2007年10月19日

5旅 デヴィッド・ボーム『ダイアローグ』★★★★

「問題があるときに人はこんな言い方をする。『問題を解決するためには、それを考えなければ』と。しかし、私が言おうとしているのは、思考そのものが問題なのだ、ということである」p52
デヴィッド・ボーム『ダイアローグ』(英治出版, 2007)
「あれこれ介入する前に、悪循環だと思ったときにどうしてもチェックしなければいけないのは自分の姿勢です。禅をやっている人に聞いて、ぼくはなるほどと思ったんだけど、長い間やっていると幻覚らが出てくるわけですね。そうすると、天狗が出てきたりなんかするわけです。そのときに、『あ、出てきた。その天狗をどうしよう』と思う前に、まず姿勢を気にするんだそうです。そしたら、ちょっと背中の位置がずれていたりね。それですっと姿勢を正すと、天狗もパッと消えるというんです」河合隼雄, P132
河合隼雄・小林康夫・中沢新一・田坂広志『こころの生態系』(講談社, 2000)

水曜日の祭社の会議では「ファシリテーションを止めることでファシリテートされる」出来事が生じました。人が問題解決を考える時、自分の外側にその原因を捉え思考する癖があります。目の前に天狗がいるのは、自分の思考のためではないか。ふと立ち止まって内省することで、問題は消え去ってしまうかもしれません。
デヴィット・ボームは、『出現する未来』の著者達にも影響を与えたアメリカの物理学者。科学と哲学をブリッジすることを生涯取り組まれていました。私は次のリーダーは科学と哲学をブリッジできる存在だと考えていて、気になる方です。
ダイアローグ_.jpg
posted by 藤沢烈 at 06:55| Comment(1) | TrackBack(1) | 本の旅 ★★★★ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 はじめまして。
 ソーシャルベンチャーを取材しているフリーライターの今一生と申します。

 来週、ソーシャルベンチャー「マザーハウス」代表の山口さんの講演があるので、お知らせしたいと思います。

http://www.asaexpo.net/03.html#04
Posted by 今一生 at 2007年10月20日 12:01
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