「IoTを用いて、開発・製造のリードタイムを短縮、コストを削減する。そして、付加価値の高い製品を提供し、マスタスタマイゼーションも行う。これこそが欧州のものづくりの目指す姿であり、そのために、一企業内にとどまらずサプライチェーン全体が一体となって最適な開発プロセス、製造プロセスを構築する取り組みなのだ」p104
「CTやMRIなどの患者の画像情報から症状とそれに適切な医者を見つけ出す。さらにその治療情報をビッグデータとして蓄積していき、診断精度を高める」p111
「従業員一人ひとりにより高度な働き方が求められるため、既存の労働者に対する育成や将来社会に出てくる子供たち、いわゆるデジタルネイティブの育成は政府が主導で行う必要がある」p125
インダストリー4.0とは、ドイツが政府・企業が一体となって開始した製造業の変革プログラムのこと。しかしその流れは米国、そして全世界に飛び火していて、日本政府も取り込み始めている。
この流れは様々な職業を失くしてしまうため、各国の労働組合の反発が予想されるし、各政府も導入は容易ではないだろう。ただし日本は違う背景がある。世界でもっとも人口減少が進み、しかも外国人労働力の確保も時間がかかるため、労働生産性を高める技術は歓迎なのだ。人口減少によって逆説的に日本は強みをもつ可能性がある。


