2016年05月22日

社会変化の中心に座りつつあるAI〜『東大准教授に教わる「人工知能って、そんなことまでできるんですか?」』(松尾豊・塩野誠, 2014),1694旅

『自動運転の場合、どの道をどう通るかを決めるのは、それほど難しくはありません。そこは普通のカーナビがやっているような処理ですから。もっとも難度が高いのは状況の認識です』p7
『地球派はやはり人間が大事、人間が人工知能を使っていこうという立場。宇宙派のほうは、そもそも人間は人工知能を作るためにあったのだとする説をとる立場です』p43

 人工知能研究者の松尾先生と、経営競争基盤の塩野誠さんの対談。人工知能を切り口として、日本社会がいかに変化していくかが掘り下げられている。
 松尾豊先生からは、画像認識においてコンピューターは人間を越え始めていて、そのことで人工知能がここ50年の中で一挙に発展してきたのだと聞いた。NewsPicksでは今日から第4次産業革命に関しての特集がはじまったが、その中で経営競争基盤の冨山CEOは40代、50代の半数の仕事がなくなる、と予測している。政府も経済産業省中心に続々と施策に盛り込み始めている。私個人としては、東北や熊本といった被災地域において、技術を基礎とした新しい産業が生まれるのかどうか。また2020年小委員会の関連で、働き方の未来と社会保障の関係について、考え続けていく。

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2016年05月20日

人工知能の光と陰〜『人工知能と産業・社会』(山際大志郎,2015),1693旅

『グーグルは、スタンフォード大学からニューラル・ネットワークという機械学習を専門とするアンドリュー・ング教授をグーグルXという先端研究所に招き入れ、人工知能に『猫』の顔の概念を教え込むことに成功した』p5
『ドワンゴの人工知能研究所が発足したのは2014年10月、リクルートの「Recruit Institute of Technology」が人工知能の研究所として再編されたのが2015年2月、つながる工場を実現するための標準作りを行うIVIが設立されたのが2015年6月と、短期間のうちに人工知能に関する研究機関や協議会が設立されている』p179

 前の経産省副大臣である山際代議士による、人工知能についての基本書。AIについては、松尾豊先生から直接話しを伺える機会がある。特に画像認識技術でブレイクスルーが起きたことで、可能性が拡大したとのこと。その契機は、本書でも取り上げられているグーグルXの人工知能チームによる「猫の解析」であった。
 人工知能に対して政府も力を入れ始めているが、民間の動きもスピーディだ。自動運転車がタクシードライバーの雇用を奪うように、人口知能による社会変化の可能性もまた大きなものがある。変化がもたらす社会課題への対応もまた、準備を進めておく必要がある。

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2016年05月19日

副業は市民権を得るか〜『これだけは知っておきたい『副業』の基本と常識』(大山滋郎,2014), 1692旅

「『副業者の就労に関する調査』によると、『副業をしている人』の割合は8.1%となっています」p4
「ほとんどの会社は就業規則で副業を禁止しています。ただし、憲法では職業選択の自由が定められており、労働関連の法律では副業に関する規定はありません」p26
「国家公務員法第103条および第104条、地方公務員法第38条により、公務員の副業は禁じられています。ただし、例外も認められています。国家公務員は内閣総理大臣および所轄庁の長の許可を得た場合に、地方公務員は任命権者(地方公共団体の長など)の許可を得た場合に、副業が認められます」p28

 ロート製薬さんが副業OKにしたことが話題になった。リクルート、ヤフー、サイバーエージェント等は副業OKだが、そうした会社は実は稀だ。副業をしている人は8.1%だが、その多くは会社に黙ってやっている。
 ロート製薬の山田会長の話を伺って、副業以上に感銘を受けたのは、「70才の新人が最近いる」ということだった。一億総活躍プランでも、65才以上の定年延長をする企業に補助をするという。山田会長は実はこのことに反対していた。定年延長では、既存の社員がキャリアを変えずに残ってしまうことになる。社員には副業もふくめてキャリアの見直しをし続けてほしい。しかしそれはシニアが働くことを否定しているのではない。会社の新しいチャレンジに必要な人材は年齢を問わず(70才でも)受け入れるというのだ。このことは、リクルートの大久保所長も同意見だった。
 おそらく、これまでの副業は周囲に黙って、小遣い稼ぎのために行う行為だった。副業は市民権を得て、個人が新しいキャリアを手にし、また企業にとっても新しい人材を集めるための手法となるのだろうか。

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2016年05月18日

次のキャリアに備えること〜『あと20年でなくなる50の仕事』(水野操, 2015年), 1691旅

「オズボーン准教授と共著者のフライ研究員は、702の職種について、各仕事に要求される能力とそれらの自動化の可能性をコンピュータに計算させた。アメリカにおける仕事の47%の雇用がコンピュータ化によって奪われるという結果だったのだ」p40
「教育界全体には、二つの流れが見える。一つは教育コストの高騰。そしてもう一つが、世界の優れた授業が無料で受講できるようになってきているという点だ」p156

 タクシードライバー、弁護士、営業マン、中間管理職。あと20年でなくなると予測される仕事だ。人工知能(AI)によって、コンピュータが人間に代わって判断を行うようになるためである。今日は某人材会社の役員の方とお会いしてきたが、こうした労働の変化に強く関心を持たれていた。また「2020年小委員会」が今日は開催されたが、ロート製薬の山田会長や山口揚平さんも、そうした働き方の変化について語られていた。
 仕事の変化によって、大きく変わることに教育がある。二十歳までの教育で70才までの半世紀を働くわけにはいかず、何度か「学び直し」を行う必要があるからだ。昨今の、オンライン教育のイノベーションも、そうした流れに拍車をかける。一億総活躍の議論にもあるように、日本人の働き方は勤務時間短縮の方向に進む。その分、空いた時間を使って、ある時期は子育てを行い、ある時期は勉強や副業を通じて次のキャリアに向けて備えることが必要になる。

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2016年05月17日

50才で人は仕事を変えることができるか〜『ジェネレーションフリーの社会』(北岡孝義,2015),1690旅

「2012年2月、穏健党のラインフェルト首相は、年金支給開始年齢の75才引き上げに言及した。首相のこの発言には、国民が納得しなかっただけではなく、マスコミ、野党も一斉に反発した」p75
「ラインフェルトの提案は、そうした既存の枠組みを変革しようと訴えている。そのひとつが『人生二毛作』という考え方だ。これは、『人生を二つの期に分けて、職業を変えよう』という提案である。20歳から40歳代後半を第一期、50才から75才を第二期とするワークライフが一般的となるような社会を提案している」p103

「2020年小委員会」でも議論されている、定年という障壁をなくして新しい働き方を生み出そうとする流れに近い一冊。しかし、働き方を変えるのは簡単ではない。スウェーデンでは、ラインフェルト首相が2012年に「人生を二つの期に分けよう」という、柳川先生の40才定年論に近い考えを示したが、同時に年金支給開始年齢の引き上げに言及したことで政権交代が引き起こされてしまった。しかし、企業自体の寿命が25年にまで短くなってきた時代である。新卒で働いた会社で勤め上げることはできない。私も40才だが、その頃には今までのやり方を捨てて、時代にあったキャリアを再設定する必要がある。

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2016年05月14日

先回りして働き場を変える〜『潜在ワーカーが日本を豊かにする』(武井繁, 2015), 1689旅

「株式会社クロスカンパニーのように、短時間正社員という新しい雇用形態を提案する企業も出てきている。ユニクロを展開する株式会社ファーストリテイリングでは、地域正社員という雇用形態もある。個人の希望や意思に合わせて柔軟な条件を提供するからこその『フレックス雇用』なのである」p3
「2015年の日本の生産年齢人口は6590万人。それに対し、実際に働いている人口は約5000万人だ。つまり、生産年齢人口のうち1500万人以上は、働き盛りであるにもかかわらず、何らかの理由で働いていない状態となっている」p30
「日本には、2014年末時点で約212万人の在留外国人がいる。出身国上位の内訳は、中国が30.9%でもっとも多く、次いで韓国・朝鮮(23.6%)、フィリピン(10.3%)、ブラジル(8.3%)となっている。しかし、在留外国人のうち、すでに就業しているのはわずか三割強の約72万人にすぎない」p31

 潜在ワーカーとは「主婦」「シニア」「外国人」のこと。人口減少が進む日本では、間違いなく働き手として注目される。潜在ワーカーを活かせない企業であれば、発展は難しいということだろう。時短であっても、日本の風習に慣れていないとしても、働けるような環境を先回りして用意する必要がある。RCFも65人のスタッフのうち、半数以上が女性。ますます働きやすい仕事場を用意しないと、と思う。

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2016年05月13日

精神論ではなくて環境を用意する〜『女性が活躍する社会』(大久保幸夫・石原直子), 1688旅

「1995年に国連で『ナイロビ将来戦略勧告』が採択されて、指導的地位に就く女性の割合を30%にまで増やすことが宣言されてから、多くの国が着実に対応していったのですが、日本はあまり変わりませんでした」p4
「女性を本気でリーダーにしたいのなら、メンタリングだけでは不十分。その人の評判を周囲に広め、登用や任用の意思決定の場で影響力を発揮できる人をスポンサーにしなくてはいけない、というのが欧州企業のダイバーシティ担当者が、口をそろえて話してくれたことでした」p46
「欧米企業のジェンダー・ダイバーシティに関する課題は『ウィメン・リーダーシップ・パイプラインをいかに構築するか』にほとんど集約されていると言っても過言ではありません」p152

 こちらも大久保幸夫さんによる、女性が社会で活躍するためのあり方が描かれた一冊だ。各国で女性リーダーが生まれる中、日本ではこの20年間変化が見られない。その原因として、影響力あるスポンサーの必要性や、一人を育てるのではなく一挙に複数の女性をサポートするパイプラインの考えが必要であるとの説明がある。
 女性に限らず、地方でも(例えば熊本で)リーダーを増やすことが何しろ重要。その時にも、精神論ではなくて、リーダーが増えるための環境を用意することが重要なのだと気づかれる。

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2016年05月12日

15年たっても変わらない雇用事情と変わったこと〜『日本の雇用 ほんとうは何が問題なのか』(大久保幸夫),1687旅

「1991年に19.8%だった非正規社員の比率は、1995年を境に上昇しはじめ、2000年には26.0%、2003年にはついに30.4%と3割の大台を超え、2008年には34.1%にまで達している。その数はいまや1760万人となった」p19
「いま失業者がほしがっているのは、長期に安定して働くことができる正規社員としての雇用であり、生活ができるだけの収入を保障された場である。1990年代からの非正規雇用の拡大で、不況下でも非正規の雇用ならば市場にあるのだ。わざわざ税金で作り出さなくてもよい」p52
「私が参加した政府のプロジェクトで、2025年までの日本のビジョンをつくるというものがあった。『日本21世紀ビジョン』として小泉内閣のときに発表されたが、そこでは『健康寿命80才』という内容を打ち出している」p176

 昨日に続き、大久保幸夫さんの著作から。「2020年小委員会」でも、日本21世紀ビジョンのことは触れられていて、小泉議員も「うちの父がお世話になりました」と話されていた。健康寿命80才をすでに記述されているなど、15年経っても内容は色あせないとのこと。ただし、人口知能(AI)を中心に、技術の進化によって働き方が激変しつつあることは、書き加える必要があるとも。
 非正規社員ももはや40%に。この事実を前提として、非正規社員であっても待遇が変わらなかったり、社会保障に不利な状況は作るべきではない。この点は、即刻進めていくべきだろう。

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2016年05月11日

22世紀の日本人の働き方とは〜『日本型キャリアデザインの方法』(大久保幸夫)

「『これからのキャリアをイメージできるか』と質問した調査によると、一年後については83%ができると回答していますが、三年後では63%、五年後では38%、十年後では25%になります」p28
「社会に出てしばらくの若手のキャリアを『筏下り』にたとえ、その後のキャリアを『山登り』にたとえ、筏下りから山登りへとうまく転換することで、自分自身で納得できるキャリアを過ごすことができるということをモデル化したものです」p38
「市場に出回っている求人のうち、四分の三は三十代までの採用を念頭においた求人です」p87
「35-39才の正社員の場合、転職前年収が386万で、転職一年後が393万、二年後が422万となっています。四十代では平均でほぼ変わらず、五十代では明らかに下がるようです」p89

 大学生時代から、お世話になっている大久保幸夫さんの著書。小泉進次郎議員が事務局長を務める自民党「2020年以降の経済財政構想小委員会」で私はオブザーバーを務めていますが、今日は未来の働き方を考えるためのゲスト講師として来て頂いた。
 そもそも企業の寿命は短くなっていて(平均20年強程度)、しかし働く必要がある年数も増えている。一つの会社で一生を終える時代ではなく、学び続けながら仕事を変化させていく必要がある。そのための「いかだ下り」と「山登り」という考え方は分かりやすい表現と感じる。
 日本人の働き方を考える上で、雇用、教育、社会保障など、あらゆる仕組みをリニューアルする必要がある。そのための準備を進めていきたい。

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2016年05月10日

NPOは社会変革のガイド役になれるか〜『社会をちょっと変えてみた』(駒崎弘樹・秋山訓子)(1685旅)

「まず当事者から体験をもとに活動が始まる。それは、当事者だからこそ信用と説得力を持つ。次に、マジョリティが『ちがい』を理解し、当事者の気持ちを考える。最終的には、マジョリティの側が変わらなければ、社会の変革にはならない」p68
「政党間で激しい議論になっているときに、政府の提供する場は中立ではないと言われることが多い。争点を浮き彫りにする公の議論を、自由で中立なかたちで提供できるのは民の強み」p152
「国会の終了日から逆算して、カレンダーを埋め、他の法案の日程も押さえて、NPO法を少しでも優先順位の高いところにあげなければいけない」p174

 行政を動かして社会を"ちょっと"変えてきた実例集だ。著者の駒崎弘樹さんは小規模保育事業など、社会課題解決をすすめる新しい事業をおこし、その事業を行政が採用する(パクる)ことを促すことで、一気に社会に広げることを進めてきた。他にも、復興領域で政策立案を進めてきた田村太郎さん、NPO法の生みの親である松原明さんといった先達の方法論と想いが描かれていて、参考になる。
 NPOの役割として行政の監視役になることがある。行政自体の力が弱まるなか、監視をするだけでは課題解決は進まない。行政が正しく社会課題をとらえ、解決につながる事業を進めるために、民間はそのガイドを務める必要が出てきている。そうした役割を、NPOの人間はもちろん、企業や行政の"中の人"も担う必要がでている。そうしたすべての人にとって必携となる一冊だ。


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2016年05月09日

再チャレンジ施策と学び直し〜『学び直し可能な社会と大学』(落合功, 1684旅)

「2007年4月、文部科学省から二つの支援策が提案された。一つは『社会人の学び直しニーズ対応教育推進プログラム』事業であり、もう一つは『再チャレンジのための学習支援システムの構築』事業である」p9
「人生のなかで、学び直しをする機会は大きく三つの時期があると思われる。それ、1フリーターから就職とか、再就職や転職などを考える時期、2人生の転機を考える時期、3退職後の人生の生きがいを考える時期である」p173

 第一次安倍内閣(2006-07)において、一つの仕事に失敗しても「再チャレンジ」できる社会を目指した政策が進められた(岡本全勝さんはその時の担当審議官)。この関連で、文部科学省も学び直しのための様々な取り組みを大学と行ったようだ。広島修道大学によるそうした取り組みをまとめた一冊。
 再チャレンジ施策は、第一次安倍内閣が終わると同時に消滅しているが、その課題自体は残されている。昨日のブログでは40歳定年制のことを書いたが、20才、40才、60才で学び直すということと、本著で指摘する三つの時期は完全に符合する。学び直しの場としての大学やオフライン空間のあり方について、考え続けたい。(そういえば、スタディサプリの山口社長も、社会人教育へのサービス提供を考えているようだった)

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2016年05月08日

学び直し続ける人生〜『日本成長戦略 40歳定年制』(柳川範之, 1683旅)

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熊本にて。車中泊の皆さんが、場所を取っています。(5月7日撮影)

「いま大きな問題になっているのが『社内失業者』である。雇用されているのに仕事がない人たちで、法律上の制約や公的な支援策によって解雇されずにいるケースが多く、500万人近くいると推定されている」p22
「安定していて、安心できる人生設計をするには、新卒採用のタイミングで正規雇用の正社員になるしかない。この機会を逃してしまうと、正規雇用されることはむずかしく、繰り返し非正規雇用で働くことになってしまう」p68
「不幸な年齢は国によってバラつきがあるが、世界72カ国の平均では『いちばん不幸だと感じるのは46歳のとき』なのだという」p162

 40歳定年制とは、新卒で入った企業を40歳でやめ、働き直すことで高齢まで働き続けるとの考え方だ。このことで500万人の社内失業者を活性化させたり、女性や若者の働く機会を増やすことを目指している。
 技術も社会も変化が激しい昨今、たしかに20歳までに学んだ知識だけで、その後半世紀にわたり仕事を続けることはできない。40歳、60歳といった節目節目で学び直しを行い、たとえ会社や仕事がなくなったとしても、社会で活躍できるあり方を目指す必要がある。
 個人的には、3年一つの仕事に没頭し、その後は振り返りをしつつ次に備える生き方を歩んできた。2011年の東日本大震災から5年。熊本での災害にも対応するなど(いまも熊本にいる)、忙しい日常を過ごしているけれども、自分的には学び直しのタイミングであったりもする。








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2016年05月07日

小泉総理が持ち合わせていた原理原則〜『小泉官邸秘録』(飯島勲, 1682旅)

「時代の流れを体現すると人々に信じさせ、明確なビジョンを持ってどこに進めばいいのかを明確に語れる者、変化をおそれず、厳しいことでも必要なことは国民に求められる、ある時には恐れられる者こそが真に国民の信頼を勝ちうる」p6
「事前に官僚が準備したお膳立ての上で行う従来の首脳会談のスタイルからは考えらないことだった。結果は自分の手でつかみ取る、うまくいかない場合のリスクは自分が負う、日朝関係は首脳会談以外のやり方では打開しえないのだ、という小泉総理の覚悟があったからこそ成立した会談だった」p159
「与党において猛反対された郵政民営化は言うまでもなく、道路公団民営化、患者負担の見直しを含む医療制度改革、三位一体改革など、51年続く自民党中心の政治の常識からすれば、選挙の票にならない、まさに『ノー』を突き付けられる課題ばかりであった。これらの一つ一つの課題を小泉総理の強烈なリーダーシップの下に、与党と官邸が対峙し、闘争を繰り返した。与党を敵に回した史上初めての内閣である」p320

 著者の飯島勲氏は、ご存じのとおり小泉純一郎総理の政策秘書を長らくつとめ、政権時には主席総理秘書官であった方。本著は、官邸での五年間を描いたルポだ。
 この本が伝えるメッセージは、小泉総理のリーダーシップとは何であったか。そしてのそのリーダーシップが、いかに従来の総理のそれと異なっていて、時代の転換を示したものであったかである。明確なビジョンを持ち、語り、そして貫く。調整やお膳立ては廃し、リスクを背負いながら、成果をつかむ。そうした原理(プリンシプル)があったからこそ、郵政民営化、道路公団民営化、医療制度改革などの政治成果を残すことができた。
 RCFは、行政・企業・NPOのコーディネートは本業とする非営利法人である。その立場を支える原理として、0.5歩先の社会像を描き、伝えつづけることが、何しろ大事だと考えさせられる。


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2016年03月18日

福島と岩手の復興ビジョンに関わる。(3月18日)

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岩手県庁の皆様と。

 昨日17日(木)は、福島と岩手に出張。福島県の社会福祉協議会さんと、被災した地域における地域福祉計画のビジョン策定をRCFでは担当しています。これまで南相馬市、双葉町で策定してきましたが、この半年では川内村と葛尾村を担当しています。避難状況や課題は千差万別。「原発事故への対応」と一口に言っても、地域別、もっといえばお一人お一人の状況によって支え方を変える必要があると感じています。
 岩手では、岩手県庁復興局さんと、三陸沿岸の復興のその先を見すえたビジョン作りをお手伝いしています。三陸沿岸の道路整備が進む中で、産業・観光・コミュニティといった各分野で新しい動きが生まれていることをこの一年実感しました。復興局の皆様も、この3月末をもって退任されたり、別の仕事に移られる方も少なくありません。民間団体には、行政による復興施策を次につなげていく役割もあります。
 さて、明日からのG1サミットに参加するため、沖縄に向かっています。

■お知らせ
『復興が日本を変える』(ぎょうせい)を出版→http://amzn.to/1UD3tkV
3/23水「レジリエンス社会とパートナーシップ」に登壇→http://bit.ly/1oTjyqj
NewsPicks→https://newspicks.com/user/162736/
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2016年03月17日

震災が生む物語。(3月17日)

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東京王子ロータリークラブ例会にて。

 昨日17日は東京王子ロータリークラブの例会に出てまいりました。私にとって王子は「第二の故郷」とも言うべき場所です。今から18年前の1998年に、「狐の木」という名前のレストランバーを王子に開店。そのために、1997年から2年程王子に暮らしてもいました。その間に、飛鳥山公園を舞台にした地域の祭りのオープンに関わるなど(2回目の副実行委員長でした)、地域の皆さんには大変お世話になりました。
 昨日は、地域の企業経営者の皆様に対して、復興の現状について説明。北区の皆様は、釜石にも継続的に支援をされています。そうした支援について、改めて感謝しました。
 1998年に店舗を出したのは、1995年の阪神大震災から三年後のことです(※1)。阪神高速道が倒壊している様子をテレビでみて、「実は脆い社会を支える仕事がしたい」と感じ、社会について語り合える場として王子のお店を出しています。当時出会った仲間たちと、様々な現場で仕事を一緒しています。5年前の震災は辛く厳しい事実でした。ただ、そうした困難から、生まれる物語もあります。
 さて、今日はこれから、福島と岩手に日帰りで伺います。

※1 震災から三年経つとできる店
http://retz.seesaa.net/article/400823061.html

■お知らせ
『復興が日本を変える』(ぎょうせい)を出版→http://amzn.to/1UD3tkV
3/13日 8:25- NHKサキどり↑生放送に出演→http://www.nhk.or.jp/sakidori/
3/23水「レジリエンス社会とパートナーシップ」に登壇→http://bit.ly/1oTjyqj
NewsPicks→https://newspicks.com/user/162736/
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2016年03月15日

NHKサキどり↑と、三陸のブランド化(3月15日)

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NHKサキどり↑にて。

 13日(日)朝は、NHK「サキどり↑」に出演しました。

「震災から5年 走り続ける被災地の改革者たち」
http://www.nhk.or.jp/sakidori/backnumber/160313.html


 場所は名取・閖上。毎週日曜日に行われる朝市会場が中継拠点でした。震災後に始まり5年を迎える「サキどり」も、生放送は初めてだったそうです。今回のテーマは「走り続ける被災者の改革者たち」。サキどりで度々登場している八木さんの取り組みが再び登場。またお世話になっている三陸水産業の皆様が多数登場されました。
 工場は86%戻っているが、売上が回復できたのは26%の事業者に留まること。回復できた背景には、新規顧客の獲得があったこと。三陸のブランド化の必要性。そのために地域を越えて連携し、品質基準などで協調すること。人材不足も課題であるが、取り組みの工夫によって確保も可能であること。短い時間でしたが、こうした東北沿岸では常識になりつつあるが十分知られていない基本的な事柄を伝えました。
 RCFも三陸のブランド化に積極的に取り組みます。

■お知らせ
『復興が日本を変える』(ぎょうせい)を出版→http://amzn.to/1UD3tkV
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2016年03月13日

映像で、ふるさとはよみがえる。(3月13日)

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イベント直前の、虎舞リハーサルの様子

 今朝がたは、サキどりご覧の皆様、有難うございました。「SANRIKU」のブランド化に向けて私も頑張ります。さて、昨日12日は、NHK盛岡放送局主催のイベントに参加しました。

「よみがえる ふるさとの情景のつどい 〜みらいへの一歩〜」
https://pid.nhk.or.jp/event/PPG0276544/index.html


 「よみがえる ふるさとの情景」という、震災で失われた文化・風景を映像を通じて次世代に引き継ぐというNHK盛岡のローカル番組があります。「獅子踊り(宮古)」「あんど娘(大槌)」「虎舞(釜石)」という番組でも取り扱われた三つの伝統芸能が披露されたのが昨日のイベントでした。いずれも津波により文化が失われる危機にありましたが、映像がきっかけで復活したものもあります。
 祭や芸能は、ともすれば古臭いと思われがちです。しかし、ろ災害がある度に道具は作り直され、次世代に引き継がれます。そして地域コミュニティをつなぐきっかけとなります。祭や芸能を復活させることは、過去ではなく未来を創造することなのだ、と感じさせられました。
 倍賞千恵子さんや、以前お会いしたことがあるXUXUさん(アカペラユニット)もご一緒できたのもあり難かったです。両石虎舞保存会の皆さんの背中に虎(とら)とかかれ、その周りに桜(さくら)があしらわれているのをみて、倍賞さんが「とらと、さくら、ですね」とアドリブで話されたのには会場喝采でした。

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『復興が日本を変える』(ぎょうせい)を出版→http://amzn.to/1UD3tkV
3/13日 8:25- NHKサキどり↑生放送に出演→http://www.nhk.or.jp/sakidori/
3/23水「レジリエンス社会とパートナーシップ」に登壇→http://bit.ly/1oTjyqj
NewsPicks→https://newspicks.com/user/162736/
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2016年03月12日

東日本大震災五周年追悼式に参列。(3月12日)

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東日本大震災五周年追悼式にて。

 昨日は、国立劇場でおこなわれた政府主催の追悼式に参列しました。その場での、天皇陛下のおことばを抜粋して掲載いたします。
「あれから5年、皆が協力して幾多の困難を乗り越え、復興に向けて努力を続けてきました。この結果、防災施設の整備、安全な居住地域の造成、産業の再建など進展が見られました。しかし、被災地で、また避難先で、今日もなお多くの人が苦難の生活を続けています。特に、年々高齢化していく被災者を始めとし、私どもの関心の届かぬ所で、いまだ人知れず苦しんでいる人も多くいるのではないかと心に掛かります。困難の中にいる人々一人ひとりが取り残されることなく、一日も早く普通の生活を取り戻すことができるよう、これからも国民が心を一つにして寄り添っていくことが大切と思います」
『天皇陛下 東日本大震災追悼式でのおことば(全文)』
https://www.nhk.or.jp/news/html/20160311/k10010439811000.html

 追悼式の後は、今でも東北のために力を貸して頂いている企業への訪問。また、初期の復興庁でお世話になった皆さんとの会合。最後は赤坂トレジオンにて、東北の生産者の皆さんや、食の支援者の皆さんと集まりました。RCFのメンバーも、各現場でそれぞれに静かに祈りの時間を過ごしました。
 ある時、私は一人最後になってでも東北のために力を尽くそうと思っていた時期があります。その気持ちに変わりはありません。ですが、ふと気づくと復興に向けて共に歩くことができる仲間が東北にも全国にも何人もいることに気づかされるのです。6年目の東北復興に向かうことができるのも、そうした皆さんのおかげです。
 今日は盛岡。明日13日は閖上。閖上では、13日(日)午前8時25分から、NHKサキどり↑にゲストとして生出演する予定です。テーマは「震災から5年 走り続ける被災地の改革者たち」。お時間ある方はぜひご覧ください。

■お知らせ
『復興が日本を変える』(ぎょうせい)を出版→http://amzn.to/1UD3tkV
3/13日 8:25- NHKサキどり↑生放送に出演→http://www.nhk.or.jp/sakidori/
3/23水「レジリエンス社会とパートナーシップ」に登壇→http://bit.ly/1oTjyqj
NewsPicks→https://newspicks.com/user/162736/
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2016年03月11日

これまでの復興、これからの復興

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八戸にて。(2014年5月撮影)

東日本大震災から5年が経ちました。

この震災で犠牲となられた多くの方々に、深く哀悼の意を表しますとともに、ご遺族の方々や、今もなお困難な日々を送られている被災された皆様には、心よりお見舞い申し上げます。

この5年で震災がれきはなくなり、道路や学校をはじめとするインフラと施設の復旧のめどは確かに立ちました。未曾有の災害による困難な状況に対し、地域内外でこれまでになかった取組みが生まれ、ソフト分野の復興も少しずつ進んできました。我々RCFは「コーディネーター(調整役)」として、東北の皆様、支援企業、NPO、行政の皆様とともに、約20の復興の仕事に関わらせて頂きました。

しかし、復興の正念場は、これからです。

復興住宅の完成がようやくピークを迎えますが、5年かけて作られた地域コミュニティをもう一度作り直す必要が出ています。水産加工施設は85%復旧しましたが、売上が戻ったのは26%にとどまっていて、人口減少が進む中、少人数高給与の産業に作り直す必要があります。これまでの5年間は、国のリード(公助)によって復興が進められてきました。これからは、民間の役割(共助)を強めることが求められています。

希望はあります。釜石・大船渡・石巻・女川の4市町は、民間企業との連携のための窓口を作りました。岩手・宮城の若手水産業者は、三陸の魚を日本と世界の売り込むための組織を作ります。復興にコミットし続ける大手企業は、まだまだ数多くあります。RCFは、民間がリードするこれからの復興に向けて、役に立つ限り、東北から離れることはありません。

4年後には、復興五輪とも呼ばれる東京オリンピックでふたたび世界から注目が集まります。そのとき東北は、5年前の感謝を表すとともに、地域ごとに個性的でカラフルな東北を見せることができるでしょうか。

今後も、東北の復興に向けて、全力で向き合ってまいります。

2016年3月11日
一般社団法人RCF
代表理事 藤沢 烈
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2016年03月10日

復興のために働くことを、人生の選択肢に(3月10日)

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東北 復興・創生人材セミナーにて。

 昨日9日は、東北の復興仕事を紹介するセミナーで講演しました。これは、ビズリーチさんが「東北 復興・創生人材」公募特集のキックオフの位置づけです。この特集には、「WORK FOR 東北」が全面協力しました。

ビズリーチで「東北 復興・創生人材」合同公募を開始
http://www.yomiuri.co.jp/adv/life/release/detail/00026809.html

「地域おこしのモデルをつくる、東北復興プロジェクトメンバーを募集」
https://www.bizreach.jp/content/executive/wft_02/


 明日で震災から5年。岩手・宮城では新しいまちづくりが進んでいて、商業施設誘致などを担う現地マネジャーの募集が相次いでいます。福島は引き続き避難者サポートの業務が多いですし、帰還後のまちづくりのプランニングの仕事も増えています。年々、民間が担うべき役割が広がっています。ぜひ今求められている復興仕事を知って頂いて、「復興のために働くこと」を、人生の選択肢の一つに加えて頂ければと思います。

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『復興が日本を変える』(ぎょうせい)を出版→http://amzn.to/1UD3tkV
3/13日 8:25- NHKサキどり↑生放送に出演→http://www.nhk.or.jp/sakidori/
3/23水「レジリエンス社会とパートナーシップ」に登壇→http://bit.ly/1oTjyqj
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