2014年08月31日

復興NEWSランキング(8月24日~30日)/1.中間貯蔵 福島県受け入れ決定/2.復興予算2.5兆円概算要求 今年度当初比15%増/3.被災3県で漁業就業者大幅に減少


一関駅前にて。(2014年8月撮影)

 週末に、復興に関するニュースランキングを私的につけてみたいと思います。復興関係者はもちろん、関心ある方も一週間に一度ほど、復興に関心をもって頂ければと思います。
 
【1位】中間貯蔵 福島県受け入れ決定(8月30日、河北新報)
「福島第1原発事故に伴う除染廃棄物を保管する中間貯蔵施設について、福島県は29日、関係部局長会議を開き、施設の受け入れ方針を決めた」
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201408/20140830_61020.html

 先日も、福島の自治体関係者と話していたところ、中間貯蔵施設が決まらないことで被災者向け住居建設や、産業用地の確保が遅れていると聞いていました。これで福島の復興が進むことになるのは間違いありません。一方で、双葉町、大熊町のなかでの議論が丁寧に進んでいく必要があります。

【2位】復興予算2.5兆円 概算要求 今年度当初比15%増(8月30日、福島民報)
「復興庁は平成27年度復興予算の概算要求で、26年度当初比15・1%増の2兆5838億円を計上する方針を固めた。27年度は5年間の集中復興期間の最終年度で、避難の長期化に対応するため健康・生活支援を強化する」
http://www.minpo.jp/news/detail/2014082817721

 2015年度は、集中復興期間の最後の一年間となります。住宅やインフラといったハード側面は行政が得意ですが、真に街並みが戻るために必要な産業振興、コミュニティ形成といったソフト側面は民間と行政の連携がカギです。復興そのものは10年20年かかりますが、その足場づくりは今が正念場。RCFも行政と民間の調整役として頑張ります。

【3位】被災3県で漁業就業者大幅に減少 震災の影響色濃く(8月30日、産経新聞)
「岩手、宮城、福島の3県での平成25年の漁業経営体と漁業就業者数は、20年と比べ、ともに大幅に減少し過去最低を記録したことが29日、農林水産省の漁業センサス結果(概数値)で分かった」
http://sankei.jp.msn.com/region/news/140830/iwt14083002200001-n1.htm

 漁師の数が激減しています。ただし、震災は減少のきっかけを作ったに過ぎません。そもそも付加価値を生みにくく、後継者が生まれにくいために高齢化が進み、震災後の廃業が進みました。この傾向は復旧だけでは止まらず、漁師のビジネスモデルの変化が必要です。

【4位】キリン、被災漁師を支援 宮城の復興に2千万円(8月28日、沖縄タイムス)
「共同代表理事の阿部勝太さん(28)は27日の記者会見で「震災後に、所得の問題で漁師を辞めた仲間が戻ってこられるような体制をつくりたい」と語った。漁業の体験教室を開くなど、後継者育成にも支援金を充てる。キリンビールマーケティングの小西弘晃宮城支社長は「漁業と飲料事業で楽しい食卓をつくり、宮城の経済を活性化させたい」と述べた」
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=81275

 第3位で漁師の減少をお伝えしましたが、そこに逆行しようとしているのが、フィッシャーマンジャパン。若い漁師たちが、これまでとは違う漁師像をつくろうとしています。キリン絆プロジェクトが資金的なバックアップをします。東の食の会による「フィッシャーマンキャンプ」での出会いから始まり、RCFもこの団体の立ち上げをサポートさせて頂きました。彼らがに東北の漁業を変え、近い将来に「ネオ漁師」を生み出すことを期待していますし、我々もご一緒します。

【5位】被災地から転校の子 定着傾向か(8月26日、NHK)
「被害が大きかった岩手、宮城、福島の3県から震災の影響で県外に移り、そのまま戻っていない子どもは去年の同じ時期より1351人減ったものの依然として1万1452人いることが分かりました」
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140826/k10014098441000.html

 福島を中心に、県外に転校した子どもたちが1万人以上います。そうした皆さんは、しばらくは東北に戻ることは無いかもしれません。そうした子ども達には行政・民間の支援は行き届きにくくなります。しかしルーツは東北の子どもたち。彼らが故郷と接点を持ち続け、いつか東北に関われるような関係づくりが必要です。

【6位】全域避難区域の浪江町でコンビニ再開(8月27日、NHK)
「原発事故の影響で、すべての住民が避難している福島県浪江町で、復興業務や一時帰宅などで町を訪れる人たちのために、コンビニエンスストアが営業を再開しました。全域が避難区域になっている市町村で、コンビニエンスストアが再開するのは初めてです」
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140827/k10014118901000.html
 ローソンさんが再開されたのですね。住宅や仕事と同じぐらい、物を買えることは生活に必要なこと。コンビニチェーンはいずれも復興に尽力されています。生活必需品を届けるというミッションを、復興への関わりを通じて各社は再認識されているのだと思います。

【7位】三陸鉄道:黒字3776万円 震災後初(8月29日、毎日新聞)
「四半期の経常損益が黒字になったのは、震災後初めて。昨年のNHK連続テレビ小説「あまちゃん」の舞台として人気を集めたことに加え、復旧が大きく貢献した。前年同期は3581万円の赤字だった」
http://mainichi.jp/select/news/20140830k0000m020015000c.html

 嬉しいニュースです。ゴールデンウィークに久慈から田野畑村に向かう時に利用しましたが、観光客と地元の方が入り乱れながら満席でした。あまちゃんブームを超えて、三陸鉄道が経営を持続させ、地元の皆様の足になり続けることを願います。

■お知らせ
□9月10日(水)に、RCFキャリアセミナー。29歳で500名の企業経営者として活躍する迫さんと藤沢が対談します。
http://peatix.com/event/47393

□東北復興に関心ある方は、twitterとfacebookのフォローを是非お願いします→
https://twitter.com/retz
https://www.facebook.com/retzfujisawa
(了)
posted by 藤沢烈 at 09:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 街と人の旅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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