2008年06月02日

306旅 『日本の伝統』 岡本太郎 ★★★★★

「過去をどんらんに無限大にまでひらいて、現在のパティキュラリティーは逆に局限までちぢめて考えるべきだと私は思うのです。ちょうど袋にいっぱいに空気をつめて、口をキュっとしめたように。その締めた口のところが現在の自分です。うんとふくらました中には世界のあらゆる過去の遺産、財宝が豊かにとり込まれています。緊密に締めれば締めるほど、中の空気はビューッと、凄い勢いでふきでる。それがつまり創造活動であり、その口のあり方がオリジナリティ、創造の契機なのです」p280
岡本太郎『日本の伝統』(光文社, 2005)

 日本文化を考えていく上で、取組み方にパンチを喰らわせてくれる一冊だった。『今日の芸術』で「私は、ピカソをすでに越えている」と宣言したように、太郎の言葉はいつでも痛快だ。
 太郎は、日本をいかに現代に活かすかをテーマにしていた。ただ彼のアプローチは常識と真逆だ。伝統主義者は、日本文化が何かを定義し、当てはまらないものは日本でも文化でもない、とする。太郎は、定義しない。過去のものは海外のものも含めて取扱い、自分の作品にただ活かす。活かせない伝統に意味はないのだから。
 この視点には強く影響を受けそうだ。日本文化を考えていく・・ということで、まずは禅寺でも巡ろうか、と思っていた。太郎なら、そんなことはしないだろう。
 インプットではなくアウトプットにこだわる。インプットは日本から世界、過去から現在何でも構わない。それらを今の日本人がアウトプットすることが、新しい日本文化になるのである。今の日本とは何であり誰か。その視点の重要性を気づかされた。
 まずはコンサルでつくるチャートに、文化を込めてみようか。

励みになります。⇒書評ブログランキングへ投票する(このリンクへのワンクリックのみで投票完了です)

□参考ウェブサイト
『日本の伝統』(松岡正剛の千夜千冊)

posted by 藤沢烈 at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の旅 ★★★★★ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック