2012年03月14日

1433旅 松瀬学『負げねっすよ、釜石』★★

「1960年代までは繁栄をきわめ、製鉄所の社員が約8000人、釜石市の人口が九万人を超えたこともあった。銭湯に行列ができ、飲み屋はどこも満杯だった。工場際の側溝の上に築かれた『呑ん兵衛横町』には40-50軒の安飲み屋が密集し、工員でごった返していた。(略)もっとも、今回の震災で『呑ん兵衛横町』も津波でごっそり丸ごと持っていかれた」p97

■概要
 ラグビーと鉄と漁業の町である釜石市で復興に向けて動き続ける男たちのルポ。著者はラグビー部出身のノンフィクションライター。@リアスNPOサポートセンターの鹿野代表にお世話になっていたこともあり、また雇用関連の調査を進めた事もあり、釜石には4回足を運ばせて頂いている。釜石という地域の過去と未来について、その匂いを感じさせてくれる一冊。

■居酒屋が24時間営業の街
 近代製鉄業の発祥の街として、一時期は9万人超が仕事をし暮らしていた。製鉄所は三交代制であり、仕事がおわった工員を受け入れるために、居酒屋は昼夜途切れることなく営業をしていたという。

(@リアスNPOサポートセンターが運営するWEBメディアに掲載されていた2011年2月時点の呑兵衛横丁→
http://cadatte-kamaishi.com/?p=6975

 釜石がいつか復興し、現地の関係者の皆さんと楽しくお酒が飲める日が来るために、努力を続けて参ります。



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2012年03月03日

1428旅 『震災復興 どうなるこの地域、あの企業』★★

「東日本のみならず日本全体がものづくりで競争力を失い、空洞化する可能性がある。ゆえに国を挙げてサプライチェーンの修復を急ぐべきであると、増田(東レ経営研究所)は主張する。復興のシンボルとなるテーマを掲げ、内外から優良企業、優秀人材、投資マネーを呼び込むことが重要である」p122
「金融庁のまとめによると、2010年9月末段階での被災地39市区町村の金融機関が抱える企業向け融資や住宅ローンなどの残高は約2兆8000億円。こうした融資先の中には、今回の震災で事業再開の目処が立たない企業や津波で家を失い、ローンを抱えて避難所暮らしを続ける人も少なくない」p134

■概要
 震災復興関連のムック本。小宮山宏氏、村沢義久氏の日本復興論がのるPart1、原発関連の記事がのるPart2、企業復興動向が掲載されたPart3に分かれている。最後のPart3が面白い。自動車、電機・電子、金融など19の業界別の被災・復興状況が整理されていて、分野別に状況が垣間見える。ただ2011年7月刊行なのでやや古い。

■産業構造別の分析が必要
 自治体ベースに実施されているため、復興はどうしても地域別に考えられている。被災者支援の観点では、弱者向けのセーフティネットをしくためにエリアコミュニティを欠かすことはできない。ただ、産業復興となると話は変わる。生産・加工・販売に至るプロセスは県や国を超える。
 東北産業復興のためには、東北以外の地域にある企業を支援する必要があるかもしれないのだ。産業構造、付加価値、金融を洞察し、東北復興を推し進めるためには。もちろん国が考えるにも、各企業が考えるにも限界がある。このテーマは自分にとって大きな宿題として残されている。


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2012年02月26日

1422旅 井熊均『図解よくわかる公共マーケット・ビジネス』★★

「イギリスと同じくらいPFIが普及した場合、投資額は4兆円程度に達することになります。(略)残念ながら、PFI法、包括的民間委託のガイドライン、水道法等の法改正、指定管理者制度、そして市場化テスト等、様々な取組みがあるにもかかわらず、マーケットの扉がなかなか全開しないのが日本の公共マーケットの現状です」p192

■概要
 日本の公共投資は年間20兆円。それらを民間委託する流れは、PFIをはじめとして90年代から促進されてきたが、年間数千億程度にとどまっており、まだまだ広がりは限定的だ。本著は、民間委託が進み始めた頃の様子を整理し、日本における公共マーケットの可能性と規模を示した一冊。ただし2005年刊行なので、内容はやや古い。著者は日本総研の研究員。

■民間委託を進めるとともに評価が必要
 PFI法は1997年に検討開始され、99年には成立した。その後当初三年は順調に件数は伸びたが、その後年間40件程度にとどまっていて、まだまだ広がりは弱い。
 指定管理者制度も、受託の中心は公共団体であって、株式会社やNPOなど外部が担うケースは多くない。市場化テストも広がるスピードは遅い。
 また受託した際の価値はコストであり、NPO等がになっても管理費を得て将来投資するには至らず、新しい公共を担うどころか行政にとっての一業者に成り下がってしまうケースも少ないない。
 震災復興は市町村主体だといっても、担える範囲には限界がある。制度を柔軟に活用しながら、民間が公にコミットできる幅を拡げる必要がある。もちろん民間だから競争力があるとは限らない。民間サービスを評価する仕組みやメディアも必要になるだろう。


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2009年07月21日

1183旅 三和総合研究所『中期経営計画の立て方・使い方』★★

「各事業の担当者は、自らのビジネスが衰退期にあることがわかっていても、経営計画策定では少なくとも現状維持レベル以上の数字を出してくる。(略)しかし経営計画で、ある事業を衰退ビジネスとして扱うことは、従業員のモラール・ダウンを引き起こす可能性があるため、経営者としても成長志向の経営計画を容認してしまう傾向にある」p194
三和総合研究所『中期経営計画の立て方・使い方』(かんき出版, 1999)

★本の概要
 IRのためにも、三か年の中期経営計画を上場企業はたてる。その基本的なフォーマットを説明した一冊。類書が少ないために、よく売れているようだ。

★企画スタッフの役割
 中期経営計画をとりまとめる経営企画スタッフの役割についてまとめたい。
 経営計画は全社を巻き込むため、スケジュールの立案とコントロールがまず必要となる。その上で社内調整を進め、経営トップを補佐する役目を担う。資料が揃えば内容の整合性チェック、レベル合わせが必要になるが、とりまとめに終わらせずに独自の情報収集・分析も必要となる。
 作成上の留意点としては、まずは社内調整面。各部門間の確執を外して客観的な判断が求められる。内容面では、絵にかいた餅になっても困るが、現状延長型や横並び意識で計画が組まれることも避ける必要がある。また過剰な分析を経営スタッフが行っても、現場からは受け入れられない。
 現場をたてた計画立案を進め、しかし全体最適を意識した理想状況の追求が鍵となる。

★編集後記
 トレーニングジムから、外でのジョギング中心に切り替えようと思うけれど、さすがに暑い毎日。室内トレーニングの方法もあわせて検討中。

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2009年07月15日

1172旅 ナターシャ・スタルヒン『アミノ酸で10歳若返る』★★

「体内ではタンパク質の建設と破壊が四六時中繰り返され、あらゆる代謝が休みなく続けられています。それらの作業がスムーズに遂行されるための条件を、しっかり整えることによってのみ、体内はトラブルの発生なしに最高の働きを維持し、健康で、若々しく過ごすことが可能になります」p218
ナターシャ・スタルヒン『アミノ酸で10歳若返る』(講談社, 2003)

★本の概要
 健康で若々しい身体を保つためには、タンパク質を正確に摂取することが重要だと説明する本。著者は元巨人軍スタルヒン投手の長女であり、美容健康コンサルタントとして活動されている方。

★タンパク質を適切にとる
 若くみえるための最大のポイントはタンパク質にあるという。そのためには、一日体重1kgあたりタンパク質1g。私の場合65kgの体重だから、65g必要な計算になる。可能な限りプロテインスコアが高い食材を選ぶ。大豆は低くて、最も高いのは卵。ただしタンパク質が多くとると脂肪もあわせて摂り過ぎることになる。そこで、1/3程はプロテインで補助することが薦められている。摂るタイミングは夜を多めとする。
 他には食物酵素を取るために果物・生野菜をとり、炭水化物は多すぎず少なすぎずとるのが良いという。
 個人的には結構食事に気を使っているけれど、確かに体調は良いし、たまにやや身体に悪そうな食べ物(ラーメンなど)をとると身体が重くなるのが分かる。

★編集後記
 筋トレを続けているため、最近はプロテインも多めにとっている。個人的には明治製菓のSAVAS PROシリーズがタンパク質が多く、かつ味が良くてお奨め。その分少し高いけれど、Amazonでは2割引きぐらいで販売されている。

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2009年06月17日

1114旅 栗山俊弘ほか『図解でわかる部門の仕事 経理部』★★

「経理部には営業活動や会社の財産、特にお金に関する情報が次々と入ってくる。経理部がこの情報を整理加工して、会計データの作成や出納業務を行う一方で、この情報の正確性を検討したり、他部門との整合性をチェックすることから会社の内部統制の要としての機能を持つことになる」p28
栗山俊弘ほか『図解でわかる部門の仕事 経理部』(日本能率協会マネジメントセンター, 2004)

★本の概要
 税理士・公認会計士の方々による、経理部業務のあらましをまとめた一冊。経理部の機能、仕事内容、必要な知識、最新動向が図解されている。

★経理部の位置づけ
 経理部の社内外における位置づけをまとめてみたい。
 社内。経理・財務・管理会計情報を社内に発信する役目をもっており、直接部門・間接部門の経理情報をまとめつつ、各種取引のチェック・相談を引き受ける。とりわけ昨今では社内内部統制をリードする役目を担う。社外。金融機関からの格付けを把握し、逆に企業情報と課題をトップと共に積極開示する。営業部・購買部と連携しながら顧客・仕入れ先との債権・債務を確認。税務調査・会計監査にも対応。投資家へのIRを担当することもままある。、
 社内外各機関とのコミュニケーションと、論理的に業務を数値化する力が求められる。

★編集後記
 昨日は朝から晩まで打ち合わせから会食まで続く。そんな場合は一駅分でも一眠りする。私の身体は、数秒で眠りについて、駅についた手前で目が覚める機能を有しているので便利。


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2009年05月30日

1068旅 宮脇檀『男の生活の愉しみ』★★

「仕事は私の全生活の一部分として組み込まれている。それは重要だけれど、生活にはそれより重要なことが他にいくらでもあると思っている。それは私が仕事人間ではあったけれども、同時に生活の中に同じように重要で、私たちに大事でしかも面白いことがあることを知ってしまっていたからである」p4
宮脇檀『男の生活の愉しみ』(PHP出版社, 2001)

★本の概要
 建築家による、「住」に限らない男の生活全般についてのエッセイ。独身男としてどんな愉しみを持とうか、なんて考えていたからふと手にした一冊。

★男の愉しみとは?
 「旨いものを喰う(食)」「生活の中で考える(住)」「旅で学ぶ(旅)」の三章立て。
 「食」についてはさらに外食と自炊に分かれる。酒を飲まなくなってから外食への情熱も減ってきたから、自炊の上達がテーマになりそう。野菜鍋ばかり食べてないで、包丁でも買ってみようか。「住」では台所用具、椅子の話が出てくる。読書生活のために椅子は奮発したから、数年は不満はなさそう。「旅」は鍋とホテルについて北海道から沖縄まで、日本全国の鍋を筆者は巡っているようだ。また建築家らしく、ホテルでは室内を細かく巻尺で測り、質の違いを見定めているという。私も出張が多かった頃は、現地の食べ物やをいろいろと物色していた。今だと、むしろ朝早くにその地元でランニングしたいかなあ。
 結論としては、余りに生活に変化は起きなさそうでした笑。

★編集後記
 松岡正剛さん主催の「連塾」に初参加。漫画家の萩尾望都さん、日本近代史研究者の松本健一さん、美術家の横尾忠則さんがゲスト。残念ながら荻尾さんと松本さんのセッションにしか出られなかったけれど、「異能にたずね、異界をさぐる」のタイトル通りに"あちらの世界"が垣間見える素晴らしい内容だった。会場や演出も最高品質。こうした文化イベントをいつか開催できるように、精進したい。

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2009年05月18日

1038旅 遠藤演明『50年後の未来予測』★★

「文明が進み科学技術が進歩していくほど、視野は広まりグローバルに物事を考えることができるようになり、それがひいては、相手(国家と文化)を重んじることになっていくのです。もっと未来になればグローバルから宇宙へと視野は拡大していき、もっと大きな相手(惑星と生物)を重んじる事になっていきます」p203
遠藤演明『50年後の未来予測』(文芸社, 2004)

★本の概要
 エンジニアを経て新製品開発コンサルタントをつとめる著者による50年後を予測した一冊。技術者の目から、世界情勢から日本のこれからを描き、その観点からの近未来小説も含まれている。

★いまを超越する技術
 これからの技術が、今のリミットを次々に超えていくことが分かる。
 東京・ロスを三時間で結ぶ極超音速旅客機、時速700kmの次世代リニアモーターカーによって、国と国、地域と地域の距離が急速に近づく。藩ごとに分裂していた日本が統一されたように、国との距離感も近づく。マイクロマシンによる体内遠隔治療、機械による自己再生、サイボーグの登場。人間に依存することなく、機械があらゆる場所で自立して活動をしはじめる。自動車の自動運転が実現し、モニター/キーボードはなくなって頭の中だけでの入出力も可能に。人間自身も、自分の制約を超えた力を得ることができる。
 技術の実現は時間の問題。社会の変化やリスクの見極めが求められる段階である。

★編集後記
 新しい考えを取り込むためには、そのための環境も必要。何かを読み、聞き、話し、書くか。それぞれに工夫が要りそうだ。

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2009年05月09日

1014旅 吉井信隆『「新規事業」はどうすれば育つのか』★★

「アメリカに視察に行ったとき、『ベンチャー企業を見たい』という私は、現地の人たちから『アメリカにベンチャー企業というものはないよ。ベンチャーとは会社を指すものでなく、人の内面にあるスピリッツを表現しているんだ』と諭されたことをよく覚えている。つまり、起業に最も必要なのは、スピリッツ、精神なのである」p66
吉井信隆『「新規事業」はどうすれば育つのか』(かんき出版, 2007)

★本の概要
 リクルートを経てインキュベーション事業に取り組むインターウォーズ社を設立した著者による、企業内起業の方法論を説明した一冊。

★なぜ新規事業は育たないか
 その中で新規事業が失敗する理由が七つ挙げられているが、整理すれば「リスク忌避」と「積み上げ思考」の二つになると思う。
 「担当者の人選ミス」「既存事業より弱い発言権」「社内調整によるスピード喪失」の三つをみると、失敗リスクを避けて新規事業に権限移譲できていない様がうかがえる。
 「トップの直感による基準のない判断ミス」「属人的なツテに頼る」「平等主義による人事・報酬制度」「資本家の論理の跋扈」の四つからは、既存事業/仕組みの発想による事業開発の限界が見てとれる。
 新しさだけが必要十分条件ではないが、少なくとも既存のやり方では新規事業の入口に立つこともできない。

★編集後記
 大学時代からお世話になっている鈴木さんと朝から打ち合わせ。地域がもつ潜在力がマックスになるような、そんな展開になることを期待しています!

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2009年05月08日

1010旅 信田秀哉ほか『新規事業開発 成功への80STEP』★★

「現在は主力事業が順調でも、将来どうなるかはわからないし、ましてや主力事業が不振であれば、新たな収益源の確保が必要です。企業はこれまでにない取り組みで新規事業を成功させなければなりません」p1
信田秀哉ほか『新規事業開発 成功への80STEP』(三修社, 2004)

★本の概要
 三人の中小企業診断士による、新規事業の開発プロセスを整理した一冊。

★ビジネスモデルのタイプ
 事業開発上の、ビジネスモデルのタイプについて。既存価値の拡張か、新規価値の創造の二つに分けられるだろう。
 既存価値の拡張は三つ。垂直/水平統合によって従来業務の延長であっても適切な価値を取り込むネットワーク形成。あるいはいわゆる中抜きのように、情報通信の仕組みなどによって不要な要素を減らすチャネル革新。テレビゲーム市場/プリンターのトナー等のように規格を統一させて、その後の製品・サービスから利益をとる事業増殖。
 新規価値の創造は三つ。技術革新などにより特定パートの付加価値の向上をはかる機能特化。やはりIT活用などで産業内の売り手買い手を新規にむすぶプラットフォーム形成。
 一製品単位ではなく、業界ルールの改編を迫ることが事業開発では求められる。

★編集後記
 カスケード時代に一緒だった荒井君が神谷町に立ち寄ってくれた。海外にいかれる我ら師匠の送別会を企画中。



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2009年05月07日

1008旅 高山研一『事業開発部』★★

「新事業進出に成功した企業を見ると、そのヒントを現業でつきあっている得意先や仕入先、外注・業務連携先などから得たケースが大半です。つまり、成功には営業や仕入などの現業部門の協力は不可欠なわけで、その意味でも、まず事業開発の意義を充分に社員に理解させ、積極的に協力してもらえる体制づくりに努めることが重要なのです」p57
高山研一『事業開発部』(日本能率協会マネジメントセンター, 2002)

★本の概要
中堅〜大手企業における事業開発部門が行うべき作業を整理した一冊。著者は電機メーカーで新規事業を設立した後、独立してコンサルタントをされている方。

★事業開発における三つの役割
 事業開発部門には大きく三つの役割がある。
 一つは新規事業の選定。社内外の情報を整理しつつ、「社内資源とのシナジー」「成長性と差別化」「事業の実現可能性」の観点から検討すべき事業を抽出する。二つめは事業計画の策定。セグメント別の市場動向、競合/新規参入、技術革新、法規制、必要資源を深耕したうえで、事業方針の策定を図る。三つ目は事業の実行。
 それぞれで求められる役割・スキルは異なり、外部専門家を活用しながらも、適応力ある担当者が求められる。

★編集後記
 いつのまにかゴールデンウィークも終り。

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2009年04月26日

977旅 武藤清栄『雑談力』★★

「率直でないコミュニケーションには、なんとなく変だとか、何か隠しているとか、心はいろいろと感じるものです。人間関係には信頼が大切。たとえ一時の雑談でもふれあいがほしいですよね。安心して話ができ、気持ちの交流もあれば、それは充実した時間になります」p95
武藤清栄『雑談力』(明日香出版社, 2003)

★本の概要
 東京メンタルヘルスアカデミー所長による、雑談を技術として捉えた一冊。雑談に抵抗感がある方や、部下が大人しすぎて扱いに困る方にも役立つだろう。

★我と汝と雑談力
 マルティン・ブーバーは『我と汝』にて、自分に固執することも、相手をモノと見ることも避け、我と汝の一体性を重視すべきと考えた。
 雑談においても同じことが言えるかもしれない。
 著者による雑談力を下げる、または上げるタイプをみてみよう。
 「場の空気がわからない」「自慢話が必ず出てくる」「話の途中で割り込む」「一人でおしゃべり」などが雑談力を下げるタイプ。これは、自分しか見えていない状態だろう。
 「相手を考えながら話題を探す」「熱心な聞き手であること」「相手のテンポや順序を乱さない」などが雑談力を上げるタイプ。相手を尊重して会話している様子がうかがえる。
 ただし、その場合に相手を「モノ」としてコントロールしていると逆効果となる。「感情や本音が出てこない」はマイナスであり、「リラックスできる雰囲気」「気持ちを伝えられる」ことはプラスであるという。
  相手も自分であると捉えていれば、自然に感情も生じ、ぎこちなさも減るだろう。

★編集後記
走り続け、沢山食べ続けているので体重の増減が激しい。三日で3kg位平気で変動してしまう

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2009年03月29日

897旅 ポール・S・ロイヤー『プロジェクト・リスクマネジメント』★★

「リスクのカテゴリーを見れば、プロジェクトを失敗させるような危険度の高いリスクがわかる。(略)しばらく新技術を導入したことのない組織は、新技術導入には慎重になる必要があり、リスクとして十分認識しなければならない」p62
ポール・S・ロイヤー『プロジェクト・リスクマネジメント』(生産性出版, 2002)

■本の背景
 プロジェクトマネジメント、リスクマネジメントに関するコンサルティング会社の経営者が著者。PMBOK体系の中でも、リスクに論点を集中させてまとめてある。

■組織固有のリスクカテゴリーを知る
 プロマネの研修における質問で多いのが、「突発タスクにいかに対応するか?」である。思うに、突発に思えるのは発生するリスクを予見できていなかったから。そうした失敗は喜ぶべきで、今後は発生すべきリスクだと認識しておくことが肝要。
 その際に、自分/自社固有のリスクカテゴリーを作っておくと便利。

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2009年03月27日

892旅 ゴマブックス編集部『社長100人の「私の1冊」』★★

「重い責任を伴った決断を、限られた時間で下す際に、彼らが拠り所としている信条・信念・思考方法はどのようなものなのか、それらを探る鍵として、本書は「一冊の本」というテーマを掲げました。本には、その人を映し出す鏡という側面があるからです」p2
ゴマブックス編集部『社長100人の「私の1冊」』(ゴマブックス, 2008)

 若手経営者が推薦する1冊を100人分100冊紹介した本。
 フィクションとノンフィクションが1:1程度。宮沢賢治や雲水日記を取り上げる方もいて心強いけれど、ほとんどは最近の本であり、ベストセラーばかりではある。
 時間がない方々だから読む冊数も少ないのだろうが、だからこそ、深い本を紹介しあえるような仕組みも必要かな、と思う。
 


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2009年03月26日

889旅 野村総合研究所『2010年のアジア 次世代の成長シナリオ』★★

「これからのアジアの購買力の主体となる中流層は、新しい知識、技術、感覚、思想を持った若い世代を中心としており、アジア市場での事業機会を企業が自らの成長に取り込むためには、この若い世代の購買行動をしっかりと理解する必要がある」p91
野村総合研究所『2010年のアジア 次世代の成長シナリオ』(東洋経済新報社, 2006)

 中国、インドに加えて大メコン圏(タイ、ベトナム等)も含めたアジアのこれからの経済環境を示した一冊。
 2004年時点で1.5億人から、09年で4億人に増加が予想される中流所得層(年間所得3千ドル以上)への対応が、事業展開上求められるという。
 彼らは現時点で20-30代の若手であり、従来のアジア人に比べると欧米・日本人の若者の感覚に近い。
 「金銭目的ではない職業観」「興味範囲が広いライフスタイル」「個性にあった消費スタイル」「客観的な物の見方」などを有しているという。
 国で輪切りにせず、むしろ世代/層によるネットワークを考えてみるべきだろう。




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2009年03月23日

881旅 キム・ヘルドマン『早分かり プロジェクトマネジメント』★★

「内部リスクはプロジェクトそのものの性質、組織の問題、従業員または資源の問題なにどによって発生します。外部によるリスクには、政治的問題、法的な懸案事項、環境問題、社会問題などが含まれます」P171
キム・ヘルドマン『早分かり プロジェクトマネジメント』(コンピュータ・エージ社, 2004)

 プロジェクトマネジメントのアメリカ人専門家による、PMのガイドブック。概念が網羅されていて、初心者に分かりやすい。

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 その中からリスクのパターンについて。
 プロジェクト計画段階、実行段階におけるリスクが一つ。またプロジェクト周辺の人的・外部環境的リスクが一つある。
 リスクプロジェクト初期に発生しやすいため、計画段階での洗い出しが求められる。



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2009年03月22日

878旅 KPMBビジネスアシュアランス『ユーザーのためのプロジェクトマネジメント実践講座』★★

「会社間でキーパーソンに関する合意をとる、PM同士が予算枠内で要件定義を進めることを合意する、会社間で責任を共有するといったことは、互いの信頼関係なしにはあり得ない」p125
KPMGビジネスアシュアランス『ユーザーのためのプロジェクトマネジメント実践講座』(日経BP社, 2007)

 クライアント企業目線からみた、プロジェクトマネジメント本。『日経コンピューター』の連載記事をまとめた一冊である。

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 プロマネは、リスク発生時に真価が問われる。何より重要なのは、顧客・ベンダー間の信頼関係である。
 場所や会議体の設置は関係作りに有効になる。プロジェクト実施前に配慮したい。感情面で気配りすることも、通常のプロジェクトマネジメントと同様に重要である。

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2009年03月21日

876旅 神山安雄『あなたにもできる農業起業のしくみ』★★

「農業所得で家計費をまかなえていると答えた新規就農者は490人のうち190人にすぎません。その190人は、農業所得で家計費をまかなえるまでに農業をはじめてから平均2.6年かかっています」p154
神山安雄『あなたにもできる農業起業のしくみ』(日本実業出版社, 2006)

農政ジャーナリストとして活動している著者による農業を始めるための一冊。
 「誰でも農業はできる」と帯についているけれど、読めば読むほど厳しい状況が分かる。

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 そもそも家計が成り立つレベルまでたどり着くのが三分の一の方で、その方々でも2-3年は食えず、また食えたとしても農業上の所得は一家で400万程しかない現状。
 スキルも無いのに、立派なオフィスを借りて1人でコンサルティング会社を始めてしまうようなものかなあ・・。
 農業法人が発展する必要があるのだと思う。

□編集後記
世界連邦21世紀フォーラムの昨日のお題は「農業」。ヒトが欠かせない領域だけに、産業視点からの検討を考えたい。



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2009年03月18日

868旅 大川清人『WBS構築』★★

「WBSをベースにプロジェクトの進捗状況を数値化しグラフ化することによって確実にモニタリングすることができる。さらに計測時点におけるモニタリングの結果から、完成時期と完成時総コストをプロジェクトの初期の段階から予測することもできる」p135
大川清人『WBS構築』(生産性出版, 2008)

 三菱電機を経てコンサルタントとしてプロジェクトマネジメント支援を行う著者による一冊。
 WBSはWork Breakdown Structureの頭文字であり、プロジェクトに求められるタスクの構造のこと。プロマネの中核ともいえるWBSに焦点をあて、その活用方法が説明される。

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 たとえばWBSの把握によって、プロジェクトの将来の予測ができる。
 WBSが精緻化されていれば、ある計測点における計画とのズレから、遅れも踏まえたプロジェクトの着地時間を算定できる。
 同時にWBSにおけるコスト構造が見えていれば、遅延したその先で、コストがどこまで膨らむかも推測できる。
 大小問わずプロジェクトを管理するためにも、プロジェクトの一つ一つの業務を把握したい。

□編集後記
近くのドラッグストアでもろもろ購入。ネットでの購入金額と差がない。恐らくドラッグストア側はネットとの競争に危機を覚えていて、大衆薬のネット規制を強く主張したのだろう。

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2009年03月13日

862旅 森田正康『マルチタスク・ワーキングのすすめ』★★

「『正解は自分の側にはなく、常に状況によって決められるもの』と考えておかなくてはなりません。そして、正解が事前に決められるものではなく、その場の状況によって変化するからこそ、『たくさんの選択肢を生み出す力=さまざまな状況を想定して対処する力』が必要なのです」p70
森田正康『マルチタスク・ワーキングのすすめ』(明日香出版社, 2008)

 複数の企業経営にたずさわる著者による、マルチタスクの進め方に関する一冊。30近くの例題も掲載されていて、仕事の段取り力を強化する上で練習になる。

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 マルチタスクを成功させるポイントは、スピード。タスクを実行する瞬発力ではない。選択肢をリストアップする早さである。
 思考する時間は長く感じるが、なれればほぼ瞬間的に複数のオプションを見つけることができる。その一手間によって、複数のあるいは重いプロジェクトも短期間で実行可能となる。

□編集後記
久々にM社に行ってミーティング。五年ぶりぐらいだろうか。六年前の勤務時と同じ景色のはずだけれど、随分と違って見える。



posted by 藤沢烈 at 23:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の旅 ★★ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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