2007年10月15日

2旅 松井孝典『われわれはどこへ行くのか?』★★★★

「人間圏が生まれて1万年、かたや生物圏などは生まれて20億年です。(中略)ところが今われわれが一年生きるために動かすモノやエネルギーの移動速度は、地球の営みとしてのモノやエネルギーの移動速度の、10万年分に相当するのです。(中略)つまり現在の人間圏は、もし生物圏の存続時間と比較するなら、もう10億年も存続しているくらいの、地球の上でのモノやエネルギーの流れを消費していることになるのです」p47
「衣食が足りる程豊かになるということは、そういう知的好奇心の解明に投資ができるということなのです。投資したぶんだけ、われわれの全体的な知識が増え、また、一部はフィードバックされてわれわれの生活がさらに豊かになります」p58
松井孝典『われわれはどこへ行くのか?』(筑摩書房, 2007)


特に企業経営を志すリーダーは、なぜ利潤追求を行うのか考え続ける必要があります。最初は事業そのものを続けるために利益は必要ですが、どこかのタイミングで株主のために稼ぐ局面がでるからです。
惑星地球物理学者である松井教授は、人間が使うエネルギーの極大が、人間のシステム全体を壊そうとしていることに警鐘を鳴らします。そして、システム全体を理解し、「われわれはどこへ行くのか?」を見定めていくためにこそ、豊かになる理由があると説きます。
現実の経営者は、自らとその周辺の便利さだけを追求し、単純にエネルギーを増やし続けているだけのように見えます。昨日の『出現する未来』で、技術だけでなく哲学がリーダーに求められると説きました。地球全体の発展を構想できるリーダーが求められる時代なのでしょう。

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posted by 藤沢烈 at 06:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の旅 ★★★★ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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