2016年05月10日

NPOは社会変革のガイド役になれるか〜『社会をちょっと変えてみた』(駒崎弘樹・秋山訓子)(1685旅)

「まず当事者から体験をもとに活動が始まる。それは、当事者だからこそ信用と説得力を持つ。次に、マジョリティが『ちがい』を理解し、当事者の気持ちを考える。最終的には、マジョリティの側が変わらなければ、社会の変革にはならない」p68
「政党間で激しい議論になっているときに、政府の提供する場は中立ではないと言われることが多い。争点を浮き彫りにする公の議論を、自由で中立なかたちで提供できるのは民の強み」p152
「国会の終了日から逆算して、カレンダーを埋め、他の法案の日程も押さえて、NPO法を少しでも優先順位の高いところにあげなければいけない」p174

 行政を動かして社会を"ちょっと"変えてきた実例集だ。著者の駒崎弘樹さんは小規模保育事業など、社会課題解決をすすめる新しい事業をおこし、その事業を行政が採用する(パクる)ことを促すことで、一気に社会に広げることを進めてきた。他にも、復興領域で政策立案を進めてきた田村太郎さん、NPO法の生みの親である松原明さんといった先達の方法論と想いが描かれていて、参考になる。
 NPOの役割として行政の監視役になることがある。行政自体の力が弱まるなか、監視をするだけでは課題解決は進まない。行政が正しく社会課題をとらえ、解決につながる事業を進めるために、民間はそのガイドを務める必要が出てきている。そうした役割を、NPOの人間はもちろん、企業や行政の"中の人"も担う必要がでている。そうしたすべての人にとって必携となる一冊だ。


posted by 藤沢烈 at 13:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 街と人の旅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/437724625
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック