2018年01月21日

首都直下地震と災害関連死。(1月21日)

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豊洲にて。

昨日は図書館で首都直下地震について調べ物です。次の、3つの気になっている疑問点があったためです。

1.首都直下地震では、災害関連死が予測されていないのでは?
2.首都直下では他地域での震災に比べても支援が一週間以上かかるリスクがあるにも関わらず、3日程度の備蓄しか用意されていないのでは?
3.備蓄についてはカロリー中心であり微量栄養素(ビタミンC等)が不十分。また高齢者など災害弱者対応が不十分では?


結論から言えばいずれもYesであり、相当な改善が必要であるように感じました。
まず、災害関連死について。
熊本地震の死者は250名ですが、倒壊等による直接死は50名。残りは、心筋梗塞、肺炎、エコノミー症候群などによる震災関連死が200名です。東日本大震災は3,647人です(17年9月調査時点)。首都直下地震では避難所に入る方だけで200万人になります。

さて、首都直下地震については、東京都と内閣府がそれぞれ被害想定を出しています。

東京都の新たな被害想定について (東京都, 2012年)
http://www.bousai.metro.tokyo.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/000/401/20120418gaiyou.pdf

首都直下地震の被害想定と対策について (内閣府, 2013年)
http://www.bousai.go.jp/jishin/syuto/taisaku_wg/pdf/syuto_wg_report.pdf



東京都は9,700人。内閣府は23,000人が最大の人的被害と予測していますが、いずれも火災と倒壊が主要因であり、震災後の関連死については言及があるものの数字は出していません。
震災関連死は、ストレスによる心筋梗塞、衛生・栄養環境の悪化にともなう誤嚥性肺炎などが主要因です。現在の備蓄や避難所対策の状況からみると、過去の震災並の厳しい状況があると予想され、規模からいうと万単位の震災関連死が発生する可能性は高いと言えます。

東日本大震災の教訓をいかに将来の震災対策に反映させるかが、個人的にもミッションにしたいと考えています。首都直下と災害関連死については引き続き、現状把握や政策提言を進めたいと考えています。備蓄の問題については、改めて書きます。

□今回の参考文献
平田直『首都直下地震』(岩波書店, 2016)
http://amzn.to/2mWMPC6

□出版情報
『人生100年時代の国家戦略~小泉小委員会の500日』(東洋経済新報社, 2017)
https://www.amazon.co.jp/dp/4492212353/

□登壇・出演情報
1/22月 経産省 災害情報ハブ(物資・ライフライン情報)に関する検討会
1/22月  NPO法20周年記念&グラスルーツスクール開講記念シンポジウム@日本財団
http://grass-roots.net/lp/2018/01/05/312/ 
1/26金 三陸創生実践塾の施策構想発表会@盛岡
1/27土 リベラルアーツ読書会ツイキャス参加
https://note.mu/somonsism/n/nfddd277233ca
posted by 藤沢烈 at 08:50| Comment(0) | 街と人の旅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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