2018年06月15日

NPOへの国家公務員の兼業が認められた裏舞台。(6月15日)

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NGO・NPOの戦略的あり方を検討する会での、小沼さんの提言風景


 NPOにとっても重要なニュースが昨夕届きました。NPOに国家公務員が兼業することが原則として認められることになったのです。
 これまでも禁止ではなかったものの、大臣または首相の許可が必要であり、実質的に認められていませんでした。新公益連盟としても、クロスフィールズ小沼大地さんとシーズ関口宏聡さんを中心に、一年以上前から政策提言を続けておりました。節目は、公明党の濱村進議員が国会で質問された時です。昨年11月24日の衆議院内閣委員会にて、濱村議員が国家公務員のNPOへの副業を認めることについて質問し、梶山地方創生大臣から前向きな答弁を引き出しています。「個別判断ではなく、原則として認めること」を加えて求めている点もポイントです。少し長いですが、下記に抜粋します。

○濱村委員
 最後に、大臣、お待たせいたしましたが、公務員の皆様の働き方改革についてもお話をさせていただきたいと思います。
 今回、大臣所信の中にも、国家公務員制度の改革として働き方改革を進めるということでおっしゃっておられるわけですが、大事なこととして、公務員の皆さんが行政サービスをやるに当たって、その質が高くなるということが重要であろうと思っておるんですが、公務員の方々、副業は許されておりません。国家公務員法、地方公務員法で副業を制限されているわけですけれども、実は、私の地元は兵庫県ですが、神戸市が、神戸市さんの職員がNPOとかそうした公益の目的にあっては副業を認め、推進しているという状況がございます。
 国家公務員の皆様においても、NPOとか、公益の目的のための法人であれば副業を認めてもよいのではないかというふうに思いますが、大臣のお考えをお伺いします。

○梶山国務大臣 民間において働き方改革が進められ、イノベーションの推進の観点から、兼業、副業を認める方向で検討が進められているものと承知をしております。
 公務部門におきましても、働き方改革を進めていくことが重要であり、神戸市の事例のように、公務以外の時間を社会貢献や自己実現に資するように有効に活用していくことも有意義であると考えております。
 国家公務員法におきましては、NPOなどの公益団体について、勤務時間外に報酬を伴わずにその職を兼ねることが可能であります。また、報酬を伴う場合であっても、公正な職務の遂行の維持、職務専念義務の確保、公務の信用保持に支障がないと認めるときには、兼業を許可いたしてきたところであります。
 国家公務員の兼業、副業の取り扱いにつきまして、引き続き、公務に支障のない範囲で適切に対応してまいりたいと思っておりますし、個別で判断をさせていただければと思っております。

○濱村委員 個別で判断されるということでありますが、やはり機運をつくっていくことも非常に重要であろうかと思っておりますし、そして、外部での経験が自分の公務に生かせるのであれば、これは国民の皆様に資することになるわけでありますので、ぜひとも私はこれを進めていただきたいというふうに思っております。
 神戸市でも、さまざまな要件を設けて、社会性、公益性が高いとか、市が補助金を出しているような特定の団体の利益供与には当たらないとか、勤務時間外であること、そして常識的な報酬額であること、このようなことを定めながらやっておられるようでありますが、こうした具体の取り決めもしっかりと提示しながら、オープンイノベーションの促進にもつながるわけでございますので、ぜひともお取り組みをお願い申し上げて、私の質問を終わります。
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/000219520171124002.htm


 さらに、今年から発足した超党派議連である「NGO・NPOの戦略的あり方を検討する会」でも、小沼大地さんが同様の提言を行ったところ、議連として取り上げてくれました。事務局長としてとりまとめを推進された鈴木馨祐議員が自身のブログで提言文を公開していますので、抜粋します。

 副業解禁は企業で広まってきている一方で、公務員の副業は抑制されている。国家公務員のNPO等での副業は、内閣人事局の許可制であり事例も少なく、その判断基準が厳格・不明瞭であり、受け入れ団体側も含め計画的準備・対応が困難である現状がある。
 一方で、地方公務員では兵庫県神戸市や奈良県生駒市 のように、行政内で独自の制度をつくり自主的に副業を解禁している地方公共団体が出てきている。政府レベルでも促進したい。その際には、公益性、適正性、透明性担保が必要であり、本業に影響がなく過度な働き方にならないように配慮する。また対象職員や契約形態、報酬額、相手先団体等に一定制限などを考慮して設定し、個人情報を除く情報は公開して透明性を確保しながら進めていくことが重要である。
『NPO・NGO/コレクティブインパクトに関し、政府へ申し入れ』(鈴木馨祐議員)
http://agora-web.jp/archives/2033028.html


 この内容はブログにあるように茂木大臣・菅官房長官に提言として出され、これをきっかけに「コレクティブインパクト」が骨太の方針に入りましたし、今回の未来投資戦略2018にも公務員の副業解禁が書かれるようになったと理解しています。
 与党野党様々な国会議員の理解と、民間による提言、また制度を検討した国家公務員の皆さんの尽力により、今回の公務員副業解禁につながりました。
 実際に公務員の方がNPOで働き、現場での経験を制度設計に活かすようになるのが、次のステップとなります。新公益連盟としても、引き続き運用面についても提言を続けたいと考えています。

□出版情報
『人生100年時代の国家戦略~小泉小委員会の500日』(東洋経済新報社)
https://www.amazon.co.jp/dp/4492212353/
posted by 藤沢烈 at 07:20| Comment(0) | 街と人の旅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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