釜石市で副市長を務めた嶋田賢和さんが30日に退任し、財務省に戻りました。嶋田さんはいかなるリーダーであったのか。まずは、最後のインタビューとなった1日付の河北新報記事をお読み下さい。
−今後のまちづくりのポイントは。
「被災地それぞれにやり方の違いが出てくる。大事なのは市民一人一人が当事者意識を持つこと。まちを元気にするため何ができるかを考えてほしい。『だれかがやってくれる』という意識では地域は元気にならない」「日本全体で人口が減少し、市町村が減る流れは避けられない。(消滅可能性都市を公表した)日本創成会議の人口予測は確度が高いと見ていい。自治体経営者は危機感を持つべきだ」
−何をすべきか。
「元気な地域をつくり、減少をいかに緩やかにするかが大事。何をしたらよいか分からないなら外の力を借りればいい。被災地を応援したい『よそ者』は多い」「釜石では、住民の主体的な取り組みをサポートする『釜援隊』がコミュニティー再生や合意形成など行政の手が届かない活動に携わり、成果を出しつつある。主力は首都圏から来た30〜40代の若者だ」
『釜石市副市長、財務省に復帰 嶋田氏に聞く 当事者意識 地域元気に』
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201407/20140701_31031.html
マクロ統計データを駆使し、外部人材を活用・・というと外からのリーダーらしく見えるかもしれませんが、釜石の皆さんからは違う声が聞かれます。「嶋田さんはどこでも顔をだしますよ」「何でも相談できます」とオープンで接しやすいイメージなのです。先週、復興まちづくり共同宣言を発表するために釜石を訪れた際に、野田市長、嶋田副市長と昼をご一緒しました。市長は「嶋田さんは釜石にきてから一ヶ月で、すでに街中を知り尽くしていました」と話されていました。誰よりも町を歩き、誰よりも人と関わり続けたことが、復興行政をすすめる糧にされていたわけです。
外のリソースを地域に持ち込む。地域の皆さんと濃厚に接しながら成果を挙げる。そうした知見を他地域にも広げていく。「現場(分権)と中央(集権)のハイブリッドが必要になる」「報告者や視察で分かった気にならず、地域にコミットし続ける」・・そうしたことを嶋田さんは教えてくれたように思います。
三年間、お疲れ様でした。
■お知らせ
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(了)