長野にて。
大雨特別警報が発令されてから72時間を越えました。命を救うために、いまこの瞬間も現場で奮闘している警察・自衛隊・消防・行政の皆さんに心から敬意を表します。7月9日時点での動きについて共有します。
□日本財団による、3つの支援策。
豪雨災害に対する日本財団の支援が、昨夕発表されました。
日本財団が犠牲者に弔慰金 豪雨災害で緊急支援(西日本新聞, 7/9)
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/431428/
「犠牲者一人につき10万円の弔慰金」「簡易トイレ千個の配備」「NPOへの50〜300万円の助成金」です。いずれも極めて重要な支援です。
義援金は配分委員会の決定が必要となるため、実際に資金が被災者に配られるのは一ヶ月後からになります。いち早い弔慰金があることは、御遺族の心を支えることになります。
トイレも重要です。トイレが不衛生なために、避難所の方が水分をとることを控えるようになり、そのことが肺炎等を引き起こすことに繋がります。
そしてNPOへの支援。これにより、初動期で活動できるNPOが、資金の持ち出しなく即座に支援を準備・開始することができます。
□個人の物資支援は少しお待ち下さい。
熊本震災の陣頭指揮をとられた、熊本市の大西市長が、物資支援ではなく金銭的な支援を呼びかけています。
豪雨被災地に支援物資、逆に混乱? 熊本市長が呼びかけたこと(buzzfeed, 7月9日)
https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/kumamoto-city-bussi?utm_term=.fnGLd21lz&bffbjapan#.atDPmK5XY
行政は全力をあげて救命活動をしている段階です。またその後も食材・毛布などの基本的な支援は、政府が大量に運送します。個人の物資支援が活きるのは、災害から一週間以上たち、現場で物資を分担できる体制が整ってからです。また内容も、子ども達向けの玩具や漫画のように、行政では費用を出せないものが求められます。支援をされたい方は、金銭の寄付をお考え下さい。
□いよいよ連休中のボランティアをお考え下さい。
甚大な被害を受けた地域でのボランティアは少し先ですが、多くの地域でボランティアセンターが立ち上がりつつあります。各地の情報は、全国社会福祉協議会が次のページで集約し、連日報告されますので参照下さい。
https://www.saigaivc.com/
例えば7月9日の第2報によれば、岐阜県関市、京都府福知山市、岡山県笠岡市、広島県江田島市等でボランティアを募集しています。場所により、市内在住の方に限っている所も多いので、こちらで全体像を把握しつつも、個別のページも確認下さい。
□デマではなく、被災自治体リーダーの言葉を。
災害の度にデマが発生し、SNSで拡散されます。窃盗団が被災地を回っているといったツイートを私もいくつか見かけました。
被災地にレスキュー隊姿の窃盗団? 警察「デマに注意」(朝日新聞, 7月9日)
https://www.asahi.com/articles/ASL796K18L79PTIL056.html
状況把握や拡散は時に重要ですが、憶測情報ではなく、一次情報を確認するようにして下さい。その意味では、被災自治体の首長の発信は参考になります。熊本地震では福岡市の高島市長や、熊本市の大西市長の発信が参考になりましたが、今回は岡山県総社市の片岡市長の発信が注目されています。坂之上洋子さんのブログエントリーも参考になります。
岡山県総社市長片岡聡一
https://twitter.com/souichikataoka
リーダーのあり方(総社市からのお願い:2018年7月9日現在)
http://blog.sakanoue.com/archives/52043553.html
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最後に。報道が相次ぐと「何かしなければ・・」との思いに駆られます。しかし、普段どおり生活することも立派な支援です。SNSでいつもの楽しい投稿をすると被災地の方が疎外感を覚えるのでは?といいますがそんなことはありません。被災地域の方のタイムラインでは、災害の話一色になりますから。
ただ頭の片隅で、この瞬間も不安に駆られている人がいることを感じて下さい。報道がない地域や、報道が減るタイミングこそニーズがあることを想像してください。そして余裕がある方のみ、ぜひ募金やボランティアを考えて頂ければと思います。