2012年05月06日

原発再稼働について私が思うこと。

 原発の稼働がゼロになりました。再稼働をめぐって、様々な議論が戦わされています。私はこの分野の専門性はありません。しかしながら、「民主体の復興」「オープンガバメント」などの推進に関わってきた経緯から、こうした問題に市民の一人として意見を述べておくことは重要だと考え、コメントするものです。当然ですが、これらは個人の見解であって、所属団体・組織の見解を代表するものではありません。

■平行線の議論
 さて、問いは「今夏の電力需要にむけて、原発再稼働すべきか否か」とします。長期的な話ではなく、まず今年の話に絞るということです。様々な意見が出ていますが、平行線の議論が多い模様ですね。
 「原発を稼働させないと2.7兆円も費用がかさむ。電力料金が大変なことになる」「いや、人の命には変えられない」。「関西では電力が15パーセント足らない」「ピークだけ頑張れば良い」。「いやいや電力料金に耐え切れなくて企業が海外に出てしまう」などなど。議論が錯綜した場合は、まずは論点整理が必要です。

■再稼働に関する論点は何か
 1.電力会社の赤字
 2.電力料金高にともなう国内企業の海外移転
 3.原発事故によるリスク
 4.大規模停電によるリスク
 5.環境問題
 再稼働における論点は、概ねこの5つに分類できると思います。そして結論から言えば、見解の違いは「原発事故のリスクの大きさ」にのみ現れると考えます。再稼働肯定派は、事故リスクはさほど高くないと考え、それよりも停電や企業海外移転の方がずっと可能性が高いと考えている。再稼働否定派は、まだまだ事故のリスクが高いと考えているわけです。
 となれば、たとえば再稼働の焦点となっている、福井県の大飯原発がどこまで安全なのかが焦点なわけです。それ以外を議論しても、肯定派否定派が歩み寄ることはないでしょう。

■再稼働賛成派と反対派にそれぞれ聞きたいこと
 さて政府官邸のスタンスも、安全かどうかに重きをおいています。詳細はこちらの官邸HPを御覧下さい→http://www.kantei.go.jp/jp/headline/genshiryoku.html
 官邸は安全性に関して3つの基準を示しており、いずれも問題ないとの考えが表明されています。「1安全対策の実行」「2安全性の総合評価」「3安全性向上へ向けた事業者の事業計画・姿勢の明確化」の三点がその基準です。あとは国民や自治体の理解さえ得られれれば「再稼働を最終決断する」と政府は明言しているわけです。
 「原子力規制庁が出来てから再稼働する」との考えもあるでしょうが、箱ができるか否かは本質的な論点ではないと考えます。政府が示している三基準はそもそも適切なのか。基準は満たせていると言えるのか。その点を突き詰めなければ、いつまでも議論は平行線だと考えます。
 再稼働賛成派からは「なぜ大飯原発は安全と言えるか」。再稼働反対派からは「なぜ大飯原発は安全ではないと言えるか」が、私がそれぞれ聞きたいことです(5月6日)

■参考
読売新聞社説 「全原発停止 これでは夏の電力が不足する」
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20120504-OYT1T00811.htm
毎日新聞社説 「大飯原発再稼働 理解に苦しむ政治判断」 http://mainichi.jp/opinion/news/20120415k0000m070101000c.html
中日新聞社説 「私たちの変わる日 泊停止・原発ゼロへ 」
http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2012050402000068.html


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2012年04月16日

2020年、日本と東北のかたち


 東北復興を考えるときは、2つのことを考えるようにしています。「現地の皆さんは、どんな生活を望まれているか?」、そして「近い将来、この街はどうなっているのか?」です。
 前にも書きましたが、現地の方々は「創造的復興」を望んでいません。あくまで、元の生活に戻ることを希望されています。もちろん革新的/イノベーティブな取組みも必要でしょうが、全体の中で5%程度そうした動きがあってもよい、程度です。
 被災者に寄り添うだけではわからないのは、将来のまちの姿です。住民要望に答えるままに箱物を作り続けても、10年後の維持費は払えなくなります。望むサービスを実現するために企業を誘致しても、補助金が切れれば企業は撤退します。仮にこれから人口減少が続くとしても、十分安心して住める街づくりをいかに進めるかが重要なのです。
 ということで、東北の10年後、20年後の姿を私は考え続けています。そんな中、復興庁の岡本全勝統括官が書いた論考が参考になりました。地方政府職員むけの雑誌『地方財務』の2008年正月号に寄稿されている「普通の市民が議員、普通の市民が職員」です。全勝さんはここで2020年の日本の姿を、市・道州・中央政府に分けてイメージを整理されています。
 東北復興、さらに言えばこれからの日本の形を考える上で、参考になる刺激的な内容でした。少しまとめてみますが、関心ある方はぜひ原稿をお読みください。

■「市」〜サービス提供者から、連携調整・評価者へ
 人口減少が進み、財政がいよいよ厳しくなる中、市町村の役割と組織はいかに変わるのでしょうか。
 施設と道路を作り、行政サービスを提供するのが、これまでの市町村の役割でした。「景気対策」の名のもとに、必要以上の公共事業を行なってきました。が、効果があがらず、そうしたケインズ政策は小泉政権下で放棄してしまっています。多大な維持費が払えずに、水道や道路などのインフラが危機に瀕していることも、3月31日にNHKスペシャルで取り上げられていました。(http://www.nhk.or.jp/shinsei/ )
 全勝さんは、市がサービス提供者であることは減り、むしろサービスの連携調整役・評価役になっていくと予測しています。施設管理はもとより、様々な行政サービスは民間企業やNPOが担う。行政はそれらを選定し、評価する役目となるわけです。
 市役所の組織も変化します。「公務員」という身分がなくなります。役所で働く人はいますが、彼らは民間企業やNPOの職員であったり、ボランティアだったりする。外から見ても見分けがつきません。地方議員も変わります。普通の会社員や主婦が、仕事を続けながら議員にもなることができるように。会議も、重々しい本会議形式ではなくて、テーマごとの委員会形式となります。
 市町村の統治のありかたも自由化します。首長制を維持するところもありますし、議会が市長を選ぶ議院内閣制を選択する地域も出ます。あるいはシティマネジャーを雇う市も現れます。

■「道州制」〜アジアに経営で対抗する
 全勝さんは、2020年にはすでに道州制に移行する前提をおいています。中央政府でも、市でもない、道州の役割とは何になるでしょうか。
 医療・高等教育・警察・広域の社会資本(下水施設、高速道など)は従来通り求められます。そこに加わるのが、「雇用の創出」。これまでの県は、産業振興といっても、国から命じられるままに農業振興や企業誘致を行なっているだけであって、特色ある産業を生み出すことは出来ていませんでした。しかし道州はそれぞれでシンガポールや韓国並の経済規模を誇るわけです。アジア各国と競い争って、サービス業、観光、医療などで成果を出せるかが問われることになります。
 いまだに県は国の政策を"代行"する、「法令の解釈者」としての役割に留まっていました。これからは、「地域の経営者」になる必要があると、全勝さんは指摘します。

■「中央政府」〜国全体を構想し、世界に貢献する
 市と道州の役割が増していく中、霞が関はよりスリムになります。国の出先機関のほとんどは道州に移管されます。
 さらに全勝さんによれば、これからの行政の役割は「組織」から「個人」を支えるものになるそうです。産業振興や公共事業関係の部門は統合される一方で、国民ひとりひとりの生活を支えるための、国民生活省ができると予測されています。。
 官僚の人事も変わります。省庁ではなく内閣所属になり、各省庁に出向する形態が一般になります。また国際貢献のために、多くの職員は海外に派遣されるとのことです。統治形態も変わります。参議院は道州の代表によって構成されます。衆議院を国政を監視し、参議院は地方の監視役になるわけです。このあたりは、橋下市長をはじめとした地方政党の主張と一致していますね。

■東北の2020年
 全勝さんの予測を東北復興に当てはめればどうなるでしょうか。
 今のところ、被災市町村は土木・建築復旧に力を尽くしています。そのあとは、生活サービスが回復することが求められます。市役所が全て担うことはできません。地元企業やNPOが健全に育ち、市職員と連携しながら公共を支えられるかが鍵となります。
 コミュニティの生業は地域が担いますが、外貨を稼げる中核産業は県がリードする必要があるでしょう。競争力ある産業を、三県が連携しながら育成する必要があります。国は国で、東北復興をバックアップしながら、日本全体の財政と経済を安定させる役割があります。現在は各省庁がかねてから進めていた政策を復活させるために復興機会を捉えているように見えますが、国家単位で政策を見つめなおす必要があるのです。
 市町村、県、国。それぞれが役割を再定義し、民間企業・NPOと連携することができるか。その上で、どれだけ行政職員の行動が変わるか。東北と日本の復興において最も必要なことだと考えます。(4月15日)

■参考文献
岡本全勝「普通の市民が議員、普通の市民が職員」『地方財務2008年1月号』
岡本全勝さんのページでも、ご本人が記事を紹介されています→ http://homepage3.nifty.com/zenshow/page234.html
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2012年04月14日

復興ロードマップを理解し、企業・NPO・行政連携を促進する


 昨日、復興庁から「復興支援に向けた多様な担い手のロードマップ」が公表されました。田村太郎さんが中心となって整理されたものです。セクターを越えて、地域を越えて復興に進むことが、従来以上に重要になっているのが今回の震災復興。その全体像を示した内容として貴重です。田村さんからも直接の発信があるでしょうが、まずは私個人からその概要とポイントを解説してみたいと思います。
概要→http://www.reconstruction.go.jp/topics/01.pdf
内容→http://www.reconstruction.go.jp/topics/02.pdf

■ロードマップの概要
 3年間・5分野にわたり、行政・民間など各セクターにおける復興目標と課題が提示しているのがロードマップの特徴です。市町村やコミュニティ別に議論ができるよう、ワークシートも用意されています。(http://www.reconstruction.go.jp/topics/03.pdf )
 各県や各地域、コミュニティごとに被災・復旧状況や課題は異なります。当然ながら三年間のロードマップも違ってきます。この内容を一つの土台にし、また各市町村の復興計画も参考にしながら、コミュニティごとにロードマップを作ることが求められるわけです。
 さて、分野ごとに要点を整理していきましょう。

■1.被災者生活支援(p5)
 発災直後は避難所、いまは仮設住宅というように、いま目に見える状況の改善に支援が集中する傾向があります。しかし大事なのは、次の環境を予測して備えることです。災害支援のプロセスは定式化されています。例えば来年以降多数の方は復興住宅にうつり、一部の資金的余裕がない方は仮設住宅に残り続けます。これから求められるのは、「仮設後」のコミュニティにいかに繋げていくか、です。
 余談ですが、昨日仮設住宅入居が一年延長されると報道がありました(http://www.kahoku.co.jp/news/2012/04/20120414t71002.htm )。これは喜ぶべき点と難しい点と両面あります。被災者にとっては安心ですが、仮の住居期間が伸びるわけで、コミュニティ再形成や就労支援の観点ではややマイナスです。最終的に住む場所が決まらなければ、人は仕事につきにくいものです。その期間が伸びると、仕事に戻れる人の割合は減っていきます。決まった以上は前向きに捉え、コミュニティ形成を進め、仮設住宅やみなし仮設避難者をいかに受け止めるかを急ぐ必要があります。

■2.遠隔避難者支援(p6)
 県外避難者7万人のケアが求められています。福島からの避難者が多いわけですが、岩手・宮城も津波被害の大きさにより内陸地域などに転出している人は少なくありません。そうした方々への支援のポイントは何か。それは、避難者と、避難元自治体の情報を結んでおくことにあります。阪神大震災でも市外・県外の避難者が96年末段階で5万5千人いましたが、多くの方は見捨てられているという孤立感が強かったそうです。地域に住んでいても「市役所は何もしてくれない」というイメージがあります。市と市民をいかに繋ぐかが課題です。情報通信事業者の役割もあるでしょう。

■3.復興まちづくり(p7)
 世帯ごとに住む場所が与えられるだけでは、町は成り立ちません。喪失したコミュニティを再建することが求められるわけです。そのためのポイントは、「コミュニティ単位」で合意形成を進める点にあります。阪神大震災では神戸市にまちづくり条例が定められていたことが功を奏しました。あちこちで「まちづくり協議会」が設定され、住民がまちの方向性を考えつつ、行政と調整する様子が見られました。
 市町村では、個別コミュニティ・集落の状況を把握することは困難です。旧市町村(小学校区)程度の大きさで復興を考える必要があります。例えば大船渡市は4万人の人口ですが、もともとは1952年昭和の大合併で7つの町・村が一つになり大船渡市に。さらに2001年平成の大合併で三陸町を編入し、いまの範囲に広がっています。3-4千人の10の旧町村で大船渡市は構成されているわけです。それぞれに歴史・産業・文化が異なり、住人もその地域に住み続けています。コミュニティ単位で、かつ住民主体で地域復興を検討する必要があります。

■4.産業再生・就労支援(p8)
 被災地では土木・建築の復旧が急スピートで進みつつあります。しかし、地域産業が復活し、事業再開が図られなければ、地域の再生はありえません。綺麗な防潮堤と建物ばかりのゴーストタウンになりかねません。そこで産業再生が求められるわけですが、「中心市街地」と「漁村コミュニティ」で再生の仕方が異なることに注意が必要です。
 大船渡市を例にとれば、大船渡町・盛町に市街地が展開されており、商業が発達しています。大船渡港にも面しており、工業も栄えています。この地域では、企業が中心となって雇用を支え、その周辺にコミュニティが形成されます。一方で旧・三陸町のエリアは農漁村集落が残る地域。ここでは、まずコミュニティを再建させて地域に生活を取り戻すことが先決。その上で、仕事を分けあいながら暮らしが再開されます。前者は雇用が生まれることでコミュニティが作られる。後者は逆に、コミュニティが再建されることで、生業が成り立ちます。ハローワークだけでは、被災地の雇用を増やすことはできないのです。

■民間・政府の連携事例としてのロードマップ
 このロードマップの成立過程そのものが、新しい取組みとも言えます。概要は民間であり復興庁非常勤も務めている田村太郎さんが設計。その内容をプロパーの公務員の皆さんが整理。また復興庁として承認をえる段階で、ロードマップ上求められる意見を調整(今回は、男女共同参画の観点が付け加えられました)。そして大臣に報告され、正式に発表されています。
 表面的には突然発表されたかのような内容ですが、阪神の経験と、今回の現場の意見、霞が関の調整などが踏まえられた内容になっているわけです。官民、被災地内外をこえて意見をまとめていく新しい流れの一つの産物であり、個人的に感慨深く感じます。もちろん、こうしたロードマップ自体を現地で活かないと意味がないわけで、実践に繋げるべくRCFとしても努力を続けます。(4月14日)

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省庁改革は「国のかたち」を変えたか。そして次の統治改革に必要なこと


 橋下市長が注目されています。彼は個別の政策以上に、統治機構の変革こそが重要だと強調しています。一方で、統治機構の変革は、現代日本でも繰り返し試されてきました。戦後における最大例は、"省庁再編"になるでしょう。この変革の背景・内容・成功理由を理解することで、これから進んでいく統治変革における本質が見えてくるのではないか。今晩はそうしたことを考えてみます。
 参考文献は、『省庁改革の現場からーなぜ再編は進んだか』。当時、省庁再編の現場にどっぷりと入られ、現在は復興庁統括官をされている岡本全勝さんによる一冊です。来週、田村太郎さんと三人で飲む機会があるため読んでいたのですが、期せずして日本の統治機構改革の最大ケースを知ることになったわけです。オススメの一冊です(アマゾンでは7000円になっていますが・・)

■省庁再編1.内閣官房・内閣府強化により政治主導へ
 当時1府22省あった省庁を、1府12省までに半減したことで有名な省庁再編。その奥底の本質を3つ説明したいと思います。「政治主導の強化」「審議会の整理」「民間人の任用」です。
 省庁再編を理解する上で、地方と国の統治機構がいかに違っていたかを理解する必要があります。それは、地方には企画部があるが、国には無かった点にあります。地方では、各セクションでつくられる政策に調整が必要になると、企画部が整理をしていました。それでも調整できない場合は副知事や助役(いまでいう副市長)にあげられ、最終的に首長が判断する決定過程がありました。
 しかし国にはそうしたプロセスは存在していません。各省庁がそれぞれ政策を出し合い、期限ぎりぎりまで競い合う状況だけがあったわけです。こうした状況について、地方は「組織内調整」だけど、国は「組織間調整」だったと岡本さんは書いています。
 この状態は、省庁再編時に改善が目指されました。省庁をこえて最終調整できる機関としてあらためて内閣官房が位置づけられることになります。またこの仕組を助けるために内閣府が設置されます。こうした組織変更にともない、省庁のボトムアップで政策決定なされる状況が変わり、内閣官房・内閣府の助けを通じ政治主導のボトムアップで国を動かすことが実現されたわけです。その効果は、小泉内閣時に最大限発揮されています。
 政治主導とどうじに、官僚による統治機構の象徴が崩されることになります。審議会の削減です。

■省庁再編2.審議会の整理
 国が意思決定をする上で、その正統性はいかに担保されていたのでしょうか。最終的な合意は、議会での承認ですし、その手前には内閣による閣議決定があります。しかし、そもそも閣議に提出される法案がいかに作られてきたかも論点でした。
 官僚が政策をつくるだけでは、正統性は維持できません。そこで当時、多用されていたのが審議会でした。各省庁では、そのテーマごとの有識者による審議会を設定します。その会議での議論をもとに、政策立案の方向性が定められていました。しかし、有識者の選定や、議論のたたき台・進行は官僚が設定。実質的には官僚による統治が機能していたわけです。
 省庁再編時には、審議会の数が211から90に減らされています。とりわけ、基本政策を審議する会は176から29に激減しました。この背景には、各省庁では大臣・副大臣・政務官による政治主導での政策形成を目指されたこと。規制緩和を進める中で、事前調整型から、事後監視型へと政府の関わりを変えることが意識されたわけです。(余談ですが、経済学者の飯田泰之さんが事後監視社会を提唱されていますが、省庁再編時にその思想が進行していたのです)。
 そして組織の変化にとどまらず、働く人材自身も変化することが試みられます。
 
■省庁再編3.民間人の任用
 省庁再編時には、民間人を政府にいれていく取組みも進みました。任期付任用制度は平成12年8月に法案化されます。行政の外部から、五年以内の任期をつけて一般職に採用できることが実現されたわけです。新府省発足時には16人の民間人が採用。大学教授、公認会計士、IT専門家などが任用され、課長級以上になったのも7名に至りました。
 アメリカは政権交代のたびに、多くの民間人が政治任用され政策を展開。イギリスの場合は多数の政治家が政府に入ります。この二つの側面が同時に、省庁再編時に進められたわけです。 

■成功理由は「法案化」「期限」「基本と実施の二分」
 内閣機能の強化。省庁再編。大臣数の削減。局・課の大幅整理。審議会の整理。戦後例のない形で、行政機構を改革することが実現に至りました。なぜ、こうした変化を実現させえたのでしょうか。その理由は、「最終報告」「基本法」「実施法」の3ステップで事を進めたことにあったそうです。
 まずは審議会が、省庁再編に関する方向性を最終報告します。この段階では、政府が改革を進行させる責任を負うことはありません。政権が変わったりすれば、忘れ去られることもあります。そこで、この報告は「基本法」ということで期限つきで法案化されました。政府は法律に従わざるをえない組織です。結果、省庁再編を進めるための組織が設立され、当時の橋本政権が変わってもそれは維持されたわけです。その後、期限内に再編のための実務が進められ、最後には「実施法」が制定されます。ここで再編が現実のものになりました。
 変革のための法案をつくる。期限を決める。基本法と実施法をわける。国の形を変えるためのノウハウがここに詰まっていて、勉強になります。

■国のかたちを変える上で、いま求められていること
 以上のように、省庁再編は一定の成果を成し遂げました。それでは、残された課題は何でしょうか。
 私は、「行政」と「民間」の垣根をなくし、民間人が表に裏に、オンにオフに行政(=社会)にコミットすることだと思います。震災復興にせよ、原発事故にせよ、私たちはどこか他人ごとです。ついつい「国の責任」と口に出し、無意識に自分の責任を回避してしまいます。こうした意識を抜けて、日本社会に起きるひとつひとつが自分たちの問題なのだと自覚できるか。そうした仕組みを作れるかが、これからの課題であるように思うのです。
 省庁再編を進める理由として、その法案に次の言葉が記されています。「国民になお色濃く残る統治客体意識に伴う行政への過度の依存体質に決別し、自律的個人を基礎とし、国民が統治の主体として自ら責任を負う国柄へと転換すること」。この言葉が高らかにうたわれ、それなりに国の変化は実行に至りました。しかし新しい箱はできたものの、民間が国を動かせているとは言えないでしょう。どこか我々が行政や社会に無関心でいることに、問題の根源が潜んでいるように思うのです。
 橋下市長も、「統治機構の変革」「グレート・リセット」を旗印にあげています。政策よりも統治機構を変えること。私も必要だと思います。ただ、そのことには留保条件があります。私達が観客のままでいることなく、当事者になること。その事を抜きにして仮に改革が進められても、依存体質が抜けず、結果社会が動くことはないでしょう。特定のリーダーに期待しすぎず、一人一人が自分の領域で責任を果たせるか。国のかたちを変える上で、これこそが今、求められていると思うのです。(4月13日)

■参考文献
岡本全勝『省庁改革の現場から―なぜ再編は進んだか』(2001)








 






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2012年04月12日

被災者に向けた情報支援の必要性


 昨日は震災13ヶ月目でした。震災から何ヶ月、という表現も聞かれなくなりつつあります。さて、そうした時期にも関わらず、県を離れて避難されている方が依然として7万人強おられます。そうしたみなさんは借り上げ住宅や公営住宅提供など、様々な行政サービスを避難先の自治体から受けています。しかし支援の在り方は県によって異なっており、避難者からみえば分かり難い状況があります。
 そこでRCFメンバーに数日頑張ってもらって、県外避難者支援制度を県ごとに整理してもらいました。PDFでアップしてありますから、必要な方は活用頂ければ嬉しいです。
http://rcf311.com/2012/04/04/fukushima_research/
※なお情報は3月10日時点ですから、必ず現在の状況はホームページを確認したり、各自治体に問合せ下さい。

■各都道府県での、被災者向け借り上げ住宅制度
 PDFのp4を見て頂ければ、北海道から沖縄までの支援制度が分かります。
 「住宅提供が継続されているか」「いつまで継続するか」「福島にかぎらず、宮城・岩手の避難者を受け入れているか」「本人の負担内容」「負担金額」「入居期間」といった項目で、県により方針は異なっています。
 すでに申込受付終了した自治体は多くなりつつありますが、たとえば山形県は継続しています。茨城県は、福島からの避難者に限って継続しています。家賃のみ負担する県もあれば、共益費、駐車場代、仲介手数料も負担している県もあります。期間は一年間と二年間の2パターンあります。おおむね東日本では支援が継続され、西日本は制度がなくなっていますが、宮崎・鹿児島・沖縄では支援が残るなど例外もあります。
 やはり重要な違いは受付期間でしょう。仕事や家庭の事情で福島に留まっていた方が、一年たっていよいよ避難されるタイミングで、すでに受け付け終了になっている自治体が多くなっています。しかし一つの自治体に問合せてダメであったとしても、山形県は受け付けを続けていたりするわけです。
(参考)山形県避難者向け借上げ住宅制度について
http://www.pref.yamagata.jp/ou/kankyoenergy/020072/fukkou/kariage-jyutaku.html
 
■避難者向けの支援内容
 PDFのp8をご覧頂くと、入居後の支援内容について、山形県・新潟県・東京都を例にとった違いを説明しています。住宅、雇用、教育、医療、金融、税金といったトピック別にも支援に違いがみられます。
 雇用に関しては山形県が特徴的。被災者向けの求人情報が掲載されていたり、職業訓練や優先的に内職を提供する仕組みもととのえられています。税金でいえば東京。都税にとどまらず、水道・下水道も減免されます。
 なお、県外避難者ではなく福島県の方向けの内容ですが、放射線に関する健康調査の概要もp9にまとめました。

■行政と民間の連携により被災者に情報提供を
 これまでも繰り返しお伝えしていますが、物資支援や直接のサービス支援は一部をのぞき必要性はなくなりつつあります。重要性が増しているのは、情報支援です。
 多くの被災者の方は日常的にパソコンやスマートフォンを使っているわけではなく、テレビ・新聞と、行政からの広報紙に情報源が絞られています(あとは口コミでしょうか)。失業者、病気の方、県外避難をされたい方など、個人的事情をかかえた方にとっては必要な情報がなかなか入ってこないわけです。
 湯浅誠さんの長年の働きかけもあり、個人的な悩みをワンストップで24時間うけつけられる仕組みもできました(http://279338.jp/ )。しかし悩みが明確になっていなければ電話することも出来ません。コールセンターに加えて、様々な形で情報を届けていく仕組みが必要になるでしょう。
 こと情報に関しては、収集も整理も提供も、民間にできることはまだまだあるように思えます。情報通信に関する起業家のなかには社会的な取組みに関心をもつ方も少なくありません。もっと社会活動とベンチャーの繋がりが生まれるようにすべきと考えています。
 民間と行政がもっと連携しあって、被災者の孤立を防ぐ。そうした取組みを一刻も早くスピードをあげていく必要があります。(4月12日)
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2012年04月09日

スマートシティは、被災地を復興させるか


 スマートシティとは、情報通信/エネルギー技術を用いた持続可能な地域社会システムのことです。2010年から注目されていましたが、震災による地域社会の破壊や、原子力エネルギーの信頼喪失で、このコンセプトは新たな局面をむかえつつあります。被災地復興においても、くりかえし出てくるキーワードであり、少しまとめて勉強しました。(定義→ http://www.blwisdom.com/word/key/001434.html )
 ITによる社会変革、地域コミュニティの将来像、次世代エネルギー、環境、震災復興からオープンガバメントにも関係します。こうした分野に関心を持つ人には理解いただきたいわけです。震災によって、スマートシティの概念はいかに変化しつつあり、また進展するかについて整理してみます。

■スマートシティによる6つの社会分野変革
 スマートシティが成立する前提として、スマートグリッド技術の進展が必要となります。スマートグリッドとは、簡単に言えば電力と通信の統合のことです。スマートメーターは聞いたことがあるでしょうか。生活や仕事のあらゆる場面で電気が使われていますが、使用電力量を設備・機械ごとに計測し、ネットに繋ぐための装置です。これにより電気の使用状況を見える化でき、またネットを通じて個々人がコントロールできるようになります。
 この技術を応用し、環境に配慮する形でマネジメントされる都市・地域を創りだそうとするのがスマートシティです。そもそもは2008年、米IBMが「スマータープラネット」という概念を掲げたのが発端でした(http://www-06.ibm.com/innovation/jp/smarterplanet/ )。
 スマートシティでは、6つの社会分野の変革が期待されています。1安心・安全。2エネルギー。3.ヘルスケア/医療。4交通。5行政。6教育です。通信技術によって、石油に頼らない持続可能なエネルギーを確保。その上で地域に情報環境を張り巡らせ、快適な生活空間を生み出すことを目指しています。

■国内スマートシティの歴史
 さて、こうしたスマートシティ政策がいかに日本で進んできたかを整理しましょう。開始は2008年。政府は「環境モデル都市構想」を打ち出し、北九州市、横浜市など13都市を選定します(http://ecomodelproject.go.jp/ )。つづいて経済産業省が「次世代エネルギー・社会システム協議会」を設置。省内でスマートグリッド、スマートシティに関する検討を行います(http://www.meti.go.jp/committee/summary/0004633/index.html )
 2009年の鳩山内閣誕生はこうした政策を後押しします。当時の鳩山首相がCO2の25%削減を国際公約したことも受け、2010年の新成長戦略では、「グリーンイノベーション」が七つの成長分野の筆頭に挙げられ、50兆円の需要創造・140万人の雇用創造を生むと目されました。(http://www.npu.go.jp/policy/policy04/pdf/senryaku_point.pdf )
 その後も2010年、総合特区制度ではスマートシティ推進に向けたアイデアが公募され、278団体から450のアイデアが寄せられました。また新成長戦略に基づき、環境未来都市という国家戦略プロジェクトが開始されています(http://futurecity.rro.go.jp/about/ )。

■震災により加速するスマートシティ
 このタイミングで発生したのが東日本大震災です。そのことにより、内容面と政策面の変化が置きつつあります。キーワードは「レジリエンス」。日本語でいえば「適応力」となります。災害によって地域がダメージを受けても、スピーディに復旧できる力が求められることになりました。スマートシティを考えるにあたって、快適さや環境配慮以上に、都市機能の持続性や回復力が求められることになったわけです。
 震災復興への比重強化に、スマートシティ政策も影響を受けます。環境未来都市の選定にあたって被災地域であるかが考慮。結果として11件のうち、6件は被災地から選ばれています。(http://futurecity.rro.go.jp/boshu/sentei/ )

■スマートシティは、被災地を復興させるか
 以上、国内でのスマートシティ展開についてまとめました。
 震災復興において、現在被災自治体で動いているプロジェクトは土木・建築系ばかり。医療・交通・教育といったソフト面での地域づくりは進みが遅い状況があります。スマートシティはそうしたソフトを補う側面があることに期待しています。「次世代エネルギー」「情報ネットワーク」という大文字が被災地の実情とかけ離れていますから、東北には現実的でないと考える人も多いでしょう。とはいえ、釜石市や大船渡市や南相馬市がプランを練った事実も軽くはありません。ソフト面での地域づくりの推進根拠として活用したいと考えています。(4月9日)

■参考文献
気仙広域環境未来都市(大船渡市・陸前高田市・住田町) http://futurecity.rro.go.jp/teiansyo/kesen-koiki_sankou.pdf
環境未来都市構想(釜石市) http://futurecity.rro.go.jp/teiansyo/kamaishi_sankou2.pdf
岡村久和「スマートシティ」(2011)
エネルギーフォーラム「「スマート革命」の衝撃」(2010)
村上憲郎・福井エドワード「「スマート日本」宣言」(2011)
「編集長が語る スマートグリッド産業のすべて」(2011)
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2012年04月07日

地域密着により、水産加工業復活を


 今晩は水産加工業について。3月28日のブログ「水産加工業からはじまる東北復興」(http://retz.seesaa.net/article/258360237.html )にて、水産加工業の復活が被災地においていかに重要か。そのために、事業者が経営計画を修正する必要性を整理しました。しかし、92年の4.5兆円から、2008年には3.4兆円にまで緩やかに落ち込んでいたのが日本の水産加工業。個々の取組みだけでは限界があるのも事実です。(財)東京水産振興会によるレポート「構造再編下の水産加工業の現状と課題」をベースに、地域単位での復興の在り方について考えていきます。

■国内水産加工業の現状
 水産加工業は、地域の水産物を原料とすることで、動物性タンパク質を供給。また水揚げ量と消費のアンバランスを調整し、価格調整する役割を果たしてきました。
 しかし水産加工品生産量は、近年は毎年10万トン単位で減少中。製造出荷額は最盛期(1992年)から1兆円減少。事業所も12000社から8千社を切っています。気仙沼は1992年〜99年まで600億円を超えていましたが、震災前にすでに400億円にまで落ち込んでいました。その背景には、水産資源減少によって原料調達が厳しくなってきたこと。また量販店や外食チェーン主導の価格形成が進んでいることがあげられます。
 そうした環境変化の最中に、泣きっ面に蜂のように東日本大震災が発生したわけです。

■地域一体となって、原料調達を図る
 東京水産振興会が調査した事例を紹介しつつ、今後の復興に向けたポイントを整理してみたいと思います。まずは、原料調達の安定化をこころみたケースです。
1.石巻・塩釜・仙台。かまぼこに代表される、ねり製品が主力産品となります。従来はアメリカのスケトウダラを原料としていましたが、価格が高騰。その後北海道すり身に切り替えたものの、価格の割に質が高くありませんでした。そのため、現在は中国・タイ・韓国・インドなど南洋のすり身調達に移行し安定を図っています。
2.気仙沼。「タンク取り」という手法の導入により、一日のカツオ取扱い料は300トンから1000トンに向上しました。そのことで、外来船の誘致を促進することができ、結果として原料調達の安定化を実現できています。
3.静岡。「静岡県うなぎ加工業者連絡協議会」を2002年に設立。減少するうなぎ原料を融通しあえる体制の構築を図りました。
 いずれも個社単位では解決できない取組み。地域としてブランド確立を図る意思のあることがうかがえます。

■地域一丸となって、加工・販売を革新する
 続いて、加工・販売についての先進事例。やはり地域が一体となった改革を実現しています
1.気仙沼。HACCP(食品に潜む安全上のリスク要因を分析・除去する手法)を地域で導入。独自基準を策定しながら、衛生環境を背景としたブランド化を進めています。その事で海外輸出も強化しました。
2.長崎県。水産加工業界と行政が連携し、品質に関する独自基準を設定。「平成長崎俵物」のブランド確立を目指しています。
3.茨城県大洗町。「海山いきいき直売センター」で鮮魚と加工品を販売。アクアワールド大洗、大洗リゾートアウトレットでの販売も強化。観光と水産加工業を結合させています。
4.沼津。年間400万人の観光客をターゲットに。土産物店への卸売活動を強化することはもとより、土産物市場に参入する水産加工業者も現れています。

■地域と個社の取組みを両立する
 「原料調達」「漁業物との連携」「衛生環境整備」「観光との連動」「ブランド化」。いずれをとっても、一事業者ではなく、地域単位での取組みが求められます。実は、震災前まで、東北の水産加工業者は必ずしも連携は取られていませんでした。今回の災害を契機に、加工業者、漁業者、販路、行政などが一体となって復興にむけて取り組めるか。地域密着できるかが、最大のポイントになっています。
 市町村単位での連携と、個社ごとの計画策定。その二つを同時に達成できないか、RCFの水産業チームも日夜検討を続けています。(4月7日)

■参考資料
みなと新聞「北から南水産加工業GUIDE2011」(2011)
東京水産振興会「構造再編下の水産加工業の現状と課題―平成21年度事業報告」(2010)
http://www.suisan-shinkou.or.jp/promotion/pdf/report_2009_1.pdf
東京水産振興会「構造再編下の水産加工業の現状と課題―平成22年度事業報告」(2011)
http://www.suisan-shinkou.or.jp/promotion/pdf/report_2010_1.pdf
(全文PDF化されていますから、関心ある方はご一読下さい)

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2012年04月06日

若手世代が持つべき社会的責任とは何か〜湯浅誠辞任記より

「ノマドと結社の共通点」と題し、前回のブログでは若手世代と当事者性について書きました。(http://retz.seesaa.net/article/262108116.html )。ここで、当事者になった我々は、複雑な調整の現場に関わらざるをえないとまとめています。
 ただ間違えていけないのは、当事者とは「中の人」ではない、ということです。代議士、国家公務員、ベンチャー経営者、NPO職員といった肩書きを持つことが、当事者になることではありません。当事者であると自覚したこの瞬間から、調整を試みる必要があるわけです。そんなことを、湯浅誠さんの内閣府参与辞任記(http://yuasamakoto.blogspot.jp/2012/03/blog-post_07.html )をもとに考えてみます。

■小さすぎる政府
 湯浅さんの記事を紹介していきます。個人による社会への関わり方と、社会そのものを理解する上で重要な論点ばかりです。
『日本ほどの「小さすぎる政府」で世界一の高齢社会をやりくりしているような現状にあっては、(財源を)どこから持ってくるにしても、取られたところで深刻な生活課題を惹き起こす可能性が少なくありません。総じて、弱い者同士で限られたパイを奪い合う、という結果にもなりかねません』『公共サービスを設計・運営するのが公務員という当たり前のことが忘れられて、公務員批判が自己目的化しているような危機感を抱きます。(略)私は公務員を盲目的に擁護はしませんが、盲目的な公務員批判には反対です。それは結局、公共サービスを劣化させてしまうからです』

 日本は既に小さな政府だとの認識に共感します。新しい施策を行うことは、別の取組みをストップする事を意味するわけで、現実は「弱者間のパイ奪い合い」となっているわけです。実際、震災復興支援を行うNPO間での財源の奪い合いや、東北以外や海外の支援団体から悲鳴(湯浅さんの言葉でいえば"怨嗟")が聞こえています。社会問題の領域間で縄張りが生まれつつあります。

■自己責任論という、社会的無責任
 公務員批判にも、同じ構図が見えます。公務員は公共のために存在していますし、ほとんどの行政マンは献身的です。しかしカッコつきの"公務員"を敵と見なし、彼らを批判・削減することが社会のためと錯覚しているのが今の日本社会。その原因は何か。湯浅さんは、社会的無責任(=自己責任論)というキーワードから説明されています。自己責任という言葉の問題点について、改めて気付かされます。
『 私が巷の自己責任論にもっとも不満だったのは、それが社会の構成員としての、市民としての、主権者としての自覚を伴わない物言いだという点にありました。誰かを排除する社会に住みながら、自分もその構成員の一人でありながら、その自己に対する責任の自覚なく、自分とは関係ない誰か、とりわけ排除を受けている誰かの責任に帰して、自分は無関係だと考えるその無責任さに腹が立っていました。その意味で、いわゆる自己責任論は社会的無責任論であり、私が「貧困は自己責任ではない」という言葉で訴えていたのは、「本人の人生には一点の曇りもありません」ということではなく、「貧困は社会的無責任論では解決しない」ということでした』

 ここでようやく、「ニッポンのジレンマ」と湯浅誠さんの言葉が接続されます。あの番組の出演者達は当事者性を持っている、と前回書きました。いいかえれば、「社会的責任」を個人の立場から果たそうとされているわけです。

■民間こそ縦割り
 湯浅誠さんはさらに、政府・民間・個人それぞれの立場から何に取り組むべきかも示唆しています。
『医者が過労で倒れ、介護ヘルパーは低賃金でどんどん辞め、低年金・無年金で生活できない人が増え、非正規が増えているにもかかわらず、まともなセーフティネットが生活保護以外になく、本人や家族が課題を抱え込んで煮詰まり疲弊して残念な事件が頻発し、自殺も減らず、社会に閉塞感が蔓延している現状を少しでも変えるために、せめて小さな政府になるくらいの税と財政規模を確保しませんか、と言っているにすぎません』
『私は、解決すべき課題があるときに、それを誰かの責任にすることで自分は免責されるとする思考が嫌いです。(略) 私は基本的に民間団体の人間です。だから、民間の人たちは、行政の縦割りの弊害を指摘する以上に、自分たちの縦割りの問題に敏感であるべきと思います。縦割りの弊害打破は、行政とともに民間の課題です。そしてどちらが先にその弊害を打破できるか、競争のようなものだと感じています』

 湯浅さんは年越し派遣村村長として有名になった方ですから、一般には「左翼」「大きな政府論者」として括られていると思います。しかし湯浅さんは自分のことを「小さな政府論者」だと述懐しています。この巨大で問題を抱えた日本社会を支えるのに行政は十分とは言えません。もちろん変化は必要ですが、無闇な削減を是とせず、少なくとも「Aは減らすが、Bは増やすべき」とあわせた主張が必要になります。
 「民間の縦割り」も重要なキーワードです。自覚がないだけ、行政の縦割りよりも問題の根は深いといえます。震災復興で例を出しましょう。支援NPOは各市町村に入っていますし、産業復興・教育・医療などあらゆるテーマで活動しています。しかし、エリアやテーマを越えた連携は十分ではありません。特定地域や課題に集中している一方で、その隣町で起きている問題は見過ごされています。

■当事者としての自覚
 そして、個人も"当事者"であるべきだと、湯浅さんは主張しています。
『政府の中にいようが外にいようが自分は調整の当事者であり、「政府やマスコミが悪い」と批判するだけでは済まない。調整の一環として相手に働きかけたが結果が出ない―それは相手の無理解を変えられなかった自分の力不足の結果でもあり、工夫が足りなかったということです』

 当事者になる=政府の内側に入ることだと、我々は思いがちです。しかし湯浅さんは否定します。政府の中にいるのも外にいるのも関係ない。むしろ、自分が当事者であることを自覚し、膨大な調整作業に加わることが必要なのだと語られています。
 政治や被災地の中の人達を、観客として接していないでしょうか。電気を使用している以上、東京に住んでいる我々も福島原発の利害関係者となります。しかし、原発事故を「国」や「東電」の責任にして安心してはいないでしょうか。

■若手世代は、膨大な調整作業を乗り越えられるか
 「ニッポンのジレンマ」で見られるように、若い世代は当事者意識を持ちつつあります。それゆえにこれからは一個人・一組織に逃げ込むことはできず、調整の当事者として複雑な状況に絡め取られることになります。
しかし、若い世代は明るさをもって、ゆるやかな繋がりを武器にしながら、乗り越えることができる。そんなやや楽観的な展望を私は持ってもいます。
 湯浅さんは、「八の会」という、30-40代の"当事者"の集まりを開催されるそうです。私も参加させて頂くのですが、湯浅さんのこれからについて尋ねてみたいと思います。彼にとっての新しい調整をスタートされているでしょうから。(4月6日)

■参考文献
「内閣府参与辞任について」(湯浅誠からのお知らせ) http://yuasamakoto.blogspot.jp/2012/03/blog-post_07.html


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2012年03月28日

仮設住宅に求められる支援いま・これから〜仮設住宅アセスメントより


 本日は、仮設住宅支援について考えます。
 2012年3月8日時点で、避難生活者は34万人です。うち、10万人以上が仮設住宅に入居されています。こうした方々をいかに支援すべきでしょうか。改めて整理していきます。

■短期〜アセスメントにより戦略的・横断的に支援
 仮設住宅に関して問題となるのは、孤立化や孤立死です。仕事を持たない方が8割いるし、住んでいた地域から離れたために隣近所見知らぬ中で暮らす人も少なくありません。もともと仕事で頑張っていた人ほど、お酒とテレビに引きこもってしまう。その為の対策として"お茶っこサロン"など、仮設住宅入居者が団欒できる場をNPOが提供しています。しかし元気なおば様のみが集ったり、一部団地でしか開催されないため、真にリスクある方々に十分届いていない現実もあります。
 ここで紹介したいのが、各県の連携復興センターによる「仮設住宅周辺環境アセスメント」です。この調査を通じて、どの地域・団地のリスクが高い化を可視化することに成功しました。今週結果が発表された福島県の調査をみましょう。こちらは、ふくしま連携復興センター、福島大学災害復興研究所、日本財団、福島県、NPOが連携して実施し、RCFは分析を担当しました。
http://f-renpuku.com/?page_id=1114
 155団地のうち、約半数ではバスを使わないと、10%ではタクシーや自家用車を使わないと病院やスーパーなど生活施設に行けないことが分かりました。こうした団地では、外に行くのに億劫になりますし、費用もかかりますから、引きこもりリスクは高くなります。また街の外れに設置されていて、支援が行き届かない傾向もあります。こうした調査結果は行政やNPOが共有し、支援をいかに行うかの検討に活用されています。

■長期〜コミュニティ形成によって2013年大移動に備える
 さて、仮設住宅支援は、一年目を境に後半戦に移っています。その理由は、仮設の入居期間にあります。災害救助法によれば、仮設住宅の入居期間は建築基準法にのっとり2年間となっています。阪神大震災でも5年住んだ方がおられたように、市町村の要請に基づき延長されることは確実です。とはいえ、
どの自治体も、原則として2年間が限度と居住者に伝えています(下記は釜石市の例)。自立できる方は二年で離れていただき、事情ある方のみが延長できるわけです。
http://www.city.kamaishi.iwate.jp/saigai/contents/seikatsushien.html
 ということで、2013年夏、多くの方は仮設から引越を行うことになります。今年の夏以降、仮設や借り上げ住宅から離れてどこに住むべきか、メディアでも話題となることでしょう。ここで鍵になるのは、仮設住宅の自治会と受け入れるコミュニティ側の自治会の連携です。仮設自治会として、誰がいつどのコミュニティに向かうのかを把握する。その内容を受入自治会につなぎ、スムーズにコミュニティ移転を進める。こうすることで、社会的弱者(高齢者、失業者など)が取り残されることが防がれます。注意したいのは行政だけでは細かなケアはできないこと。地元コミュニティやNPOの力が試されます。

■目の前だけでなく先を見通す
 さきほど紹介した仮設アセスメントでは、自治会設置状況についても調査しました(p37-39)。県北(福島市など)91%、県中(郡山市など)では82%が自治会設置されているのに対し、県南(白河市など)では13%、いわき市では34%しか設置が確認できませんでした。計画的避難区域からの避難者では74%設置であるのに対し、他地域の避難者は52%に留まっています。コミュニティ形成という観点では、いわき市や相馬市といった地域にも目を配る必要があります。
 被災者支援のあり方も、時間の経過とともに変化していきます。過去の災害対応、現在のデータを把握しつつ、地域ごとに適切なアプローチを取ることが求められます。目の前の問題にのみ反応することなく、少し先の状況を洞察しながら、支援を続けることが必要です。(3月28日)

■参考資料
岩手県・仮設住宅周辺環境調査 http://www.ifc.jp/log.php?itemid=429 (8〜9月調査)
宮城県・仮設住宅周辺環境調査 http://www.renpuku.org/archives/577 (10〜1月調査)
福島県・仮設住宅周辺環境調査 http://f-renpuku.com/?page_id=1114 (12〜2月調査)
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2012年03月27日

震災復興はトップダウンで行うべきか、ボトムアップで行うべきか


 阪神大震災では、トップダウンで復興が進められました。一方、新潟県中越地震の復興は、ボトムアップ。東日本大震災は、どちらとも決められない難しさがあります。今晩はその事を考えています。

■トップダウンの復興〜兵庫県
 阪神大震災が起きたのは1995年1月17日。半年後の7月には、兵庫県は復興計画を発表します。東日本大震災で多くの市町村で計画が完成したのが12月であったことを考えると、スピーディといえるでしょう。その内容は、震災前から練られていた長期計画を進める内容でした。基本方針の中で次のように述べられています。
復興にあたって重要なことは、単に1月17日以前の状態を回復するだけではなく、新たな視点から都市を再生する「創造的復興」を成し遂げることである。そのため、「兵庫2001年計画」の総合的点検において示された「21世紀初頭の新たな兵庫の創造についての基本的な考え方」と「被災地域の長期ビジョン」のうえにたって、関西国際空港開港、大阪湾ベイエリア整備、明石海峡大橋建設等により世界都市関西の形成が期待されるなか、阪神・淡路の文化的特性を活かし、新しい都市文明の形成をめざすこととする。(『阪神・淡路震災復興計画』より)

"創造的復興"を合言葉に、語弊をおそれずにいえば「どさくさ紛れ」で神戸空港を建設してしまうわけです。地元民の生活のサポートは十分ではなかったとの声もありますが、スピーディな復興を成し遂げた成果がありました。なお、地元民の声を行政に伝えるための「まちづくり協議会」の活動も100以上うまれ活発でした。これは、急速に進む行政主導の復興計画に対抗するためでした。

■ボトムアップの復興〜山古志村
 住民主体での復興の好事例は、中越地震時の山古志村となります。地元材を生かした木造住宅を、被災者雇用しながら建設して地域内の経済循環を確立。共同体単位での復興が進められ、14集落すべてが再建したとのことです。被災地コミュニティを起点としたボトムアップ型の復興計画を、政府や新潟県がサポートする形がとられました。
 米国のハリケーン・カトリーナ災害の際のニューオリンズ州でも同様の事例がみられました。復興計画策定において、アメリカ・スピークスというNPOが支援した住民会議が3回実施。参加した4000人の市民の意見を反映させつつ計画は作られました。「洪水対策」「人口流出対策」という二つの側面を両立させる内容として、評価されたとのことです。
 余談ですが、2011年4月に実施された「総務省ICT地域活性化懇談会」において私はこのアメリカ・スピークスを紹介しています( http://www.soumu.go.jp/main_content/000112804.pdf )。当時座長を務めていた金子郁容先生に関心をもっていただけて、先生が同じく座長を務めていた「新しい公共推進会議」が6月に出した提言で「熟議による復興の街づくりを」と整理をして頂きました( http://www5.cao.go.jp/npc/pdf/suishin-shinsai-teigen.pdf )

■トップダウンとボトムアップを超越した復興哲学を
 さて、それでは東日本大震災においては、トップダウンとボトムアップ、どちらの復興が目指されるべきなのでしょうか。話は、そう単純ではありません。
 まずトップダウンは困難です。阪神の際は兵庫県に被害が集中していて、県がリーダーシップを取りやすい環境がありました。今回は複数県にまたがりますし、津波と原発という性質の異なる被害があります。3.11直後に政府がたてた復興構想会議でも、「地域・コミュニティ主体の復興を基本とする」とすぐにうたっています( http://www.cas.go.jp/jp/fukkou/pdf/kousou12/teigen.pdf )。
 ボトムアップ型もまだ機能していません。被害が甚大すぎて、各市町村がなかなかコミュニティごとの計画をまとめられないのです。これからの30年で人口が50%近く減るとの予想もあった地域です。単純に設備を元に戻しても、維持費で町が破綻することは目に見えます。被災地の主要産業であった漁業にしても、漁師が高齢化する中で、借金を背負わせながら復旧するのも現実的ではありません。
 「復興庁ではなく査定庁ではないか」。そんな声をメディアは大きく取り上げますが、ボトムアップを何でも正義とすべきではありません。現場と全体が意見を戦わせるのは健全であって、一つ一つの内容を見るべきです。
 現場主義でありながら、将来も見通した復興計画とは何か。トップダウンだボトムアップだと単純に類型化せずに、矛盾を引き受けながら現実をつくりだす復興哲学が求められています。(3月27日)

■参考文献
梶秀樹ほか『東日本大震災の復旧・復興への提言』(技報堂出版, 2011)
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2012年03月25日

復興教育の日本における意味合い〜教育行政の変遷から見つめ直す

「復興教育」という呼び方で、文部科学省は被災地における教育支援を続けています。流された校舎や学校備品を元に戻すだけでなく、日本における新しい地域教育モデルを作る意気込みを持っています。なぜ被災地での教育が、教育の未来と関係があるのか。教育行政の歴史的変遷をたどりつつ、その理由を考えてみたいと思います。参考文献には、宮崎市教育長を務めていた田原健二氏による『地域コミュニティと教育委員会制度』(鉱脈社, 2011)を使わせて頂きました。

■分権と集権で揺れる日本教育
 戦後の日本教育は、「分権」→「集権」→「分権」の流れを辿っています。最初は1948年の教育委員会法の制定。教育の民主化・地方分権を目指し、教育委員は公選制が採用されました。
 ただし、公選制があったことで、教育委員会に地域における政治的確執が持ち込まれます。結果として自治体首長と教育委員会から別々の予算案が出されるといった事態も起きました。そこで公選制をやめ、委員は首長が議会の同意をえて任命することに変更。また人事権を市町村から都道府県に移すといった地教行法(「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」)が、1956年に制定されます。分権から集権へと戻ったわけです。

■教育委員会の廃止を目指す
 その後、地方分権の議論が90年代に進んだことで、1999年には地方分権一括法が成立。その流れをうけて、2000年に地教行法改正。市教委に県教委が指示することが廃止されたり、首長が任命した市教育長を県教委が承認することがなくなります。市町村による教育の分権が進んだわけです。
 民主党の教育改革もこの流れを受けています。下記資料の2にあるように、「教育委員会の廃止」「学校運営のために"学校理事会"を設置」「学校理事会は、保護者、住民、教育からなる」といった内容を提言。地方分権に加えて、住民による教育ガバナンスを進めることとしました。
http://www1.dpj.or.jp/news/files/nchoukoku.pdf
 
■地域と学校連携が求められる4つの理由
 同時に、地域と学校の連携がますます必要になっている状況もあります。田原氏によれば、その理由は4つ。
 1.地域社会の共同体の結びつきが弱まる
 2.「知の循環型社会」の構築という生涯学習の理念が広まる
 3.自助、互助、公助による「新しい公共」という考えが広まる
 4.学校教育における学力観の多様化
 文科省トップダウンの教育では十分ではなく、多様な関係者を巻き込んだ学習が必要になってきた。それは行政だけでは担えず、再び形成される地域コミュニティが支える必要がある、ということでしょう。

■なぜ復興教育が重要なのか
 さて被災地での教育に戻ります。従来型の教育を行えば、地元産業が破壊された以上、現地の優秀な若者ほど、東京に出てしまうでしょう。中高生自身は「街を再建させたい」との思いを持っているわけで、地域を維持発展するための新しい学力観が求められています。また、津波と原発によって、被災地のコミュニティも壊されました。教育は、共同体の再建と併行して進めていく必要があるわけです。地域を新しい形でつなぎなおす。その上で、求められる地域教育を支援する。それが東北に求められているし、また日本全国でも必要とされているわけです。
 
■コミュニティ形成と教育支援をダブルで担う
 RCFでは、被災五地域(大槌町、大船渡市、石巻市、相馬市、いわき市)にて、新日本有限責任監査法人様のご支援のもと、日本フィランソロピー協会様と共に教育リサーチを進めてまいりました(http://rcf311.com/2012/03/25/120305education_houkoku_final/ )。そこで見えてきたのは、まさにコミュニティ再建と共に教育が必要である様子。ほとんどの各市の教育長の方も、地域の協力がなければ、必要な教育は提供できないと明言されていました。カタリバによる女川向学館、大槌臨学舎での放課後スクールも、地域全体で教育環境を支える必要があるとの理念ですすめられています。
 今後は、被災市町村において、旧市町村(中学校区)単位ごとにコミュニティをむずひ直すことをRCFの主軸として活動していきます。コミュニティを一つの方向性にベクトル合わせするためにも、教育は大きな大きな役割を果たすと確信しています。(3月25日)
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2012年03月24日

ETICによる、社会起業支援の10年間

 日本における社会起業家の広がりを考える上で、NPO法人ETIC.の存在を無視するわけにはいきません。方法論も10年で進化を続けています。最新のプログラム「ソーシャルビジネスエコシステム創出プロジェクト」が、昨日区切りを迎えました。その様子を少しご紹介させて頂きながら、社会起業家とETICの今をご理解頂きたいと思います。

■STYLE(2002〜2007)
 ETICが社会起業家輩出に向けて動き出したのは、「STYLE」からでした。日本初の社会起業向けのビジネスプランコンテストであり、その開始は2002年。井上英之さんが総合プロデューサー。コンペの期間中に、メンターがフォローしながら、起業家が成長するというモデルを創りだしたのが特徴です。
http://www.etic.or.jp/style/
2002年に(社)AIAの木下斉さん、2003年はかものはしプロジェクトの村田早耶香さんが優秀賞です。現在はもう実施されていませんが、NPO法人ISLによる社会イノベーター公志園に、その方法論が受け継がれています。
http://koshien-online.jp/

■社会起業塾(2002〜継続)
 STYLEと同時期に、ETICが開始し始めたのは社会起業塾。STYLEがスタートアップ対象であるのに対し、こちらはアーリーステージ(事業開始済)を支援。半年間の合宿、コーチング等を通じて事業計画立案や組織基盤整備を図りました。NECさんが最初から協賛。また2010年度からは横浜市・花王さんも参画。企業・行政・NPOによる協働事業としても意義あるプログラムです。フローレンス、NEWVERY、カタリバ、ケアプロ、最近で言えばHASUNA、シュアール、クロスフィールズと、メディアで話題になる社会起業家はほぼここの出身です。
http://www.etic.or.jp/svip/

■チャレンジ・コミュニティ・プロジェクト(2004〜)、東海若手起業塾(2008〜)
 上記二つは、比較的東京でのムーブメントを支えていましたが、2004年からETICは、日本全国での社会起業家輩出に乗り出し始めています。経済産業省の予算を活用。ETICが持つ社会起業家輩出・インターンノウハウを移転し、地域課題解決・プロデュースできる団体の輩出を試みました。 http://www.challenge-community.jp/ 現在も続いており、結果として20以上の地域団体(通称チャレンジ・プロデューサー)が継続しています。 http://www.challenge-community.jp/producer.html
 また、この事業を土台として、東海地域での社会起業家を輩出を目指す「東海若手起業塾」が、ブラザー工業さんの協賛を得て2008年から開始。今も継続しています。 http://www.tokai-entre.jp/
 余談ですが、2003年頃、私はマッキンゼーに行きながら社会起業塾の支援をしていました。その後このプロジェクトが開始されることが決まり、ETICにコミットするために会社を辞めています。今思えば、自分がNPO/社会起業セクターに関与し始めたのは、絶妙なタイミングでした。

■ソーシャルビジネスエコシステム創出プロジェクト(2010〜2012)
 「インターン」「社会起業家」「地域」といった、国内若者支援に向けて培われてきた、ETICノウハウの全てを結集して実施された事業がこちらです。起業支援100名、インターン1400名、プロボノ120名育成することを二年間の目標として、国内社会起業の発展を目指して取り組まれました。 http://socialbusiness.etic.jp/about.html
 一言で言えない多様な成果が生まれていますが、私がディレクターとして関与したプロボノ支援の枠組(ソーシャルアジェンダラボ)についてご紹介しておきましょう。 http://www.social-agenda.jp/
このプログラムは、「ビジネスセクターとソーシャルセクターの連携」「社会課題の可視化」が狙いです。ビジネスマンがプロボノとして社会起業家をサポート。解決を図る社会課題の現状と課題を整理していきました。二年間で180人のプロボノが、50事業を支援。ウェブに掲載されているように、多様な社会課題を定量化し、求められる事業モデルの提言が実現しました。
 成果例を挙げます。「休眠預金」を社会還元できないかと話題になっています。本日も「休眠口座国民会議」発足シンポジウムが実施されました。この流れを生んだ一つは、フローレンス駒崎さん依頼で行われたリサーチでした。詳しくは下記にまとめてありますが、英語・韓国語堪能なメンバーが集い、短期間で各国の休眠口座活用状況がとりまとめられ、政府委員会にも資料が提出されました。
http://socialbusiness.etic.jp/archives/1265

■つなプロ(2011)、震災復興リーダー支援プロジェクト(2011〜)
 ETICの活動は東日本大震災にも貢献しました。3.11後すぐにつなプロ(被災者をNPOとつないで支える合同プロジェクト)に構成団体として参画( http://www.hnpo.comsapo.net/portal/tsuna-pro/portal.index )現地主要メンバーや、インターン経験者等からボランティアを多数派遣しています。その後は震災復興リーダー支援プロジェクト、いわゆる「右腕派遣プロジェクト」を設立。ここまでに80人以上の人材を東北に派遣し、現地復興事業に大きく貢献しています( http://www.etic.or.jp/recoveryleaders/ )。
 また、2012年度は復興支援をさらに広げます。内閣府が進める事業を活用し、年間で50事業創出、インターンシップを通じて300人の人材育成を行う計画になっています( http://fukkou.chiikisyakai-koyou.jp/ )。昨日のブログでもご紹介したように、東北ではあらゆるセクターで人材が求められているわけですが、ETICはここでも大きな貢献を果たすことでしょう。

■ETIC三人の経営陣
 ETICのディレクターは三名。代表の宮城治男さんを筆頭に、事務局は鈴木敦子さん、事業統括は山内幸治さんが担っています。この組み合わせが何とも絶妙。上記の取組みも、宮城さんが種をみつけ、山内さんが事業として取りまとめ、敦子さんが組織を固める。個々の事業は、おおくの優秀なマネジャーが推進されています。私自身も上記の多くの事業にかかわらせていただき、主に山内さんのディスカッションパートナーとして支援を続けてきました。
 この10年間、ETICおよび国内社会起業家の発展に、微力ながら関わらせて頂けたことに、感謝しています。同時に、今年以降もつづく震災復興の支援、ひいては日本における多様な社会課題に、ETICはじめ我々世代は直接コミットする時期にきています。事業推進だけではなく、これからは責任を担う機会も増えてくる。そんな思いを新たにした、ETICでの夜でした。(3月24日)
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2012年03月23日

復興人材を育てる3つのポイント


■コーディネイトできる人材が、東北に不足
 被災地における大きな課題の一つは、「人材育成」です。行政、企業、NPOの全セクターで軒並み人が足りません。
 どんな人が足りないかといえば、「コーディネイト」「企画」「推進」「マネジメント」ができるプロフェッショナル人材です。行政でいえば、被災地の課題を理解し、復興庁や県との調整を素早く推進できる人物が求められます。企業でいえば、経営計画を立案しつつ、金融機関、行政、他事業者などとの調整を進めること。NPOも、被災者の声に耳を傾けながら、行政や財団と連携して課題解決に当たることが必要になります。
 そうした人材を供給している好事例はETICです。この一年間で、既に70人の有意な人材を東北に送り込めています。
http://michinokushigoto.jp/project
 もちろん人数は十分ではありません。また全国から紹介し続けるのも限界があります。今後は、沿岸被災地内、少なくとも被災県内で人材育成を図ることが課題となります。

■90年代の地方人材育成を参考にする〜関先生の著作より
 地方における人材育成の参考にするために、今回とりあげるのは、関満博先生による『地域産業振興の人材育成塾』(2007、新評論)です。1985年のプラザ合意を境に、円高ドル安が加速。日本の輸出産業の競争力は失われていきます。そのため、83年に10万あった国内工場は、2003年には5万を割り込みます。企業の廃業数が、新規創業数を上回り始めるのも80年代後半から。この傾向は今に続きます。
http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/h20/h20/html/k3120000.html
 さてそうした背景の中、90年代からは地方都市では、後継者育成のための様々な取り組みが開始されます。地方銀行、市町村などによる13の具体ケースを紹介し、そのポイントを整理したのが本著です。東北でいえば、北上市「一石塾」と、宮古市「モノづくりのできる人づくり・寺子屋」の事例が紹介されています。

■現場主義と地域単位
 本文の中では、そうした人材育成塾が成功するためのポイントが整理されています。
 ―――――――――――――――
  1.指導者、事務局が常に「彼らに関心を抱き続ける」こと。
  2.世の中の「先端」を実感させること。リアルな現場が望ましい
  3.指導する側が、常に先端の現場に身を起き続けること。
 ――――――――――――――― 
 一般的な研修とは異なり、継続性×現場主義での人材育成が求められるということですね。
 宮古市の事例もあげます。モノづくりのための寺子屋構想は、地場企業の経営者であった田鎖氏が提案したものでした。彼の言葉を引用します。
 ――――――――――――――― 
 1.地域に、ものづくりができる人を作ることが必要
 2.自社だけでなく、地域全体の他社の従業員も一緒に育てる
 3.企業が従業員に教えたいことを選び、必要なプログラムを自ら作る
 4.費用は企業が負担する。行政はこれをやれる仕組みを作る
 ―――――――――――――――
 現場重視に加えて、「事業者単位」→「地域単位」。「行政負担」→「民間負担」といった観点が参考になります。

■復興人材開発のための3つのポイント
 さてまとめます。復興のために、被災地に求められる人材開発のポイントとは何か。
 1.個別ではなく、地域全体で人材育成を考えること。例えば岩手県におけるNPO人材開発をテーマとして、合同で研修を実施する必要があります。いわて連携復興センターの葛巻事務局長の問題意識と重なります。
 2.今すぐもとめられるニーズに即したプログラムを作り、現場を熟知した講師陣が実施すること。例えば、企業や行政と対等に協働できる力が求められます。現役のビジネスマンや行政職員が講師になるのも良いでしょう。あるいは、現地にコミットしている復興リーダーも、講師として適任です。
 3.継続できるプログラムとすること。可能な限り、参加する団体が負担する仕組みとします。また事務局は研修課題を深く理解し、数年先を見通して研修をデザインするべきです。被災地復興の勢いが続くのはこれから三年となります。たとえば岩手県でいえば、2015年末の段階での必要なNPO人材の数と質を見極め、そのためのメニューとその財源を検討する必要があるわけです。

■2000名の人材育成政策が開始
 最後に一つ、2012年度に行われる復興支援政策を紹介します。 
「復興支援型地域社会雇用創造事業」
http://fukkou.chiikisyakai-koyou.jp/outline/
 この取り組みでは、2012年度だけで2,000名の社会的人材育成支援が行われます。六週間以上の研修に対して、一定の要件をみたせば月10万円の活動支援が行われることになります。こうしたプログラムを上手に活用し、3年後の東北を担う人材育成が図られる必要があります。(実施事業者は3月6日段階で公表されています。詳細は下記にあります。上記ホームページにも、4月上旬には詳細が掲載されますから、皆さんぜひ注目下さい)
http://fukkou.chiikisyakai-koyou.jp/pdf/20120308/PDF1.pdf
(3月23日)

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2012年03月21日

原発問題は、事実を見つめない我々自身にある〜ZDF「福島のうそ」と菅直人氏

 ドイツの公共放送局によるドキュメンタリー「福島のウソ」がネット上で話題になっています。菅直人前首相や東京電力へのインタビューも含まれており、たしかに必見です。(30分番組ですから今晩にでもどうぞ)
http://www.dailymotion.com/video/xpisys_yyyzdf-yyyyyyy_news
 また、本日アップされた日経ビジネスオンラインの記事「前首相、3・11の真相を語る」でも、一国の首相にさえ情報が伝わらない様が語られています。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20120316/229865/?bv_ru&rt=nocnt
 これらを見て、多くの人は、電力会社・政府・学者から構成される"原子力村"に嫌悪感を催したことでしょう。私もそうです。
 しかし、問題は別にあるのではないでしょうか。原発問題が感情の問題になっていて、事実関係にいつまでも注目が及んでいない点に、事の本質があると私は考えます。

■菅首相に対して論理的に批判できていたか

菅首相は、記事の中で次のように語っています。
 首相在任中、よく「延命」や「思いつき」と批判されました。ただ、国民は、政策立案の過程はどうであれ、出てきたものの内容で判断してほしい。誤解を恐れずに言えば、国民のためになれば、思いつきであるなしは問題ではない。浜岡原発の停止を中部電力に要請した時も「人気取り」と批判されました。ストレステストの導入もそうです。「ではストレステストはせずに、原発再稼働を原子力保安院に単独で決めてもらっていいですか」と問い返したら、「それでいい」という答えになったでしょうか。従来の法律で保安院が決定することになっていても、国民が納得するはずがない。もっと中身を見て、判断してほしかった。『前首相、3.11の真相を語る』(日経ビジネス)

 「延命」「思いつき」とは、個人の感情を示しているのであって、論理の言葉ではありません。政策的結論に対して、論理的な正否を我々は意識できていたでしょうか。菅氏は、「浜岡原発を停止するか否か」に対して、「今後、30年以内にマグニチュード8程度の東海地震が発生する可能性が87%ある」との文科省データと、原発の地震・津波対策が十分ないことを停止要請理由に挙げていました。東海地震の発生確率が高いことを否定する人は当然いません。さらに中部電力側の対策が十分だから停止が必要ないとの意見は見当たりません。「菅首相は独断的」「人気取りでやっている」「エネルギー不足はどうするのか」等と、論点がずれた議論ばかりだったように思います。

■政府や東電とも協働できるか

 菅前首相の擁護をしたいわけではありません。我々自身が、「誰が言ったか」「結論ありき」「事実を確かめない判断」などをしていないか、もう一度考え直したいわけです。
 さて、もう一度冒頭のビデオの話に戻ります。ドイツ放送局は、万が一再び大きな震災が起きた時に、津波がなかったとしても、四号機が崩壊する可能性がある。その場合、3月15日以上の大量の放射線が放出されるリスクを問題提起しています。我々がすべきは、事実を見つめ直すことです。情報が入らない、信用ができないならば、事実を入手・分析・整理する方々を全力で応援しないといけません。政府や東電にも、そうした事実を捉えようと努力している人は必ずいます。立場を超えて彼らと協調する必要があると考えます。
 問題は政府や東電にあるわけではなく、事実を捉えようとせずに問題を感情的に扱い続ける、我々の心にあるといえないでしょうか。(3月21日)
posted by 藤沢烈 at 08:53| Comment(1) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月17日

【採用】プロデューサー追加募集!復興支援プロデューサーになりませんか? 8月20日、RCF災害支援チーム活動報告会・採用説明会開催。

プロデューサー再度募集です!


○●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓

復興支援プロデューサーを募集致します。
RCF災害支援チーム 8月20日(土)11〜12時に活動報告・採用説明会開催

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
震災から5か月以上経過した現在も、NPO/NGO、ボランティア、政府、自治体などが、
文字通り総力を挙げて被災者支援活動を展開されています。
しかしながら、被害の甚大さに比べていまだNPO・行政の動きが局所的になっている
側面もあります。またボランティアが減りつつあり、注げる人的・資金的リソースは
日に日に細くなっています。
今、必要なのは、各分野での徹底した調査・アセスメントと、その情報と分析に基づく
プログラム検討。そして優先順位をもった資源配分です。
RCF災害支援チームでは、震災直後より、復旧・復興に寄与するため、個別のニーズ
に応じた調査・提言活動を続けて参りました。また、企業様・財団様に対して、効果的
な支援プログラム立案も同時に行っております。
前回、7月に募集をかけた時にはたくさんの方にご参加頂き、早速3名が企業様との
協働プロジェクトの中心メンバーになっております。
そのメンバーの活躍もあり、企業様の復興支援活動も活発になりつつあります。
今後は、企業様・財団様と協働した効果的な支援プログラムを実施して参ります。
ついては、プログラム実施の中心メンバーとなってくださる方を追加募集致します。
今、復興支援活動に取り組んでいる方も、我々の活動についてご理解の上、
ご参加して頂きたい次第です。
また、同時にこれまでのRCF災害支援チームの活動報告会も開催させて頂きます。
いま被災地が求めていることを知りたい方、被災地支援の最前線に立ちたい高い志を
持つ方は、是非ともご参加下さい。
●活動報告・説明会 実施概要
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
□日 時:8/20(土) 11:00〜12:00 (10:45開場)
□場 所:日本財団CANPANセンター会議室
〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-15-16海洋船舶ビル8階
http://canpan.info/information/
※休日となるため正面玄関からは入れません。ビル左横の駐車場からお入りください。
□参加費:無 料
□対 象:どなたでも可
後述のプロデューサー希望の方だけでなく、
復興支援の最前線の状況に関心がある方はぜひご参加下さい。
□内 容:
1)RCF災害支援チームの取組み紹介
2)復旧復興支援プロデューサー採用の説明
3)質疑応答・個別相談・名刺交換 など
□申込方法:プロデューサー参画希望の方は、文末のフォーマットに記載の上、お申込下さい。
申込無しでのご参加も可能ですが、席が確保できない場合がございますので、ご了承ください。
●復興支援プロデューサー募集要項
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
■業務内容
・被災地の現状把握に向けた情報収集業務(情報ソースは各市町村、現地活動NPO等)
・情報発信業務(収集データの分析、レポート作成等)
・復興に向けた企画業務(企画書の作成、資金調達、被災地での折衝等)
・その他各種資料作成及びマネジメント等
■参加頂く意義
・マクロ(政府/企業/財団による支援施策)からミクロ(現地NPO)両面で、震災復旧・
復興に貢献
・リサーチ、レポート作成、プロジェクトマネジメント、問題解決などのスキル
獲得と実践
■ウェブサイト(過去のアウトプット掲載)
http://rcf311.com/
■これまでの支援先・講演先等
日本財団、つなプロ、せんだい・みやぎNPOセンター、いわて連携復興センター、
ハタチ基金、株式会社リクルート、キリンビール株式会社、日本フィランソロピー協会、
NPO法人ETIC.、ケアプロ株式会社 等
■募集対象 40歳未満の方(社会人・学生可)
東北復興にむけて、プロジェクトの成功にコミットする覚悟のある方
困難を越えてプロジェクトの成果に貢献する意思の強い方
■期間・頻度 週4日・30時間以上・6ヶ月以上(1ヶ月の試用期間有り)、
平日昼間に活動できる方優先
※勤務中の方は、9月中は試用期間として業務時間外にお手伝い頂き、正式に
関わるかを10月までに決めて頂く事も可能です。
■活動支援金 要相談。勤務日数、経験等により月5〜20万円前後。別途交通費
実費支給
■必要な備品 PC(PCの貸与はありません。無線LAN付きでお願いします)
■応募締切 8月19日(金)12:00
■採用までの流れ
・8月20日(土)11:00~12:00 活動報告会・採用説明会
・8月25日(木)12:00 面接応募締切
(履歴書をメールにてご送付ください。説明会に参加されていない方も応募可能です)
・8月27日(土)、29日(月) 面接
■代表者紹介
藤沢烈
RCF災害支援チーム代表。内閣官房震災ボランティア連携室非常勤室員。
一橋大学卒業後、飲食店経営、外資系コンサルティング会社を経て独立。
ベンチャー企業向けコンサルタントとして活動。創業前の若者に1億円投資する
スキームを企画運営し、話題を呼ぶ。
「雇われ経営参謀」として500人以上の経営・企業相談を受けてきた。
NPO法人ETIC.フェロー、NPO法人ISLフェロー、BEAT(ベネッセ先端教育技術学
講座)フェロー、総務省ICT地域活性化懇談会構成員など
Twitter: @retz
●申込フォーマット
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
申し込みの際は以下の項目をご記入頂き、info[at]rcf311.com
([at]を@に変換下さい) までご連絡ください。
件名は【活動報告・採用説明会参加申し込み】とお書きください。
■名前
■フリガナ
■会社名/部署名(大学名/学部名)
■社会人+インターン経験年数
■PCメールアドレス(半角)
■携帯電話番号
■Twitterアカウント名
■Facebookアカウント名
■活動報告・説明会参加への動機
■プロジェクト参画への想い
(※プロデューサー参画を希望されない方は、お名前のみで結構です)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●●
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2011年05月19日

[013]仮設住宅の市町村別進捗(5月18日時点)


 5月21日時点で仮設住宅の累計完成戸数が12000を超えます。また、今後も毎週数千単位で完成数が増え、8月末までには7万戸を超える見通しです。(参照→『応急仮設住宅の完成見通し等についてー国土交通省』http://www.mlit.go.jp/common/000144616.pdf)
 仮設住宅支援では、入居前が実は重要。入居者同士が事前にコミュニケーションを図っていないと、お互いの関係づくりが進まず、結果として孤立化や孤独死を増加させてしまいます(阪神大震災でも発災後10年で560名の孤独死が生じました)。入居者全員が事前交流する催しの実施などが、孤独を防ぐ鍵となります。
 しかし、まだまだ避難所への物資・サービス提供が注目されていて、残念ながら仮設住宅でのコミュニティ支援には目が向けられていない現状があります。まずは本資料をベースに、いかなる支援がどこに必要かを、ぜひかんがえてみて頂ければと思います。

■要旨
・岩手。建設順調な釜石市、大船渡市などでコミュニティ促進支援が急務
・宮城。石巻市は入居時のコミュニティ促進支援と共に、二次避難の検討が必要
・福島。原発避難市町村民の入居支援が急務

※  本資料は、丸山さんに取りまとめて頂きました。毎度ありがとうございます!
※※ 「スライドシェア」ですが、右下のボタンでフルスクリーン表示となります。また左上の文字列をクリックするとスライドシェアHPにいきますが、その頁の上部にある「Download」をクリックすることで、PDFファイルをダウンロード入手することができます。


posted by 藤沢烈 at 18:26| Comment(0) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月18日

[震災012]被災地における小中高生キャリアと学習環境



 被災地において小中高生がいかなる進路を歩んでいるか。また塾・予備校の被災状況についてのリサーチ内容をアップします! 今回はハタチ基金さんからの依頼にもとづき、当団体の3名のスタッフが調査を実施。私は統括させて頂きました。
 「リサーチスタッフの派遣」「リサーチ内容の一般公開」「ベストエフォート」という前提で、震災関連調査については無償で実施させて頂いております。関心ある方は御連絡下さいませ! (twitter: @retz)


■要旨
• 被災地では小中学生への学習支援、高校生の進学支援がまず求められる
• 南三陸町など沿岸部では、高校生への就職支援の支援需要も大きい
• 石巻市の通塾者数は約4,000人
• 石巻市の塾・予備校は9割近く被災
• 石巻市で営業中の塾・予備校は、67中15〜22程度と見られる

■リサーチパートナー
ハタチ基金 http://www.hatachikikin.com/


※  本資料の整理は、ハタチ基金の以来を受け、同団体の横井さん・伴地さん・長谷川さんと作業を進めました。皆さん、改めてありがとうございました!
※※ 「スライドシェア」ですが、右下のボタンでフルスクリーン表示となります。また左上の文字列をクリックするとスライドシェアHPにいきますが、その頁の上部にある「Download」をクリックすることで、PDFファイルをダウンロード入手することができます。
posted by 藤沢烈 at 19:18| Comment(0) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月10日

[震災011]被災地ライフラインの現状(5月10日時点)


・5月9日に発表された厚生労働省のデータをもとに、被災における断水・停電状態を整理しました。
・断水被害が生じている戸数はピーク時の160万戸超から、約7.2万戸まで減少。但し、震災発生後3週間は復旧が順調に進んだものの、4月下旬以降は変化が限られており、7万戸近くは中長期に断水が続く可能性も考えられます。
・岩手県では、陸前高田市、田野畑村では以前として90%以上が断水状態。岩手県全体で22,557世帯が断水世帯にあります。
・宮城県では、南三陸町で99%、女川町では67%が断水状態。宮城県全体で42,907世帯が断水状態です。
・福島県では、広野町で78%が断水。福島県全体で6,606世帯が断水状態です。

データは、Google Document上にもアップしました。→「http://bit.ly/sinsai3
こちらは誰でも編集可能です。最新データを更新できる方は、ぜひページを直接修正頂ければと思います。

※  本資料の整理は、山田学さん・丸山さんにお手伝い頂きました。有難うございます!
※※ 「スライドシェア」ですが、右下のボタンでフルスクリーン表示となります。また左上の文字列をクリックするとスライドシェアHPにいきますが、その頁の上部にある「Download」をクリックすることで、PDFファイルをダウンロード入手することができます。

posted by 藤沢烈 at 23:13| Comment(0) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月08日

[震災]釜石市の仮設住宅・避難所概況(5月7日)


本日四つ目。釜石市における仮設住宅・避難所の概要となります。5月中には1500戸、6月中には2000戸以上の仮設住宅が完成する見通しです。

※  本資料の整理は、後藤さんにお手伝い頂きました。有難うございます!
※※ 「スライドシェア」ですが、右下のボタンでフルスクリーン表示となります。また左上の文字列をクリックするとスライドシェアHPにいきますが、その頁の上部にある「Download」をクリックすることで、PDFファイルをダウンロード入手することができます。
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[震災]陸前高田市の仮設住宅・避難所の状況(5月7日)


陸前高田市の仮設住宅・主要避難所の概要です。仮設住宅は、高田地区・米崎地区で建設が進捗しています。

※ 「スライドシェア」ですが、右下のボタンでフルスクリーン表示となります。また左上の文字列をクリックするとスライドシェアHPにいきますが、その頁の上部にある「Download」をクリックすることで、PDFファイルをダウンロード入手することができます。
posted by 藤沢烈 at 18:13| Comment(0) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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