクターの連携」「社会課題の可視化」が狙いです。ビジネスマンがプロボノとして社会起業家をサポート。解決を図る社会課題の現状と課題を整理していきました。二年間で180人のプロボノが、50事業を支援。ウェブに掲載されているように、多様な社会課題を定量化し、求められる事業モデルの提言が実現しました。
 成果例を挙げます。「休眠預金」を社会還元できないかと話題になっています。本日も「休眠口座国民会議」発足シンポジウムが実施されました。この流れを生んだ一つは、フローレンス駒崎さん依頼で行われたリサーチでした。詳しくは下記にまとめてありますが、英語・韓国語堪能なメンバーが集い、短期間で各国の休眠口座活用状況がとりまとめられ、政府委員会にも資料が提出されました。
http://socialbusiness.etic.jp/archives/1265

■つなプロ(2011)、震災復興リーダー支援プロジェクト(2011〜)
 ETICの活動は東日本大震災にも貢献しました。3.11後すぐにつなプロ(被災者をNPOとつないで支える合同プロジェクト)に構成団体として参画( http://www.hnpo.comsapo.net/portal/tsuna-pro/portal.index )現地主要メンバーや、インターン経験者等からボランティアを多数派遣しています。その後は震災復興リーダー支援プロジェクト、いわゆる「右腕派遣プロジェクト」を設立。ここまでに80人以上の人材を東北に派遣し、現地復興事業に大きく貢献しています( http://www.etic.or.jp/recoveryleaders/ )。
 また、2012年度は復興支援をさらに広げます。内閣府が進める事業を活用し、年間で50事業創出、インターンシップを通じて300人の人材育成を行う計画になっています( http://fukkou.chiikisyakai-koyou.jp/ )。昨日のブログでもご紹介したように、東北ではあらゆるセクターで人材が求められているわけですが、ETICはここでも大きな貢献を果たすことでしょう。

■ETIC三人の経営陣
 ETICのディレクターは三名。代表の宮城治男さんを筆頭に、事務局は鈴木敦子さん、事業統括は山内幸治さんが担っています。この組み合わせが何とも絶妙。上記の取組みも、宮城さんが種をみつけ、山内さんが事業として取りまとめ、敦子さんが組織を固める。個々の事業は、おおくの優秀なマネジャーが推進されています。私自身も上記の多くの事業にかかわらせていただき、主に山内さんのディスカッションパートナーとして支援を続けてきました。
 この10年間、ETICおよび国内社会起業家の発展に、微力ながら関わらせて頂けたことに、感謝しています。同時に、今年以降もつづく震災復興の支援、ひいては日本における多様な社会課題に、ETICはじめ我々世代は直接コミットする時期にきています。事業推進だけではなく、これからは責任を担う機会も増えてくる。そんな思いを新たにした、ETICでの夜でした。(3月24日)
posted by 藤沢烈 at 17:33| Comment(0) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック